2025年01月

天下 家康伝 下

火坂雅志
『天下 家康伝 下』
日本経済新聞出版社
2015年4月24日
20250117 専門書を読まないといけないのですが、ついつい。天下 家康伝を読み終えました。著者の火坂さんが、この連載終了後に亡くなられていたことを読み終えた後に知りました。『天地人』を書かれた方ということも。家康には、人質時代、三河一向一揆、三方ヶ原、第六天魔王、伊賀越え、太閤秀吉といった、筆舌に尽くしがたい苦労を重ね、壁を乗り越えるたびに人間としての器を大きくしていく様に魅力を感じます(関ヶ原や大阪の陣の頃の重厚感たるや)。こういった経験が、天下泰平の世を築く礎となったことは間違いないでしょう。信長や秀吉のような最期にならなかったことも、用意周到さを最後まで貫徹させた家康ならではだと思います。まさに大器晩成。鳴くまで待とうホトトギスの印象は揺るがないとして、小説や映画、ドラマで描かれる家康像は様々です。歴史は想像ですから、多くの方がそれぞれの想いで描く家康を多く読むことも大事な気がしました。自分の中で一番しっくりくる家康を探してみたい。

黒書院の六兵衛 下

浅田次郎
『黒書院の六兵衛 下』
文藝春秋
2017年1月10日
20250104 年始の移動で完読。300頁と持ち歩きに適していたので六兵衛。年始に寅次郎巡礼で行った小塚原刑場や伝馬町牢屋敷がちょうど出てきて、知識や経験は繋がるもんだなぁと思いました。下巻では益次郎も登場。福地源一郎の江湖新聞のくだりは、よかったです。マスコミには、原点に帰ってもらいたい。前にも書きましたが、今まであまり知らなかった徳川家中の仕組みや御殿の配置に詳しくなった気がします。江戸城跡(皇居東御苑)に行きたくなりました。ここのところ、小説ばかり読んでいるのですが、最後に差し掛かると止まらないです。現実にはあり得ない話でしたが、武士の精神性を六兵衛を通して表現していて面白かったです。わざとではありますが、西郷の薩摩弁は読めませんでした。木戸や大村の長州弁には郷愁を感じました。しばらく大きな移動の予定もないですし、厭離穢土欣求浄土を旗印に天下泰平の世を築いた東照大権現こと家康の続きを読もうかと思っています。
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