2005年05月

コーチング5つの原則

J.フラーティ著/桜田直美訳
『コーチング5つの原則』
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2004年10月20日
5.27 初めてコーチングの本を読んでみて、率直に面白かったです。人の行動はその人物の解釈に基づいているということや内なる声による自己観察は単なる自己判断だということには、かなりハッとさせられました。普段から何でも勝手に判断しがちな私は、かなり反省させられました。こういう類(特に世の自己啓発本)の正論ばかり言われるとどうしても制約を受けているように感じてしまう私は、この本によればまだまだだそうです。人の気持ちや自分を見つめ直すためのHow toがこれでもかというほどに詰まっています。お勧めです。

日本型「成果主義」の可能性

城繁幸
『日本型「成果主義」の可能性』
東洋経済新報社
2005年4月28日
5.21 著者は、1973年生まれとかなり若い方です。成果主義の悪い例が延々と書き連ねられています。悪い部分を徹底的に洗い出して、そこから可能性を導き出そうという意図なのかわかりませんが、“可能性”という言葉が若干皮肉に聞こえます。この本では、特に目標管理制度と組織の過剰分割(管理職の過剰)が問題であると指摘されています。しかし、裁判も同じですけど、人が人を裁くというか評価するというのはとても難しい問題ですね。100%公平なんてまず有り得ませんから。

文型でも大丈夫?実体から探るSEの就職・転職・キャリアアップ術

小山健治
『文型でも大丈夫?実体から探るSEの就職・転職・キャリアアップ術』
技術評論社
2005年5月25日
5.17 知らない方ですが、多くの著書をもった方のようです。なんか書店にSE本はやたら多いですね(最近は会計の本も増えました。“さおだけ屋〜”はかなりのセールスらしいですね。)。その正体がわかるようでわからないSEを知るためにはわかりやすい本です(読み易さは表紙を見れば一目瞭然)。新しいし。少なからず新書yよりは客観的な内容です。付録にIT業界企業データなるものが載せてありますが、SEに限らずIT業界を知るためにも役立つ内容だと思います。

論理ノート

D.Q.マキナニー著、水谷淳訳
『論理ノート』
ダイヤモンド社
2005年3月10日
5.14 タイトルにあるように論理に関する本です。論理的な思考を身に付けるための考え方が紹介されています。論理学にきちんと則って進められているので、硬いと感じるかもしれませんが、わかりやすく書かれていることは確かです。ハッとさせられる内容もいくつか。論文なんかを書く際には避けては通れない内容です。日常においては論理的に考える必要性はありますが、論理的に喋るのは時と場合によりますよね。非論理的に言いくるめる技術も結構必要なものです。そういう視点から読んでも参考になるのではないでしょうか。

若者が《社会的弱者》に転落する

宮本みち子
『若者が《社会的弱者》に転落する』
洋泉社
2002年11月21日
5.7 手許にある新書yはこれで最後。今回は若者論。前回までの内容よりは、ちゃんとデータも提示されていて客観的な内容です。労働市場の悪化、必要とされる教育水準の上昇、家族の不安定化という3つの要素を中心としてフリーター・ニート問題、晩婚・未婚問題を説き、若者が如何に追い込まれているか(追い込まれていくか)ということが述べられています。自分の周り(自身も)や各種の統計を見ても将来の不安は募るばかりですねぇ。もっと明るい本読も。

SEの処世術

岩脇一喜
『SEの処世術』
洋泉社
2004年5月22日
5.5 予定通り読んでみました。SEはサラリーマンであり、職人であり、芸術家であるというのが著者の主張です。重要度は、第一にサラリーマン、第二に職人、そして第三に芸術家だそうです。SEの処世術とは、人の嫌がる仕事をし、進んで宴会部長をせよといった具合。24時間仕事を忘れるな、三日三晩の徹夜だろうがサービス残業だろうが耐え抜いてこそ本物だみたいなことが筆者の英雄伝とともに書かれてあります。まあ、そりゃそうだろうけど。この主観に満ちた独り善がりな内容が新書yっぽい。でも、安易になろうとする人にはいい本かもしれませんね。
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