2015年03月

バランスシートで読みとく世界経済史

ジェーン・グリーソン・ホワイト著、川添節子訳
『バランスシートで読みとく世界経済史』
日経BP社
2014年10月20日
IMG_5502 book diary初の研究費による購入本(大学の管理バーコードが付いています)です。紀元前7000年から現代における、簿記・会計の歴史、そしてそれを取り巻く文化・経済を非常にわかりやすく、そして何より面白く書かれた本です。会計の専門家ではない著者と訳者だからこその作品ではないかと思います。複式簿記の素晴らしさやその限界を知るには、大変よくできていると思います。印象に残った箇所は多過ぎて紹介はできませんが、本書の主張はGDPという指標や現在の決算報告書の欠陥(限界)です。現在の物質的な価値に偏った資本主義経済は、新しい会計で進化する必要があると思います。経済に関わる全ての方にお勧めします。

面白くて眠れなくなる社会学

橋爪大三郎
『面白くて眠れなくなる社会学』
PHP研究所
2014年12月4日
IMG_4949 少し本を読む時間が取れたので、社会学について読みやすそうなものを1冊。少し興味があって、専門的に勉強していない方には、とてもいいと思います。社会がどのように成り立っているのか、非常にわかりやすく書いてあります。普段、当たり前のように過ごしていて、いざ説明するとなると言葉に詰まるような事柄ばかりです。言語の性質について、否定、仮定、執行、命令、宣告、約束、告白で説明されている部分で、もう虜になりました。戦争、資本主義、リバタリアニズム(自由市場主義)と現代社会を読み解くうえで、重要な概念についても易しく触れられています。人類の文化の中心である宗教について、死はたまた幸福とは何か、言語化された客観的な解説は、豊かな社会生活に必ず役に立つと思います。自由を重んじ、誰でもない自分の幸せを追求することこそ、良い人生を歩む基礎となるでしょう。

東大合格生のノートはどうして美しいのか?

太田あや
『東大合格生のノートはどうして美しいのか?』
文藝春秋
2009年4月15日
IMG_4897 『東大合格生のノートはかならず美しい』の続編に位置付けられる本です。ノートって、なんでこんなに面白いのかと思わされますね。主として勉強するときにノートテイキングをするわけですが、美しい(ただきれいに書くというのではない)ノートを作るというのは、その背景には“学び”があるのだと思いますし、“勉強を楽しむ”という要素が大きいように感じました。私も昔からノートにまとめるのは好きです。勉強するって、やっぱ楽しいんですよ、きっと。気分の浮き沈みや継続性というのが、ノートを取り続ける上での難しさなのですが、そういう意味で東大生のノートは、やはりスゴイですね。自身の大学受験時代のノートや大学時代の講義ノートも手許にありますが、機械的な部分が多くて、これじゃダメだと思ったりします。今でも講義ノート、研究ノート、日々のメモ帳とノートは必須アイテムで、日々書き込んでいますが、本書でいうテンションの乱れ全開だと思います。あと、研究ノートがある日を境に、プツンと切れたように白紙になっているのが…。
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