辻田真佐憲
『「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史』
講談社
2023年6月1日(電子版)
流行りの本をば。神話は好きです。宗教もそうですが、嘘だと知りつつ、気持ちのよい言葉に、人間の感性は揺さぶられ高揚するものです。人間は自分のことを特別だと思いたいものなのです。戦時の当局(プロパガンダ目的)、企業(儲け目的)、消費者(熱狂目的)の3者のウィンウィンウィンで成立した構図は、そうだよなと思いました。本書では、「原点回帰という罠」「特別な国という罠」「祖先より代々という罠」「世界最古という罠」「ネタがベタになるという罠」という5つの観点で、戦前を考察しています。互いに矛盾している「宿命論」と「努力論」が循環するというのはおもしろいと思いました。情報過多のこの時代、情報を体系的に整理して真偽をしっかり判断する力が大事だと常々思います。おわりににある、この能力を最も培えるのが読書や執筆というのは、その通りだと思います。スマホをスクロールしていても、身につくとは思えない。
『「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史』
講談社
2023年6月1日(電子版)
流行りの本をば。神話は好きです。宗教もそうですが、嘘だと知りつつ、気持ちのよい言葉に、人間の感性は揺さぶられ高揚するものです。人間は自分のことを特別だと思いたいものなのです。戦時の当局(プロパガンダ目的)、企業(儲け目的)、消費者(熱狂目的)の3者のウィンウィンウィンで成立した構図は、そうだよなと思いました。本書では、「原点回帰という罠」「特別な国という罠」「祖先より代々という罠」「世界最古という罠」「ネタがベタになるという罠」という5つの観点で、戦前を考察しています。互いに矛盾している「宿命論」と「努力論」が循環するというのはおもしろいと思いました。情報過多のこの時代、情報を体系的に整理して真偽をしっかり判断する力が大事だと常々思います。おわりににある、この能力を最も培えるのが読書や執筆というのは、その通りだと思います。スマホをスクロールしていても、身につくとは思えない。