2004年12月

映像とは何だろうか

吉田直哉
『映像とは何だろうか』
岩波書店
2003年6月20日
12.13 映像にしろ何にしろ何かを制作するときにどれだけ意味(意識)を持って行うかということが重要だということを感じました。そういう意味で、NHKでディレクターをされていた著者は番組作成に高い意識を持って臨んでいらっしゃったと言えます。このくらいの意識を持って番組を作成してもらいたいものですね。この本に出てくる1962年放送の『日本の模様』は、少し前にアーカイブスで見たことがあります。日本の家紋のデザイン性とこの番組の発想は素晴らしかったです。

裁判官はなぜ誤るのか

秋山賢三
『裁判官はなぜ誤るのか』
岩波書店
2002年10月18日
12.8 全く関係のない本を読むときが一番安らぐ時間と言えます。さて、この本は冤罪がなぜ起こるか、起こさないようにするためにはどうすればよいかということが元裁判官の著者によって書かれてあります。「疑わしきは被告人の利益に」という言葉に表される基本的な思考が裁判官において希薄であることが問題であると指摘しています。しかし、刑事裁判における有罪率が99.9%というのは確かに異常です。裁判官がいる意味があるのかないのか。これじゃ検察官が有罪か無罪かを決めているみたいですよね。

宇宙人としての生き方

松井孝典
『宇宙人としての生き方』
岩波書店
2003年5月20日
12.2 ものごとを考えるうえで、一番大きな視点といえるのが宇宙の話でしょう。宇宙の話を進めるにしても対照や視点を明らかにしないと話は進みませんが。この本は、そういうところが非常にきちんとしていて論理一貫性があり、分かりやすいと言えます。章のはじめに知求ダイヤグラムとして8個の図が示されています。これ何かに使えるかも。この本のように、非常に論理的に宇宙をみていくのもいいですが、宇宙のロマンに浸るのもまた一興。
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