火坂雅志
『天下 家康伝 下』
日本経済新聞出版社
2015年4月24日
専門書を読まないといけないのですが、ついつい。天下 家康伝を読み終えました。著者の火坂さんが、この連載終了後に亡くなられていたことを読み終えた後に知りました。『天地人』を書かれた方ということも。家康には、人質時代、三河一向一揆、三方ヶ原、第六天魔王、伊賀越え、太閤秀吉といった、筆舌に尽くしがたい苦労を重ね、壁を乗り越えるたびに人間としての器を大きくしていく様に魅力を感じます(関ヶ原や大阪の陣の頃の重厚感たるや)。こういった経験が、天下泰平の世を築く礎となったことは間違いないでしょう。信長や秀吉のような最期にならなかったことも、用意周到さを最後まで貫徹させた家康ならではだと思います。まさに大器晩成。鳴くまで待とうホトトギスの印象は揺るがないとして、小説や映画、ドラマで描かれる家康像は様々です。歴史は想像ですから、多くの方がそれぞれの想いで描く家康を多く読むことも大事な気がしました。自分の中で一番しっくりくる家康を探してみたい。
『天下 家康伝 下』
日本経済新聞出版社
2015年4月24日
