2008年06月

アカウンティング

山本和隆、伊藤良二
『アカウンティング』
ファーストプレス
2008年4月14日
6.27 会計の本はどれもこれも面白くありません。表紙のシンプルさと「実務家と学者のシナジーが発揮できたのではないか」なんて書いてあったので、手にとってみたのですが、やはり面白さには欠けますね。ここまで簡略化しても。会計本の宿命なのでしょうか。個人的には、あえて言うとすると“連結”の部分はシンプルでわかりやすかったように感じました。本の内容とは関係ないですけど、この本、どうやらシリーズもので「アカウンティング」のほかにも「経営戦略」「リーダーシップ」「クリティカル・シンキング」「コーチング」「ファシリテーション」「仮説思考」「マーケティング」といろいろあるみたいです。

リーダーシップが身につく本

嶋田有孝
『リーダーシップが身につく本』
PHP研究所
2008年3月7日
6.21 リーダーシップについては、カーネギーの『人を動かす』をまず読むべきだと思いますが、かる〜く1時間くらいで読むなら本書もいいと思います。リーダーシップは、“言行一致”、“率先垂範”に尽きます。山本五十六曰く「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」、カーネギー曰く「世の中である人にあることをさせるように説得する方法はひとつしかない。それは相手がそのことを自発的に実行したくなるように、上手に道案内してやることだ」、まことにもってその通り。本書では二宮尊徳の「可愛くば、五つ教えて、三つ褒め、二つ叱って、よき人とせよ」という言葉に始めて出会いました。簡単に読める本にしては収穫が多かったです。

チーズはどこへ消えた?

スペンサー・ジョンソン
『チーズはどこへ消えた?』
扶桑社
2000年11月30日
6.18 かなり前に話題になった本です。軽〜く読めそうなので買ってみました。確かにシンプルに物事の「単純さ」と「複雑さ」を表していると思いましたが、言われているほど“これはスゴイ”とは感じませんでした。ちょっと内容が限定されているような気もしたので。まあ、あくまで私の感想。個人的には↓の本のほうがよっぽどよかったです。言い得て妙なものは、言い古された諺なんかが一番しっくりくるし、物事の本質は、古典と呼ばれるもののなかにこそ、シンプルに真理が説かれていると思います。特に東洋のものが。

働く理由 ―99の名言に学ぶシゴト論

戸田智弘
『働く理由 ―99の名言に学ぶシゴト論』
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2007年7月15日
6.16 特に何も考えずに手に取ったのですが、思いのほかよかったです。99の名言が紹介されているのですが、的を射たものが少なくありません。「才能とは、誰かに見つけてもらうものでもないし、何もしないでそこにあるものでもない。手間と時間とお金をかけるのが全く苦にならないこと、果てしなく続くくりかえしに耐えられること。」「才能とは継続する情熱のことである。」「愚か者は、幸福がどこか遠いところにあると思い込んでいる。賢い者は、幸福を足元で育てている。」「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」「やりたいことがある程度、具体的に見えているからといって、そこにむかってまっしぐらに進むことが、必ずしも最善の方法であるとはかぎらない。それよりもやりたいこととは違う分野で、意識してキャリアの幅を広げておくほうが、多くの場合本当にやりたい仕事に就いたときにうまくいくのである。」んだんだ。

世界を不幸にするアメリカの戦争経済

ジョセフ・E・スティグリッツ著/楡井浩一訳
『世界を不幸にするアメリカの戦争経済』
徳間書店
2008年5月31日
6.7 スティグリッツの本は、訳本が出ると読んでます。『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』『人間が幸福になる経済とは何か』『世界に格差をバラ撒いたグローバリズムを正す』に続いて、こないだ出版されたのが本書。これまでが、グローバリズム批判。そして、本書はタイトルのとおり、イラク戦争批判です。邦題は、これまでの流れを汲んで『世界を不幸にする〜』ですが、タイトルを直訳すると『3兆ドルの戦争 ―イラク戦争の真実のコスト―』といったところです。今回も実体をみた良書なのですが、如何せん批判につぐ批判だらけで、内容がネガティブ過ぎて読んでて気が滅入ります。少し、ジャーナリズムっぽくなっていて、少し期待はずれだったような感じもしました。もう少し学者的なところも欲しかったな、なんて。
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