2016年08月

情報参謀

小口日出彦
『情報参謀』
講談社
2016年8月1日(電子版)
20160830 かなり面白かったです。確かなデータと確かな分析、これに勝るものはありません。ビックデータの時代とはよく言われますが、世の中の膨大な情報を的確に処理して、課題に取り組むことは必要なスキルだと思います。前例踏襲であるとか、勘で物事にあたるのは、あまり望ましいことではないでしょう。大学にも宣伝のうまい大学があります。まさに情報参謀による情勢分析や話題の作り方が、データに基づいた緻密な戦略に基づいている背景があるのでしょう。これから圧倒的な情報処理で、AIをはじめ、世の中のあり方が変化していくことになります。変える方の立場で、変化を楽しみたいものです。

走れメロス

太宰治
『走れメロス』
新潮社
1967年7月10日
IMG_6355 また太宰に手を出してしまった。そんな感想です。大学が夏休みに入って、本屋に行ける時間が取れたことで、手に取ってしまいました。今回は、初期1編、中期8編ということで、これまでの後期作とはまた違った感じでした。「駆け込み訴え」は特によかったです。「女生徒」は女性が主人公だったせいもあるのか、『斜陽』のかず子を思い出しました。全体として相変わらず、自身の自叙伝的な背景と内容ですね。そして、個人的な印象として中二要素が強いというのも相変わらずでした。余裕のある時に、また読みます。

ミライの授業

瀧本哲史
『ミライの授業』
講談社
2016年6月30日20160815 瀧本氏の本は4年ぶり。twitter(@ttakimoto)での宣伝に負けて購入。14歳向けの「未来をつくる5つの法則」というタイトルでの講義を書籍化したものです。5つのルールのうち、個人的に特に重要だと思うのは「世界を変える旅は違和感からはじまる」「一行のルールが世界を変える」の2つ、その次に「ミライは逆風の向こうにある」、そして「すべての冒険には影の主役がいる」といったところでしょうか。より抽象的なものの方が、本質を突いていると思います。内容は、19名の偉人の話がメインです。私が若い人たちに対して伝えるならば、思い込みや常識を疑う、行動規範よりも基本原則を守る、そして世代交代だけが世の中を変える、という点になります。「未来をつくる」、なんとワクワクする言葉なのでしょう。

ノックの音が

星新一
『ノックの音が』
新潮社
1985年9月25日
IMG_6103 「たまには星新一とか読んでみたらどう」という勧めで手に取りました。ショートショートというジャンルでとても読みやすくて、ものの一瞬で完読。気分転換にはいいなと思いました。小説を読まない私も最近は朝夕刊の連載小説を読むようになりましたが、そんな気楽さがあります。「ノックの音がした。」から始まる15編の短編で構成されています。サスペンスなんて全く読んだことがないのですが、おそらく本書のようなものをいうのでしょう。一種、ホラーみたいでしたが。云々かんぬんで、最後に「キャー」みたいな。星新一はSF作家らしいので機会があれば、そっちも読んでみようと思います。SFも読んだことがない。
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