2006年02月

99.9%は仮説

竹内薫
『99.9%は仮説』
光文社
2006年2月20日
2.26-1 久々の新書。5月以来の様。日々思い込みで生きている自分のために。副題は“思いこみで判断しないための考え方”。しかし、この本の「思い込み」レベルは日常の当たり前のこと(社会、文化など)について、すべては仮説だという意味。案外、世の中ちゃんとわかっていないこと(なんで飛行機は飛ぶのかとか)もあるし、『マトリックス』のようなバーチャル世界の可能性だってあるとか、そーいうレベルの話。世の中に絶対なんてものはなく、すべては相対的なものだということでした。ポパーの反証可能性とかの科学哲学の話は、なんかは懐かしかったです。そういうのもあったな、と。

無理せず覚える記憶術

米山公啓
『無理せず覚える記憶術』
インデックス・コミュニケーションズ
2006年1月31日
2.19 誰でも好きなことに対しては集中力も記憶力も高まるはず。普段ボーっとしている彼もある瞬間にとてつもなく出来る奴になったりする。やはりそれってそういうもんらしいです。嫌なことには脳も拒否反応を起こして覚えられないし、どーでもいい記憶は消去されてしまうもの。純粋な丸暗記なんてものはないんです。まあ、忘れるというのも人間(脳)にとって重要な機能だったりしますし。試験勉強が大嫌いで大の苦手な私は、やはり試験勉強を好きになること、好きにするための工夫なりを考えなくてはならんのです。記憶術は、その記憶にいかに意味を持たせるかということでしょう。

入門マイクロファイナンス

フェルダー直子著/森友環莉訳
『入門マイクロファイナンス』
ダイヤモンド社
2005年12月8日
2.14-1 資本主義というと、過酷な競争社会、儲けてなんぼの世界、一部の勝者(金持ち)による社会というイメージが強い昨今、非常に希望のあるビジネスの話。簡潔に言えば、途上国等の貧困層に超少額投資(マイクロファイナンス)をするビジネスです。この本はその中身や現地レポートといった感じです。過熱する株式投資が、CSRなどに基づくような健全なものになっていくと資本主義も見直せるのでは。巷の株関連書籍は、ボロ儲けできるようなタイトルが並んでいるので、メディアからもこういうものをもっと押し出せばいいんじゃないですかね。

パラサイト・ミドルの衝撃

三神万里子
『パラサイト・ミドルの衝撃』
NTT出版
2005年10月31日
2.12 パラサイト・シングルではなく、パラサイト・ミドルです。簡単に表現すると現場から離れて市場感覚が麻痺していき、好奇心が削がれていった状態で、組織内において波風を立てずに定年退職まで安全に過ごすことを最優先として会社にパラサイトしている45歳以上の中間管理職といったことろです。副題は“サラリーマン 45歳の憂鬱”。経済・労働環境の変化とあわせ、様々な視点からこれまでの45歳、これからの45歳が分析されています。中高年層と若年層の意識のギャップの分析なんかも結構納得のいく内容。久々にお勧めできる一冊です。

努力しているヒマはない!

宋文洲
『努力しているヒマはない!』
学習研究社
2005年12月26日
2.1 絵がおーくて、字がおーきい本。止まりません。今回はソフトブレーン会長の宋さん。理不尽なことにも耐えに耐え抜いてきた忍耐の企業戦士の方が読んだら、おそらく怒ってしまうのではないかと思います。書名自体も「努力しているヒマはない!」です。企業への滅私奉公タイプの人間がとりあえず否定されてます。それを良しとするも悪とするのもその人次第ですけど。この本で思ったことは、自分の人生を他人(組織、親兄弟、友人、近所など)の尺度で測る志向はなるべくやめようということ。この志向が強いですから。世間体ばかり気にしてちゃ、好きなことできんよね。まあ、悪いことはしちゃダメですけど。そういう意味では他人の目は必要。内部統制って大事よね(話違うか)。
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