大内伸哉
『君の働き方に未来はあるか?〜労働法の限界と、これからの雇用社会〜』
光文社新書
2014年2月14日(電子版)
20140428 「『自立』と『連帯』という人間社会の基本的な価値は普遍的」という文章で結んである本書は、労働(雇用)に関する本です。専門業務型裁量労働制で、特に労働時間がどうという職業ではない私ですが、雇用されています。自営や時間で労働を提供している方より、自由が利く形態です。基本的に自由であれば責任が求められ、安定を求めれば従属を強いられるものです。大義なきことをすれば、副作用が出てしまうのはモノの道理。本書では、そんなことがつらつらと書かれてあります。これから雇用社会が変わっていくことは確かでしょう。ITが進めば進むほど、私用と仕事を明確に分けることが難しくなるのは目に見えています。また、研究分野では、データ集めと分析くらいなら人工知能である程度できるかもしれません(?)。これからを生きる若者は、新たなルールのなかで生きていくわけで、親世代の伝統的制度論は役に立たないと思います。おもしろい考え方として、キャリア権というものが紹介されていました。労働者の転職力にマイナスになるのはキャリア権の侵害なのだとか。