あなたが落ちぶれたとき 手を差しのべてくれる人は、友人ではない。

千田琢哉
『あなたが落ちぶれたとき 手を差しのべてくれる人は、友人ではない。』
日本実業出版社
2012年8月20日
IMG_5792 ↓と同じく対人関係の本です。これまたサラッと読める本。70個の処世術といったところでしょうか。共感できるところは多いです(全部が全部ではありませんが)。タイトルの“あなたが落ちぶれたとき 手を差しのべてくれる人は、友人ではない。”というのも、一概には言えないはず。本書の内容は、要は自分をしっかり持てということなのではないかと解釈します。あと、心遣いは大切にと(ベタベタするのはダメ)。わかっちゃいるけど、なかなか実践するのは難しいんですけどね。日々の心掛けです。

特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ

五百田達成、堀田秀吾
『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』
クロスメディア・パブリッシング
2012年6月11日
IMG_5788 タイトルまんまの人なので、購入。各エピソードごとに“ここさめ(心が冷めてる)度チェック”があるのですが、まあ当て嵌まりますわな。コミュニケーションって難しいですよね。さて、内容は見た目通り、コンパクトで読みやすいです。心理的な考察が入るところがとても面白いし、共感しますね。「飲み会は這ってでも行け!」という教えは、到底私には出来かねますが。考え方(気持ち)次第で、見えてくる世界は違うものです。個人的には、こういう人それぞれの癖というのは、やはりこれまでの環境にあるのかなと。本書の最後にFBTwが紹介されているのですが、Twがつぶやきゼロでちょっとビックリしました(フォローしてみよう!って書いてあるのに…)。ちなみにFBの方は積極的に運営されています。

気づく仕事

博報堂 研究開発局
『気づく仕事』
集英社
2012年4月30日
写真 いわゆる“気づき”に焦点を当てた本です。“気づき”から得るものは計り知れないといっていいでしょう。そして、“気づき”を得られなければ、成長はない。本書は、広告を生業とする博報堂において、いかに生活者が気付いていないことに気付くことができるかという課題に対する“気づき”を得るための方法論をまとめたものです。会議ではなく打合せによる共同脳空間をつくるというのが主な内容といってよさそうです。なるほどなぁと思ったのは、サッカーでのキラーパスを気づきに置き換え、いつ、どこで、どのように生まれるかは、わからない、ただ、それを得るための効果的な道筋があるという。つまりは、かたち(組織やフォーメーション)を整えただけでは、生まれないという。とっても頷けます。

IFRSはこうなる 「連単分離」と「任意適用」へ

田中弘
『IFRSはこうなる 「連単分離」と「任意適用」へ』
東洋経済新報社
2012年3月31日
IMG_5574 時価会計・国際会計基準反対の田中先生、今回も炸裂しています。会計を学び始めたときから、原価主義に傾倒している私としては読みやすい本です。企業会計原則もラブです。しかし、わかりやすく書いてあるようで、なんか違うような、そういう違和感は、いつもながら感じます。副題の“「連単分離」と「任意適用」へ”ですが、現実的にはこの方向で間違いないと思いますね。さて、本書のなかで大変共感した一文を。「…常識を論理的に構成することにあり、したがって、論理構成そのものは技術的に緻密で、素人の常識には分からなくても、その結果は、まったく素人の常識に一致するものとなるであろうし、またそうならなければならない。(続く)」これが我々の仕事。

武器としての決断思考

瀧本哲史
『武器としての決断思考』
星海社
2011年9月21日
IMG_5374 Twitter(@ttakimoto)でもフォローしていますが、京大の客員准教授の瀧本先生の著書です。3月に読んだ『僕は君たちに武器を配りたい』と同じタイミングでの新書のようです。姉妹書として、『武器としての交渉思考』という新書もあります。京大では意思決定の授業を担当されていることもありますが、自分で考えて、自分で決めていくという思考方法について、ディベートの仕方を中心に書かれてあります。世の中にいかに詭弁が多いかというのを思い知らされます。意思決定というのは、最終的には主観で決めることになるわけですが、そこに至る過程として、客観を経ることの重要性が説かれています。思考方法としては間違っていませんし、勉強になるわけですが、ディベート方式の考え方はプライベートではあまりお勧めできませんね。嫌われてしまう(笑)

今日から始める 思考のダイエット

佐野研二郎
『今日から始める 思考のダイエット』
マガジンハウス
2010年3月25日
IMG_5370 LISMO、ニャンまげ、Tブー!Sなどを手掛けられたアートディレクターの方だそうです。考えずに簡単に読めそうなので購入しました。こういった広告系(クリエイティブ系?)の内容は、アイディアの発想の参考として、とてもいいですよね。思考のプロセスとして、間違っていないと思います。クリエイティブな人って、発想の裏に膨大な蓄積(努力)があって、かつ情報の整理がうまいというか、非常に冷静かつ的確にミッションを遂行されています。そして、何よりそれを楽しんでいる。本書で、自分でも特に意識したいのは、リミット、速決、寝かすの3つですかね。自分に甘くいては、なかなか先に進めません。

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人【第二版】

荒井玲子
『ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人【第二版】』
技術評論社
2009年11月25日
写真[1] SEをしていた2006年当時に技評SE新書で第一版を読んだことがあります。ふと目に留まって手にしたのは何となく覚えているのですが、いつ購入したかは定かではありません。書名の通り、ソフトウェア開発者の話なのですが、多くの職業に共通する内容だと思います。著者は音大卒で、最後に音楽との関連を述べられていますが、ソフトウェア開発は、非常に汎用的な構造を持っていると思います。たった3年でしたが、この職に就いたことは、とても大きな意味があったと思います。論理的思考を鍛えられたし、何よりクリエイティブな仕事内容には、いつもワクワクさせられました。そんなことも思いながら楽しく読みました。

国民の修身

渡部昇一
『国民の修身』
産経新聞出版社
2012年7月31日
写真 特に思想的にアレなわけでもないのですが、ちょっと目に留まって、内容に興味を持ったので。解説は素っ頓狂でしたが、内容は楽しめました。天皇陛下万歳以外は、とてもいい教訓だと思います。日本人の持つ道徳そのもののイメージと言ってもよさそうです。それにしても全く時代背景も異なるのに、その生活様式を理解できるのが不思議なものです。昔はカタカナが先で、ひらがなが後だったんですね。小学校低学年の教科書なのに、とても読みづらかったです。自分のときの道徳の教科書や内容はあまり覚えていませんが、このくらいの内容がシンプルでいいですね。やはり四経がもとになっているのはいい。

媚びない人生

ジョン・キム
『媚びない人生』
ダイヤモンド社
2012年5月24日
IMG_3709 ここのところ経歴詐称で叩かれていた、慶應のキム先生です。ちょうどその問題が出る前に購入していたのですが、なかなか読むことができずに…。ご本人がどのような方なのかは、よく知らないのですが、この方の考え方というか、人柄がものすごく出ている内容だと思います。共感できる内容です。少々、主張が強いですが。これからを生きる学生の皆さんには、本書で書かれていることを意識して欲しいですね。私なりの解釈では、自分に正直に生きるということでしょうか。上っ面を気にしていたら、前には進めません。良い面、悪い面、すべてを素直に受け止めて、前に進んでいくための力に変えていく。これが肝要です。

クリエイティブマインド

杉山恒太郎
『クリエイティブマインド つくるチカラを引き出す40の言葉たち』
インプレスジャパン
2011年10月21日
IMG_3311 「ピッカピカの一年生」、「セブンイレブンいい気分」を手掛けたクリエイターの杉山さんの言集です。簡単に読めますし(量が少ない)、とても含蓄があっておもしろかったです。共感した言葉をご紹介。「だれも見たことのないような すばらしい作品は、いつも自由な精神から生まれる。」※制約(不自由)が大切の意「仕事とプライベートは分けない。両方一緒に楽しまなきゃ。」※ON/OFFなんてない、いつもONであれの意「加害者意識をもって生きろ。被害者意識をもって生きるな。」※被害者意識からは何も生まれないの意「「教養」は、英語だと「リベラルアーツ」。つまり、「自由になる技術」。知識は人を自由にする。」※情報や単なる知識ではダメの意「アイディアは思い出すもの。」※アイディアとは蓄積であるの意「自己模倣は、最大の敵。」※成功体験への安住はダメの意 他にもいろいろあるのですが、勉強は「直観力を磨くため」という小柴昌俊さんの言葉は“なるほど”と思いましたね。いやー、こういう意識って大切。

経営者・平清盛の失敗

山田真哉
『経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書』
講談社
2011年12月15日
IMG_3315 山田さんの本を久々に読みました。やっぱ読みやすいし面白いです。ちょうど大河で平清盛をやっていて、山田さんが神戸出身ということでのチョイスなのでしょうか。そもそも平家物語はドラマとして、ものすごく面白いですよね(大好きです)。最近の研究結果からの新発見もあわせ、考察されているのがまたGOOD。私も昔は歴史が大好きだったんですが、最近は“歴史ヒストリア”くらいでしか触れることないな…。それにしても、山田さんを見ていると会計士になると幅広く活躍することができるよなぁなんて思います。

大学生は、なぜ公認会計士を目指さないのか。

五十嵐明彦、盒驚亮
『大学生は、なぜ公認会計士を目指さないのか。 〜知らずに損していませんか〜』
税務経理協会
2010年10月1日
IMG_3314 会計専門職を目指す学生へのサポートを職業としているので、こういう本も読んだ方がいいかなと思い、書店で手に取ったんだと思います。記憶は定かではありません。会計士試験は、モチベーションの維持、2年以上勉強をし続けることが最も難しい部分だと思います。ただ、この期間の勉強で人生が変わるのですから、むしろ他のプロよりはハードルは低いのかもしれません。あと、言えることは合格者が「合格しなければよかった」なんてことは、おそらく誰一人も思わない試験だろうと思います。みんなには頑張ってほしいと願うばかり。さて、簿記3級は、英語の学習でアルファベットを覚えるようなもの、簿記2級はF1ドライバーを目指す人が普通免許を取るようなものという例えはしっくりきました。ここは当然、満点合格でクリアすべきでしょう。あと、本書で会計士試験の偏差値換算の内容を知れたのは大きかったな。

街場の大学論 ウチダ式教育再生

内田樹
『街場の大学論 ウチダ式教育再生』
角川書店
2010年12月25日
IMG_2942 大学のこととなると、ちょこちょこ名前が挙がってくるので買ってみました。何気に、過去にも著者の本を読んだことがあることに今日、気付きました。結構、共感する内容が多い本で、ドックイヤーもいつもより多かったかも。ブログ記事を書籍したもののようで、ちょっとしたコラムが延々と続いている感じで読みやすいです。さて、紹介したい内容が多くて困りますが、とりあえず、日々の教育活動を丁寧にする他にすることはないかな、というのが私の結論。ムダなものはムダ(形式化や数値化が目的化してしまうとか)なので、しっかり地に足のついた改革が肝要ですね。いろんなところで使えそうな言い回しがいっぱいありました。

シュナの旅

宮崎駿
『シュナの旅』
徳間書店
1983年6月15日
IMG_3307 心斎橋のSTANDARD BOOKSTOREにあったので購入。ナウシカの原点といった感じの内容です。主人公のシュナ(少年)もテナ(少女)もナウシカと見間違えます(笑)。原作はチベットの民話だそうです。中身は絵物語。あとがきに「現在の日本の状況では、このような地味な企画は通るはずもありません。」と書かれてありますが、今ならいけるかも。とか思ってしまいます。ナウシカ(原作)は重過ぎるので、このくらいコンパクトな内容はいいのでは。ちなみに研究室にはナウシカ全巻揃ってます。読めますよ。

僕は君たちに武器を配りたい

瀧本哲史
『僕は君たちに武器を配りたい』
講談社
2011年9月21日
img2990 卒業式シーズンということもあるのでしょうか。手に取ってみました。本書では「英語・IT・会計知識」を“奴隷の学問”と切り捨てており、会計を担当している私としては、残念な気持ちはありますが、今後生きていく力を身につけていくには、なかなか刺激的な内容なのではないかと思います。起業論を専門とする著者の意見は、完全な投資家目線なのですが、資本主義社会に暮らしているわけなので正しい観点と言えます。個人的には、ちょっと極端かなぁと思うところも多々ありますが。生き残るためには唯一の人間になること、英語の勉強をする前に自分の商品価値(売り)を作れというのは、確かに的を射ています。あと、従業員を大切にする会社は、顧客を大切にする会社、その逆も然りというのは言い得て妙です。もともとのテスト結果&学歴重視に、今は+αで意欲、コミュニケーション力、ネットワーク力と企業が求める人材像というのは目茶苦茶だと思う今日この頃。結局は、地道にこつこつきっちりと物事をこなせる力がモノを言います。

情報の呼吸法

津田大介
『情報の呼吸法』
朝日出版社
2012年1月15日
IMG_1863 久々にソーシャルメディアに関する本を読みました。これ系の本を読んだ後は、大抵、「おっ、それやってみようかな」ってのがいくつか出てきて、試してみるということが多い気がします。Twitterを本格的に使い始めたのも本がきっかけだった気が。さて、総じて共感できる内容でした。あとがきにある「正直者がバカを見ない世界」というのは、ハッとさせられました。正直に愚直に行動することが可視化されるというのは、いい部分ですよね。等身大の自分を「情報化」して、ソーシャルキャピタルを構築していく。あと、直感は勘ではなく、それまでの知識と経験で脳が「こうだろうな」って、高速に結論をくだすものというのは、確かにそうですよね。直感って、情報のストックと経験の差ですよ。

アホ大学のバカ学生

石渡嶺司、山内太地
『アホ大学のバカ学生 グローバル人材と就活迷子のあいだ』
光文社
2012年1月20日
IMG_1675 ご存知の通り、私は現場にいます。品のないタイトルですが、やはり興味津々です。思うところもいっぱいあります。私の基本的なスタンスは、継続は力なり。派手な結果はなくとも、こつこつ続けていくことが肝要だと思っています。教育にせよ、研究にせよ、就活にせよ。「特進クラス」と「幼稚園化」というのは、大学改革の最先端ですが、後者はよく叩かれますね。どの大学も(東大も海外の名門校も)初年次教育には力を入れていますし、面倒見がいいのは当たり前な気がします。多くの大学が教育力なくして明日はないのは避けられない現実。世の中としても社会に人材を還元できない大学は不要でしょう。個人的な感覚ですと、今までが異常だった(週に数日大学に来て、授業やって帰るなんて、どう考えてもおかしいでしょ?)と思います。どうでもいいことですが、国内の大学をすべて訪問されたという著者(山内氏)を昨年学内で一度見かけたことがあります。さて、頑張るしかないですね。

逆行

尾原史和
『逆行』
ミシマ社
2011年2月2日
IMG_1567 『R25』や『TRANSIT』などのデザインを手がけられてきた尾原さんという方の自伝的な読み物です。気持ちこそがすべてを凌駕できるっていうのは、この方の勢いを感じます。著者のこれまでの経歴をみても、まさにそれを地で行ってらっしゃる。こんなパワフルな方がいるんだなぁと思うくらい。でも、その気持ちを成果物まで持っていく努力は人並み外れたものがあります。凡人には到底真似できないレベル。キメるやつは絶対キメてほしいときに、いつもやってのける。この瞬間をものにできるかが一流と二流を分けるポイントだとか。恐れ入ってしまう。共感した部分で、解像度が高い人という表現があった。小さい部分をどれだけ拡大してもずっとクリアに見えて、全体として見たときも、キリッと澄んでいる。これが正しい、仕事ができる人。いや〜、恐れ入った。

考えの整頓

佐藤雅彦
『考えの整頓』
暮らしの手帖社
2011年10月28日
IMG_1347 ピタゴラスイッチや2355を手掛けていらっしゃる佐藤雅彦先生の『暮らしの手帖』のコラムを本にしたものです。コラムを書籍化したものって読みやすくて好きです。普段見落としがちな何てことのない日常の?を、粋な視点で観察されているものが多くて大変面白く読ませてもらいました。11月に読んだ齊藤先生の『「意識の量」を増やせ!』じゃないですけど、何にしても意識するかの差ですよね。ちょっとしたことを文章にして、人に読ませられるって、素敵ですよね。大阪に来て、忙しさにかまけてコラムを書かなくなってしまいましたが、再開したいな。ジャンルの違った方の文章を読んでインスピレーションを受けるのは、本当に楽しいです。多読を習慣づけし直さないと。

社畜のススメ

藤本篤志
『社畜のススメ』
新潮社
2011年11月20日
IMG_1195 新年早々“社畜”かよ、と思われそうですが、言葉が一人歩きしている感のあるこの単語を皮肉なしに、下積みが大切という観点から話が進められています。新入社員時代によく言われた「守破離」を再確認しました。言われたことをきちんとこなすことは、大切過ぎるくらい大切なことです。すべての基礎が備わってから、自分なりに考えるべきです。それにしてもSE時代は、毎日午前様、休日出勤も頻繁、飲みはオールということが多かったのを考えれば、今は自由を謳歌し過ぎな感はあります(結婚したことが一番大きいかな)。「結果さえ出せばいいじゃないか」というのがいかに青二才的発想か、実績と昇進(評価)は関係ないというデータは衝撃ですね(想像はつきますが)。客観的データより、結局は印象です。そもそもフェアを前提に考えることが存在しない理想です。あとは、昨今の七五三や転職の増加といった数字は、戦後一貫して変化していないという事実。ただ、あまり表面化していなかっただけの話ですよね。さて、今年も頑張ります。

「意識の量」を増やせ!

齋藤孝
『「意識の量」を増やせ!』
光文社
2011年6月20日
IMG_1060 今月も読書量は危機的状況。帰省の新幹線でようやく1冊を読み、更新しています。齋藤先生の本は、相変わらず読みやすくて充実していました。ここ最近、気持ちに余裕がないせいもあり、意識の量が減少しているのは、かなり反省です。考えることを避けている感もあります。意識量を保つためにも、日常的な読書や論文サーベイは欠かしてはならないなと思う次第です。意識量を増やすトレーニングの話で「意識小僧」という考え方は、確かにわかりやすかったです。会議中の私の意識小僧はみんな休んでいるかも(苦笑)齋藤先生の本は、大抵、古典かプロの方などの実例をもとに、よい部分をうまく抽出して解説してくれるので、実践的でいいですよね。

仕事をしたつもり

海老原嗣生
『仕事をしたつもり』
星海社
2011年9月21日
IMG_0623 遂に先月は載せませんでした。実にbook diaryを書き始めて初。今月も載せるのはこの1冊。今の状況に、ぴったりのタイトルだったので購入した次第です。形式ばかりで実質のない仕事というのは、日常に溢れているものです。自戒するべき内容がこれでもかというくらい書いてありました。仕事ぶりに質より量、長いものには巻かれろ、横並びの意識といった日本のよくない習慣はどうにかならないもんですかね。物事の本質を見越した仕事をしていきたいものです。「奥儀云」にあるように、「上手は下衆に受けず、下手は上客に飽きられる」本当の芸達者は「下衆を笑わせながら、上客に心を伝えるべき」というのは求道者として、なかなか含蓄のある言葉だと思いました。本物を求める人は最終的に孤独とならざるを得ない宿命か…

会計ドレッシング

村井直志
『会計ドレッシング』
東洋経済新報社
2011年8月18日
IMG_4696 完全に読書から離れつつある日々に突入しています。今月はなんとかギリギリ更新したものの、ちょっと厳しい状況…。確か上京した際に、神谷町のTSUTAYAで中大商会計卒という略歴を見て購入した覚えが。内容は、最近起こった会計不正事件について、調査報告書等をもとに面白く(?)解説されています。それぞれの粉飾事件の中身は、人間臭くてなかなか興味深いです。異常値の発生、不誠実な態度、うま過ぎる話には、要注意とありますが、監査に限らず、不正の匂いというのは、こういったところからプンプンしてきますよね。最後に、防止の手立てや調査手続・質問スキルなどについて書かれてありますが、肝に銘じておかないといけないところが多いです。質問スキルは、、、ないだろうなぁ

ひたむきな人のお店を助ける 魔法のノート

眞喜屋実行
『ひたむきな人のお店を助ける 魔法のノート』
ぱる出版
2011年7月1日
IMG_4254 「もしドラ」の岩崎さん推薦という帯をみて、読みやすそうだなと思い購入。読みやすかったです(笑)とある女子大生が、ピンチに陥っているバイト先の焼き鳥屋を、亡くなったお父さんの残してくれたノートをもとに経営していくという内容です。端的に言うと、販促の本です。お父さんのノートの言葉がなんとも言えません(ここでは書けない)。読んでいて、著者は私と同年代なんだろうなぁというニオイがぷんぷんしました。お店を経営していて、勉強が嫌いという方は、暇つぶしに読んでみてはいかがでしょうか。とっても軽い読みものです。

3.11後の世界のこころの守り方

小池龍之介
『3.11後の世界のこころの守り方』
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2011年8月15日
IMG_4250 小池さんの本を見つけたので買ってみました。3.11後に感じていること(特に「自粛」について)、心の守り方について語られています。3.11から勢いを増しているSNSについても、心の余裕を奪うものとして批判的に述べられています。確かにSNSでの言動というのは、承認欲求であるとか、麻薬にも似た快感を与えてくれるようなものと解釈できる部分も多いいあると思います。ただ、小池さんが提唱しているような、日本古来のもとの生活が戻るようなことはそうないでしょう。究極の精神世界は便利の対極になるものかもしれません。文明は人類を幸福に導いたかどうかはなかなか難しいところです。ただ、便利な世の中で、中毒になりつつある日常をこういった本で少し毒を抜く必要はあるでしょうね。

グーグル会計学

柴山政行
『グーグル会計学』
フォレスト出版
2009年5月30日
IMG_4197 巷の会計本は「この本なら会計が本当にわかる」というような決まり文句が必ず最初に書かれてあります。そろそろ聞き飽きたかも。著者は『半分売れ残るケーキ屋がなぜ儲かるのか』の方です。この本が2冊目。個人的には、こないだ読んだ本の方が読み易かったです。『グーグル経済学』が売れたので、会計学もといった感じでしょうか?無理やりGoogleを題材にした感があります。説明の発想(資金=溜め池)もイマイチな感があります。2008年ベースで書かれているので、数字や背景が少し古いですね。為替相場も現在の70円台後半からすれば、かなり円安の頃の話が円高という流れで書いてあったり、強力なライバルであるFBがまだ存在していなかったり、なんだか一昔前の話のように感じます(実際そうですが)。巻末にGoogleの使い方が紹介されているのですが、これも少し古いですね。これからはG+やChomeBookを中心にサービスが集約されていくのではないでしょうか。Googleに興味があって、会計を勉強したいという方にはいいかもしれませんね。

文章力の基本

阿部紘久
『文章力の基本』
日本実業出版社
2009年8月1日
IMG_4184 かなり前に購入して眠っていたんですが、この度読んでみることに。コンパクトに文章を書くときのテクニックを77こ紹介してくれています。まるで昔、上司にドキュメントを添削してもらったときのような気持ちになりました。文章はシンプル イズ ベストなのですが、どうも余計なものをつけてしまったり、回りくどい表現にしたりしがちです。今となっては添削する方が圧倒的に多くなったのですが、自分の文章力はまだまだ。添削をしていると、意味のわからない文章を書いてくる方は、大抵自分も意味がわかっていないことが多いです。あと、感情むき出しで気持ちはわかるけど、本当に相手に伝わる内容になっていないとか。何はともあれ、文章は推敲が大事ですね。

3つのルールでわかる「使える会計」

石川淳一、松本武洋
『3つのルールでわかる「使える会計」』
洋泉社
2011年5月2日
IMG_4173 和光市長の松本さんが書かれた本だそうです。昨日の本は、実際のF/Sを使用した経営分析系でしたが、この本は財務会計、簿記を中心にした内容です。ボケありツッコミありの面白おかしなストーリー仕立てなので、かなり読みやすかったです。小一時間で完読できます。簿記初学者向けの授業では、仕訳の仕組みを理解してもらうのに苦労しますが、本書の“ぱなし”と“ぱなし以外”という観点はなかなかわかりやすい説明だと思いました。他にもうまいこと解説していると思わされる箇所があって、授業の参考になりました。巷の会計本のおもしろ話題を集めて、授業を構成するといいとは常々考えているのですが、ドックイヤー&線引きで済ませてしまって、メモをとっていないのがなかなか作業が進まない原因か…

山根教授のアバウトだけどリアルな会計ゼミ

山根節
『山根教授のアバウトだけどリアルな会計ゼミ』
中央経済社
2011年7月15日
IMG_4164 本が読める生活はいいですね!慶應の山根先生の最新刊です。よくある経営分析系会計本と大きく変わりがあるわけではないですが、より最新の事例から学べる本だと思います。この本にしかない視点もあり(やはり慶應の先生ですから、福沢諭吉の話は外せません)、それなりに面白く読ませてもらいました。個人的には最後の教育産業の話で、「教師は「学生の勉強の努力が足りない」といいます。対する学生さんは「教師の教え方が悪い」といいます。この議論は昔から解決できない、永遠の平行線なのです。」という部分に、共感とため息が…。今日、授業改善報告書を書いていたからかもしれません…

人はなぜ学ばなければならないのか

齋藤孝
『人はなぜ学ばなければならないのか』
実業之日本社
2011年2月7日
IMG_4139 かなり根源的な問いではありますが、ここに疑問を持つ学生も少なくないのが実情です。私も教壇に立つ身ですので、きちんと答えられるだけの教養も持っていなければなりません。非常に為になる内容で、学ぶことに疑問を持つ学生には一度読んでもらいたいと思わずにはいられません。学ぶ意義を知り、意識しながら学ばないと学びの濃さや発展は、なかなか生まれてこないものです。知のあり方としても大変勉強になります。個人的には初年次教育やゼミ運営の参考になりました。毎度、齋藤先生の本は充実した内容かつ読み易くて、大変よいです。

あいまいな日本の私

大江健三郎
『あいまいな日本の私』
岩波書店
1995年1月31日
IMG_3935 久々に岩波新書読みました。心斎橋のSTANDARD BOOKSTOREで目にして、読んでみようかと思い購入。最近軽い本ばかり読んでいたため、久々の文章らしい文章にちょっと読むのに時間がかかりました。内容は、大江さんのノーベル賞受賞記念講演などの講演集です。読んでいて、いかにも旧世代、という感を持ってしまうのですが、それはそれで味があります。思想が強く反映されている内容だなぁとも。あと、自分の教養のなさを痛感するとか。正直、文学評論はさっぱりです。

感動教育

クワン・スタント
『感動教育』
講談社
2010年8月27日
IMG_3910 なんとなしに本屋で手に取った本ですが、大変いい本でした。教育については悩まされる日々ですが、本書を読んで少なからず自分のやり方に自信が持てたのと、明日からも頑張ろうという前向きな気持ちが持てました。インドネシアの華僑である著者は、大変な苦労を経て、現在日本で教壇に立っていらっしゃることもスゴイのですが、やはり「自分の目標を極めていって、誰にも負けないようになれば、自分にしか語れないストーリーが自然とできていく」というのが答えな気がします。著者が座右の銘としている「凡庸な教師はただしゃべる。良い教師は説明する。優れた教師は自ら示す。そして偉大な教師は心に火をつける。」という言葉には感銘しました。教育者として教壇に立つ以上、学生の心に火をつけられるように精進していきたいものです。

どうしても伝えておきたい簿記の話

平林亮子
『どうしても伝えておきたい簿記の話』
中央経済社
2011年5月25日
IMG_3899 確か、中央経済社さんのツイッター(@chuokeizai)で新刊書案内をしているのを見て、購入したような気がします。タイトルを見てどんな話だと興味がわきまして。さて、中身は簿記の初歩(日商簿記4級レベル)をストーリー仕立てで解説されています。すでに知識のある私にとっては、とてもわかりやすいと思わざるを得ないのですが、全くの初心者が読んで、スッと理解できるのか(この本を根気よく読み進められるのか)は私には判断できません。それにしても、この手の本はそのわかりやすさに毎回感心させられます。いつも頭を悩ませる簿記の導入部分について、大変参考になりました。メモメモして、授業に活かせたらと思います。最後に問題編もついていますが、これ使う人いるのかな…。

これだけは知っておきたい「会計」の基本と常識

乾隆一
『これだけは知っておきたい「会計」の基本と常識』
フォレスト出版
2007年12月5日
IMG_3774 Twitter上でお世話になっている乾先生(@inuicpa)の本です。目に留まったので即購入、即完読。会計をよーくご存じの方には当たり前の話しかありませんが、初学者が引っ掛かりやすいというか、まさにタイトル通り“これだけは知っておきたい(知っておいてもらいたい)”という部分がコンパクトに収まっていると思いました。自分が学生に対して常々思っている、「細かい仕訳はともかく、基本的な仕組みだけは、簿記とは、会計とはこういうものなんだよ」という部分。“はじめに”の内容も自分の体験と被る部分が多く、共感を持てました(私はCPAではないですが)。会計がサッパリという方は、是非ご一読を!

フォントのふしぎ

小林章
『フォントのふしぎ』
美術出版社
2011年1月7日
IMG_3467 他のブログ(diary、column)が開店休業中のなか、bookdiaryも危機的です。ここ10年で読書量が極限に減ってきています。さて、今回は『フォントのふしぎ』という、まさにフォントの本。欧文フォントについての内容ですが、実に深いです。欧米で撮られた270点の写真もあり、非常に見応えがあります。特に、最後の“意外と知らない文字と記号の話”ではUは300年前くらいに使われ始めたといった話や合字の話、国ごとで数字や文字の書き方が異なる話など、蘊蓄が満載です。フォトグラフィとして、気軽に雑誌感覚で読めます。フォントの魅力を是非ご覧あれ。

キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる

佐々木俊尚
『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』
筑摩書房
2011年2月10日
IMG_3194 ちょうどこの本が出た頃から佐々木さんをフォローし始めて、読みたいと思っていた本です。ご本人自身、キュレーターとして毎日Twitterで有用な視座を与えてくれています。1年半前にiPhoneに変えてから、TwitterとFacebookを本格的に使用するようになりましたが、情報の流れというか、質が確実に変化しているのを実感します。今はまだまだ過渡期であり、本書に書いてあることもその中での一つの解釈だと思います。個人的には、佐々木さんの書いていることは非常に共感を持って受け止められるものが多いです。是非、読んでもらいたい1冊です。しかし、ヘンリー・ダーガーのヴィヴィアンガールズに出くわすとは思いませんでした。

文系ビジネスマンでもわかる数字力の教科書

久保憂希也
『文系ビジネスマンでもわかる数字力の教科書』
大和書房
2010年9月20日
IMG_3046 どうも相変わらず本を読みません。困ったものです。久々の休日にサクッと読んでみました。大変読みやすい本で、簡潔に本質を突いているのでお勧めです。数字の魔力については、読みやすい会計系の本でよく書かれてありますが、合理的な意思決定に数字力がモノを言うのは間違いないです。アンカリング、パレートの法則、ランチェスターの法則、ハインリッヒの法則、組織バス1台の法則など、簡易かつ重要な法則も多く紹介されています。仕事、学校、日常の生活においても、数字力を身につけておくこと、有意義な日々を過ごすことが可能になるでしょう。もちろん、感性も重要であることは言うまでもありません。

複式簿記のサイエンス−簿記とは何であり、何でありうるか−

石川純治
『複式簿記のサイエンス−簿記とは何であり、何でありうるか−』
税務経理協会
2011年4月1日
IMG_2738 石川先生の新著、『税経通信』の連載をまとめたものです。一般的に簿記というと、簿記検定とか税理士試験、会計士試験といった検定簿記、受験簿記がメインで扱われ、学問としての簿記は、大学の講義であっても触れられることはあまりありません(私の講義も同様)。いつも残念に思っているのですが、本書はそんな気持ちを晴らしてくれる大変いい内容になっています。常識や通念にとらわれずに、一般的なテキストに書いてある簿記を相対化することで、純粋に簿記の本質、計算構造を分析、解説されています。複式簿記の科学性は大変高く、その可能性は想像以上のものであることがわかってもらえる良書です。簿記を学んでいる方には是非手に取ってもらいたい1冊です。

複眼思考の会計学−国際会計基準は誰のものか−

田中弘
『複眼思考の会計学−国際会計基準は誰のものか−』
税務経理協会
2011年2月1日
IMG_2559 また1カ月経ってしまいました。例によって、上京の新幹線での1冊となりました。読み始めたのは結構前な気がしますが…。田中先生の本は、発刊される度に読んでいますね。個人的に共感する部分が多いからかな。本書は、税経通信の連載をまとめたものです。会計のあり方については時価だの原価だの、資産負債アプローチだの収益費用アプローチだの賛否両論ありますが、田中先生は一貫して原価主義会計を主張されている論客です。そして、いつも通り、時価会計、コンバージェンス(アドプション)に懐疑的な内容になっています。最後の方は会計職に関する話(主に税理士)になっています。目指されている方は、参考になるかもしれません。

法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる

奥村佳史
『法人税が分かれば、会社のお金のすべてが分かる』
光文社
2009年11月20日
IMG_2215 読もう読もうと思っていて放置していた1冊。今回は機内で。長距離移動時にはやはり読書です。法人税の本としては、真っ当かつ読みやすい内容です。巷のいかさま節税本を読むのであれば、こちらを読んだ方がいいと思います。ただ、会計本の悪いところですが、やはり少し知識がないと読みづらいかもしれません。普段、簿記や会計の授業では、どうしても形式的な話(「これはこうです」みたいな)ばかりになって、実務的なところまで踏み込めないし、そもそも実務を知らないし、というもどかしさがあるのですが、授業内でのちょっとしたネタの宝庫とも言えそうです。付随費用の損金算入のタイミングなんてのも正直考えも及ばないのは、想像力の欠如ですね。いやはや勉強せねば。

バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる

高橋洋一
『バランスシートで考えれば、世界のしくみが分かる』
光文社
2010年12月20日
IMG_2173 また、新幹線内での1冊。もう新幹線移動のときくらいしか読書をしていないですね…。改札内の本屋で購入しました。内容は、バランスシートを使って、金融絡みの事柄の本質を見ていくというものです。少なからず簿記を知っていないとちょっと難しいんじゃないかと思います。最初のバランスシートについての説明がちょっと不十分な感が否めません。分析は、統計数値に基づいたかなり正確なもので、的を射ているものだと感じました。物事の本質を見るという点については、政治家、学者の認識の甘さを痛烈に批判されています。そういう意味では、かなり痛快な内容でした。こういう指摘ができるようにならなければ。

テレビの大罪

和田秀樹
『テレビの大罪』
新潮社
2010年8月20日
IMG_1986 帰阪の新幹線で途中になっていた本を読了。この2カ月は、新幹線でしか本読んでないな…。ということで、2011年の1冊目は久々の和田先生の本からです。衆愚政治を主導しているのは、マスコミであり、その最たるものがテレビでありましょう。本書は、テレビをとことん悪く言い連ねています。国民の命を奪い、冤罪を生み、医療崩壊を招き、教育を損ない、地方を殺し、格差を広げ、高齢者を貶めるテレビとして。私見としては、テレビや各種報道等のあり方が、認知のゆがみ(選択的抽出、読心、縮小視、過度の一般化、すべき思考、レッテル貼り、単純思考)を生み出していることに問題があるかなと思います。二分割思考や属人思考の強まりを肌で感じますね。認知的複雑性が大切です。

導入前に知っておくべきIFRSと包括利益の考え方

高田橋範充
『導入前に知っておくべきIFRSと包括利益の考え方』
日本実業出版社
2010年6月1日
DSC06949 今月も1冊も読んでいないという怠惰っぷり。帰省の新幹線でとりあえず2冊。読みやすそうだなと思い購入していた中大の高田橋先生の本です。世間で大騒ぎなIFRSですが、専門家らしく客観的にその背景や内容を解説されており、また内容は明解でわかりやすく、非常にいい本だと思います。IFRSに興味のある方には是非読んでもらいたい1冊です。この本1冊でも世の中に蔓延しているIFRSの誤解が少なからず解消されるのではないかと思います。基本スタンスをきちんと知ることはとても大切です。会計の専門家(少なからずそうでしょう)になって思うことは、新聞やビジネス誌で囃し立てていることがいかに薄っぺらくて、欺瞞に満ちたものなのかということです。きちんとした方の意見を聞くことほど勉強になることはありません。

だれでも一流講師になれる71のルール―仕事が殺到するセミナー講師の秘訣―

茅切伸明
『だれでも一流講師になれる71のルール―仕事が殺到するセミナー講師の秘訣―』
税務経理協会
2010年3月25日
DSC06950 会計大学院協会のニュースレターに広告が載っていたのがきっかけで購入してみた本です。一応、教壇に立っている身ですし、ちょっと興味本位で。内容は先生というより、セミナー講師として売れっ子になるためにはどうすればいいかというものです(教員とは明らかにジャンルが違います)。よくあるHow to本ですね。講師派遣会社なんてのもあるんですね。登録してみよっかなぁ、なんて。

35歳の幸福論 成熟社会を生きる12の戦術

藤原和弘
『35歳の幸福論 成熟社会を生きる12の戦術』
幻冬舎
2010年8月27日
DSC06742 忙しさにかまけて、全く本を読まない日々が続いています。とりあえず、月に一冊読まないのはマズいと思い、読みやすそうな本を一冊。上京の際に、新幹線でサクッと読んでみました。著者は、民間から杉並区立和田中学校の校長を勤めたことで有名な藤原さんです。内容は藤原さんの人生観というか、こんな生き方(哲学)はどうですか?といった提案です。共感はしますが、藤原さんの提唱するダイヤモンド・アップルは、ボク的にはイマイチな感(よくまとまっているとは思います)。個人的には後半がおもしろかったです。正解をいくら言い当ててもチカラはつかない、正解が一つではない不確かな世界で、自分なりに納得できる「解」を見つけることが大切というのは、そうですね。あと、宗教的に生きるという部分で「感謝」と「畏れ」の感覚について触れられていますが、これは非常に重要だと思います。私自身、特定の宗教を信奉しているわけではないですが、この感覚は正しく生きるために不可欠です。どっかで、表参道ヒルズ地下のPASS THE BATONが紹介されていました。単なる雑貨屋だと思っていましたが、コンセプトを知るともう少しゆっくり見てみたいなと思いました。

衆愚の時代

楡周平
『衆愚の時代』
新潮社
2010年3月20日
IMG_1380 読み終えてから、かなり時間が経ってしまったので、正直内容をあまり覚えていません。タイトルから推測すれば、国民がバカになった、もっと常識に照らした振る舞いをしなくてはならないといったものだったと思います。特に、メディアで取り上げられる内容やアホなコメントをするコメンテーターの言うことを鵜呑みにしてしまうところがよろしくないといったことでしょう。もっと常識的な、子供が判断できるくらい当たり前の基準で、冷静にものごとを見る力を持たなくてはならないということです。まあ、確かに世間はメディアに流され過ぎだとは思いますが、今も昔も変わらない気がします。ただ、情報技術が発展して、少なからず真実に近い情報(まともな意見)にも触れやすくなったとも思います。

ぶれない人

小宮一慶
『ぶれない人』
幻冬舎
2010年7月30日
IMG_1252 小宮さんの本は巷に溢れ返っていますが、意外と読んだものは少ないです。検索してみると今まで2冊でした。「ぶれない」というのは非常に大切なことで、芯を持った人というのは言動に一貫性があり、信頼に足る人だと思います。これは接していれば、自然とわかるものです。そして、ぶれないようにするためにはどうすればいいのかと言えば、やはり『論語』などの古典に語りつくされていると思います。本書にもあるように「お金儲けをしようとする人ほど、お金儲けすらできない」はずで、「お金を稼げるくらいに良い仕事をしよう」という意識が肝要です。信念を貫き通せる人は、必ず成功します。正しいと信じる道は、迷わず歩み続けてほしいものです。

就活のバカヤロー 企業・大学・学生が演じる茶番劇

石渡嶺司、大沢仁
『就活のバカヤロー 企業・大学・学生が演じる茶番劇』
光文社
2008年11月20日
IMG_1229 前々から存在は知っていましたが、下世話な感があって手を出していなかったのですが、学生の就活支援もありますし、ちょっと読んでみるかと思い購入。本来の目的からどんどん離れていく就職活動、他もやっているのでという形式主義が歪めている根本なのでしょう。これは就活に限らず、社会制度全般に言えることだと思います。悪しき慣習は社会の活気を奪っていきますね。個人的に、面接はいかに自分をさらけ出すか(いい意味で)ですよね。異常なほど取り繕ってもいいことないと思います。本書の内容は、“おわりに”部分に集約されていますね。とにかく就活が気持ち悪いと。

モレスキン「伝説のノート」活用術 −記録・発送・個性を刺激する75の使い方−

堀正岳、中牟田洋子
『モレスキン「伝説のノート」活用術 −記録・発送・個性を刺激する75の使い方−』
ダイヤモンド社
2010年9月9日
IMG_1191 モレスキンは、3,4年前から愛用しています。個人的には、スケジュール+ノートがお気に入りです(ノート部分がもう少し多ければもっと使いやすいのですが)。あと、定番のプレーンノートブック。ここに紹介されている使用方法をそのまま真似る気は毛頭ないのですが、どんな編集方法があるのか気になって購入。多くの使用方法が紹介されていて、なかなか面白かったです。よく、誰かがプロデュースした「○○手帳」のようなものがありますが、やはり自由に使えるモレスキンがいいですね。読んでいて、どんどんメモしてクリエイティブな毎日を過ごすことを想像して楽しくなりました。

BARレモン・ハート 会計と監査

日本公認会計士協会(監修)
『BARレモン・ハート 会計と監査』
日経BP社
2004年8月23日
IMG_1164 こないだPART?を読んで面白かったので、買ってみました。この本も大変よくできた内容です(マンガです)。これほど会計士の仕事をわかりやすく正確に、かつ、ある程度の水準をカバーしたものはないでしょうね。監査さん、松ちゃん、メガネさん、マスターも私の中でかなりお馴染になった感があります。まだ読んでいない方には、ぜひ読んでもらいたいですね。
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