2014年11月

今、ここを真剣に生きていますか?

長谷部葉子
『今、ここを真剣に生きていますか? −やりたいことを見つけたいあなたへ』
講談社
2012年12月10日
IMG_1216 SBSでふと目に留まった本です。特にやりたいことを見つけたいとか思っているわけではありません。帯に「慶應大学SFCビッグママの人生が変わる授業」とあったので、どんな授業なのか興味が湧いて読んでみました。私には到底できない芸当ですが、語られていることは本質をついていると思いました。特に「社会貢献」や「ボランティア」という言葉の危うさについて、ボランティアの押し売りや美化し過ぎて本質を失っている様子を指摘されているのは、実践されているだけあって説得力があります。「交流筋」を鍛える、という部分があるのですが、コミュニケーションをとり慣れている人から始めるのは、定石ですね。相手との距離感がとれずに負荷をかけてくる方や反応しない方だと、鍛えられるどころか萎えてしまいます。私のようなコミュニケーション下手には、あと数が必要でしょう。生活のリズムの大切さは、事を成す人の共通項だと思います。規則正しい生活こそ、力を発揮する基礎です。

考え方のコツ

松浦弥太郎
『考え方のコツ』
朝日新聞出版
2012年9月30日
IMG_1127 去年『日々の100』を読んでから、たまに読むようになった松浦さんの本です。SBSで見かけて購入しました。こないだ読んだ『100の基本』で十分だったな、というのが率直な感想です。よくある自己啓発系ハウツー本とあまりかわらない印象です。「「なりたい自分」を想像し、きちんと計画してコツコツやっていくより、今、目の前にあることをしっかりと務めて、流れに身を任せたほうがうまくいくと僕は思っています。」というのは、私もそう思っています。その人の経験なのでしょうが。あと、はっきり注意するのは大事だと言われるけど、性格に起因しているものであれば難しいというのも同感です。人間どれだけ失敗して、どれだけ気付きを得るかですね。

中国化する日本 増補版 日中「文明衝突」一千年史

與那覇潤
『中国化する日本 増補版 日中「文明衝突」一千年史』
2014年4月10日
文藝春秋
IMG_1072 ↓で読んだ『国家』に通ずるものがあるように感じました。人間の思考とは単純なものです。TVでたまに見かける與那覇さん、発言はいかにも東大卒な雰囲気で、本書もそうなのですが、内容はとても面白かったです。内心違和感のあった部分を、わかりやすく解明されているように感じました。抽象化こそ学者の仕事ですね。最後の宇野さんとの対談にあるのですが「平家・海軍・外務省、都市・リベラル・インテリが負け組になる理由」というのが、本書の内容だと思います。形状記憶合金が入っている「江戸時代化」の日本人気質は、そうは変わりそうにありません。言いようによっては、社会全体でうまくバランスをとっているようにも見えます。ただ、弱肉強食の時代をこのままでどこまで生きていけるのか、なかなか答えは見えてきません。
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