石川純治
『楕円の思考と現代会計 会計の世界で何が起きているか』
日本評論社
2020年5月20日
のれん非償却派の私が通ります。5年近く積読になっていた石川先生の本です。とても楽しく読ませてもらいました。会計好きにはたまらない内容です。併存なりハイブリットな現行会計制度の構造分析や解釈は、20年以上テーマにしているので、合理的で客観的な分析に脱帽です。最近は、規制緩和の名のもとに、合理的な必要性があって設定されている決まり事をなくす動きが後を立ちません(制度疲労を起こしているものは構わないのですが)。一体何のために理論があるのかと憤ることもあります。会計の世界も、理論で説明できない処理が増え続けています。あとがきに、教科書では見えない現代会計とありました。巷のテキストは現行制度第一で、だいたい濁しているので、明確に混在している概念を真正面から整理しようとする意欲的なものはないように思います。授業でも、その辺りは+αで説明していますし、私の中では整理がつかなくなることもしばしば。慧眼とはこういう方のことを言うのだと思います。
『楕円の思考と現代会計 会計の世界で何が起きているか』
日本評論社
2020年5月20日
