内田和成
『論点思考』
東洋経済新報社
2010年2月11日
いつ購入したのかは定かではありませんが積読の1冊。姉妹書である『仮説思考』は読んでいたのですが、book diaryを検索すると読んだのは7年前のようです(驚)。日々、教学改革に携わっていて感じるのが、論点設定の重要さ。正しい問い、真の問題に気付く力が問題解決の肝であるということです。今回、なるほどだと戒めておきたいのが、現象か観察事実を論点と間違えないことです。これは多くの議論、特にビジネスの現場でありがちです。実行すれば成果が上がる「筋のよい」論点を設定したいものです。コンピュータのシステムダウンを例にした、症状から原因のあたりをつける難しさは言い得て妙ですね。
『論点思考』
東洋経済新報社
2010年2月11日
いつ購入したのかは定かではありませんが積読の1冊。姉妹書である『仮説思考』は読んでいたのですが、book diaryを検索すると読んだのは7年前のようです(驚)。日々、教学改革に携わっていて感じるのが、論点設定の重要さ。正しい問い、真の問題に気付く力が問題解決の肝であるということです。今回、なるほどだと戒めておきたいのが、現象か観察事実を論点と間違えないことです。これは多くの議論、特にビジネスの現場でありがちです。実行すれば成果が上がる「筋のよい」論点を設定したいものです。コンピュータのシステムダウンを例にした、症状から原因のあたりをつける難しさは言い得て妙ですね。
そういえば、藤田先生の会計計算構造論は好んで読んでいた頃もありました。冒頭に「利益は存在しているのであろうか? 利益はどこからくるのであろうか?」という問いかけがあり、フロー計算、ストック計算の論理から包括利益や分配可能利益、引当金、資本と負債・資本と利益の区分について、会計学のアポリア(行き詰まり)を展開されています。おもしろいです。知的好奇心を刺激されまくり。会計学をしっかり学んで、卒論のテーマを考える時期にある学生さんなどには読んでもらいたいなぁと思う一冊です。試験寄りになりがちな授業でも、こんな話ができるといいなぁとか思ったり…。そう言えば、研究室には藤田先生編著の『会計利潤のトポロジー』があります。こういう言葉が好きなのかな
3月末に発刊された田中先生の著書。『税経通信』2011年1月号から2012年12月号までの「会計学の黙示録」という連載を書籍化したものです。言わずと知れたIFRS&時価会計批判です。相変わらず読みやすいので、会計学を勉強している方には、気軽に手に取ってもらいたい一冊です。今回の特徴は企業会計審議会での議論を前面に押し出して、連単分離や公正価値会計の批判をされていることでしょうか。時価情報を欲している投資家とは誰?というのが重要な視点なのかなぁと思いました。取得原価か時価か、受託責任か情報提供か、という話はいつも自分の修論を思い出します。自分のスタンスは基本的にその時から変わっていないのですが、田中先生の本を好んで読んでしまうあたり、考えは近いのかもしれません。
Kindleで会計系のいい電子書籍ないかなぁ〜と見ていたら出てきた一品。こういう個人体験記も販売されているんですね。こういった内容は、Blogで多くあることでしょう。ただ、間違いなく埋もれるでしょうし、読まれませんよね。こうやって99円で販売されていると目立ちます。そして、ポチッとする人がたまにいるという(私)。巷に溢れる合格体験記より、多くの方のリアルに近いのでしょうか。書いてあることはすべて正しいです。小学校で習う四則演算ができれば簿記学習にはまず困りません。著者が商学部会計学科というのは親近感湧きます。こういう文章に触れるのも電子書籍の醍醐味かもしれません(ネット上にタダでいくらでも転がっているんですけどね)。
博報堂の生活総合研究所というところで考えられた情報をアイデアに加工する「INSIGHTOUT」という研究アプローチについて紹介されています。情報爆発のこの時代、情報に振り回されているなぁと日々感じ、どう情報を整理したらいいかを日々悩んでいます。最初に書かれてある「情報メタボ」「視野狭窄」「情報の運び屋」は気をつけなくてはならない視点です。「INSIGHTOUT」については、インプット部分がとても参考になりました。アイデアやプレゼンについては、同感といったところ。最後に付録として、実際の事例が紹介されています。私の研究スタイルもこんな感じですね。完全に滞っていますが…
なかなかゆっくり本を読めないので、手許にあった瞬殺で読めそうな本をチョイス。日常的に使用される右翼、左翼ですが、意外と言葉の定義は曖昧です。ちなみに本書では、右翼・左翼の語源は1789年8月のフランス国民会議における王の権限を決める議決で右に王の支持者、左に反対派(革命派)が集まったことに始まると解説しています。著者がフランスの方なので、ほぼフランスの話で解説されています。左翼、右翼の解説はもちろんですが、教養を身につけることの重要性を説いているように感じました。ちなみに私はどっちでしょう。これが結構難しい。自分の立ち位置さえ、わからない未熟者なのです。
「暮しの手帖」編集長の書き下ろしエッセイです。小物を中心に、身の回りにある愛着のあるモノ、大切にしているモノなどを100個取り上げて、写真とともに紹介されています。とても人間味のある内容で、忙しいなか息抜きに読んでいて、ほっこりした気持ちになれる1冊でした。自分でも身の回りにあるもので、ちょっとしたこだわりや大切なものを写真と文章でまとめてみるのもいいな、と思いました。いいモノに囲まれることは、人生を豊かにしてくれます。なんてことのない普段の生活ひとつひとつに、ちょっとしたエピソードが紹介できる人って素敵ですよね。最後に“僕のこと”ということで著者の経歴が載っているのですが、かなり変わった経歴の方で、それも魅力的だと感じました。
超オススメ本です。会計学にもこんな本があったらと思わずにはいられない(私では能力不足)。研究活動について、自分を見つめ直す材料にもなりました。「おもしろい」ということと、それが「真理に近い」かは別の話というのは、とても大事な観点です。ここ最近、自分の中でもキーワードになっている「べき法則」は、複雑系の社会を分析するにあたって、やはり重要な概念ですよね。平均をとった統計分析結果と実際の企業の競争力には乖離があるように思います。現在は実証研究も蓄積がされてきているので、研究を研究するというメタ・アナリシスは有用だと思いました。いや〜、経営学おもしろいですね!
中大に行った際に生協に並んでいたので購入。簿記学会の部会でまとめられた内容が中心です。地味な装丁ですが、プロローグに放送大学の岡部学長(
上京時の新幹線の中での1冊。Twitterでお馴染みの田端さん(
紙の書籍は久々かもしれません。新書ideainkの第二弾(第一弾は津田さんの『情報の呼吸法』)。世界のグッドアイデアを紹介しているウェブマガジンgreenz.jpを中心にアイデアを形にしていくコミュニティづくりをしている方々だそうです。The Fun Theoryと呼ばれる社会実験が特に印象的でした。人間の行動を変えるには“楽しい!”と思わせることが大事というコンセプトには共感です。正解を求めることに徹した日本の教育に染まっていると、思考が堅くなりがちですが、その殻を破ることで全く違ったブレイクスルーがあるものだと感じました。実践されている方やライターさんは、同年代もしくは80年代後半生まれの若い方のようで勇気の湧く内容でした。
iPhoneアプリで落とした書籍(?)です。昭和10年から平成24年上半期までの芥川賞、直木賞の全受賞作品325作の最初の1行目を収録しています。著作権に触れずに、よくこれだけの数の作品を収録したなぁと思ってしまいます。数文字のものから、3ページに渡る長文まで、実に多彩で想像力をかき立ててくれる文章でした。個人的には情報量の少ない短文の方が読んでいて刺激的です。世の中には変わるものと変わらないものがあると思うのですが、文章(小説)というのは、どの時代も変わらないもので、いつの時代も人は皆同じことを考えているのだなぁと感じました。きっと、1000年後もベストセラーは恋愛ものなのかもしれません。出身高校には、蘯のぶ子と伊集院静の芥川賞・直木賞作家がいるのですが、やはり目に留まるものです。『光抱く友よ』は、防府を思い浮かべました。
Kindle第3弾。特に読みたい本だったわけでもないのですが、AmazonさんのおすすめということでKindleに落とした本です(ふとした瞬間に読めるかなぁと)。キーワードは“起業家精神”(それ系です)。印象的だったブックマークをご紹介。「並はずれた業績を達成した人々の最大の味方は、ほかの人たちの怠慢である」なるほどですね。老子の言葉「生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。(略)仕事か遊びかは周りが決めてくれる。当人にとっては、つねに仕事であり遊びでもあるのだ。」これもなるほど。「失敗していないとすれば、それは十分なリスクをとっていないからかもしれません」反省。「何かをしてくれたということは機会費用がかかっている」これは忘れてはいけません。「情熱とスキルと市場が重なり合うスウィート・スポット」これが熱い場所です。「目的地までの経路を決めないで、難しい問題に取り組もうとする気概」新しいものを作るのは並大抵の根性ではないということですね。起こすことは大変だ。
東京出張の新幹線にて完読。いつもながらのIFRS&時価会計批判です。講演内容を書籍化しただけあって、とても読みやすいです(もともと田中先生の本は読みやすいですが)。状況認識は人それぞれなので丸呑みすることはできませんが、一意見として読むに値する本でしょうね。学部生にもオススメです。どうしても二項対立的かつ欧米性悪説調に語られているので、その辺はIFRS推進の意見もきっちり理解することが肝要です。ただ、私も修論(何年前だ)で連単分離というかグローバルとローカルで適用する会計基準は異なるべきだと書いていたので(だって確定決算主義なんだから)、IFRSは国際資本市場で資金調達する企業の任意適用でいいとは思います。ただ、新たな財務報告として統合報告書が語られる昨今ですから、会計報告というのがこれからどうなっていくのやら。
今回もKindleにて。本の出し入れがないだけで、こんなに便利になるもんですかね。さて、本書は27冊のビジネス書の書評本(紹介)です。超コンパクトにまとまっているのでストレスなくサラッと読めます。これからの時代を端的に表していると思えたのが次の項目。「機能」だけでなく「デザイン」、「議論」よりは「物語」、「個別」よりも「全体の調和」、「論理」ではなく「共感」、「まじめ」だけでなく「遊び心」、「モノ」よりも「生きがい」。これからの(今もそうですが)複雑形の世界、不確実な世界には、サイエンスではなくアートが重視されそうな気がします。単純(シンプル)なルールとコンセプト、様々な価値観や考え方を許容する寛容性とバランス感覚、こういったことを教壇でも伝えていきたいと思いますね。もちろん、論理思考を備えた上で。
twitterでおなじみの
久々に読みましたよ、香山さん。昔から結構読むことは多いんですよね。エンタメ系でさらーっと読めるので。まあ胡散臭いですが。こういう極端な例示で相手を納得させようとする論法は、ツッコミどころ満載ではありますが、やはり読み手としては面白く読めるものです。結局、否定している対象に対してと同じパターンで逆の内容を返しているだけなのですが…。ワードショーを鵜呑みにするような方、思い込みの激しい方なんかは嵌ってしまうのかな。勘違いはしない方がいいです。物事は客観的に判断しましょう。さて、「気にしない」ことは結構大切です。ちょっと前に鈍感力なんてものがありましたが、まさにそれ。ストレスは溜め込まないことです。はい。
新書にして465頁というちょっと文量は多めの1冊。今月厳しいかなと思っていたところ、ちょうど体調を崩して通院がいくらかあったので、その待ち時間で読了。キーワードは“マイノリティ憑依”です。自分都合で弱者や被害者の気持ちを勝手に代弁し、当事者意識が薄いというのが根幹にある問題提起です。本文では“エンターテイメント化された免罪符”が本質とあります。『ノルウェイの森』での緑の「こいつらみんなインチキだって。適当に偉そうな言葉をふりまわしていい気分になって、新入生の女の子を感心させて、…」というセリフは言い得て妙です。日本人における戦争などでの視点として、被害者=加害者という解決の難しい論点もなかなか面白い内容でした。何か発言する際には、当事者意識をもって当たることが大切ですね。
技評SE選書を1冊手に取ってみました。言わずもがな私、元SEです。最近、twitter上で#○○死亡カルタというハッシュタグが流行っていましたが、
おもしろい経歴(UCバークレー→ハーバード→ケンブリッジ→…→東大)の著者です。タイトルは今の時代に合っているのではないでしょうか。内容はなかなか面白い処世術だと思います。“安定を求めるのであれば、安定を捨てること”ってのは、大事な観点です。“これがしたい”“こうなりたい”を具体化するべきでしょう。そして、前向きに取り組んでいく。合理性と義理人情は切り離せないという話も頷けます。各セクションの最後に偉人紹介や賢者の知恵というミニコラムがありますが、夏目漱石の「智に働けば角が立つ、情に棹されば流される、意地を通せば窮屈だ」は言い得て妙ですよね。全体を通して、所々日本語に違和感ありましたが、まあ細かいことは気にしない。いやぁ、これからの世界はエキサイティングですね。
また似たような本です。通勤でサクッと読める本をチョイス。水戸黄門かっという内容です(若干ネタばれ)。ポイントはマニュアル人間になるなということでしょうか。マニュアルというのは、あくまで最低限のもので上限ではないという。決められていることを決められている通りにやっているだけでは、なかなか発展はないよと。守破離という考え方もありますが、おもてなしに関してはマニュアルは最低限のもの。相手の心の琴線に触れるためには、やはり型に固執せずに、相手に合わせた臨機応変な対応というのが必要になるでしょう。個人的には「おせっかいだと思われたらどうしよう」という考えを少し後退させる必要があるなぁと考えさせられました。
↓と同じく対人関係の本です。これまたサラッと読める本。70個の処世術といったところでしょうか。共感できるところは多いです(全部が全部ではありませんが)。タイトルの“あなたが落ちぶれたとき 手を差しのべてくれる人は、友人ではない。”というのも、一概には言えないはず。本書の内容は、要は自分をしっかり持てということなのではないかと解釈します。あと、心遣いは大切にと(ベタベタするのはダメ)。わかっちゃいるけど、なかなか実践するのは難しいんですけどね。日々の心掛けです。
タイトルまんまの人なので、購入。各エピソードごとに“ここさめ(心が冷めてる)度チェック”があるのですが、まあ当て嵌まりますわな。コミュニケーションって難しいですよね。さて、内容は見た目通り、コンパクトで読みやすいです。心理的な考察が入るところがとても面白いし、共感しますね。「飲み会は這ってでも行け!」という教えは、到底私には出来かねますが。考え方(気持ち)次第で、見えてくる世界は違うものです。個人的には、こういう人それぞれの癖というのは、やはりこれまでの環境にあるのかなと。本書の最後に
いわゆる“気づき”に焦点を当てた本です。“気づき”から得るものは計り知れないといっていいでしょう。そして、“気づき”を得られなければ、成長はない。本書は、広告を生業とする博報堂において、いかに生活者が気付いていないことに気付くことができるかという課題に対する“気づき”を得るための方法論をまとめたものです。会議ではなく打合せによる共同脳空間をつくるというのが主な内容といってよさそうです。なるほどなぁと思ったのは、サッカーでのキラーパスを気づきに置き換え、いつ、どこで、どのように生まれるかは、わからない、ただ、それを得るための効果的な道筋があるという。つまりは、かたち(組織やフォーメーション)を整えただけでは、生まれないという。とっても頷けます。
時価会計・国際会計基準反対の田中先生、今回も炸裂しています。会計を学び始めたときから、原価主義に傾倒している私としては読みやすい本です。企業会計原則もラブです。しかし、わかりやすく書いてあるようで、なんか違うような、そういう違和感は、いつもながら感じます。副題の“「連単分離」と「任意適用」へ”ですが、現実的にはこの方向で間違いないと思いますね。さて、本書のなかで大変共感した一文を。「…常識を論理的に構成することにあり、したがって、論理構成そのものは技術的に緻密で、素人の常識には分からなくても、その結果は、まったく素人の常識に一致するものとなるであろうし、またそうならなければならない。(続く)」これが我々の仕事。
Twitter(@ttakimoto)でもフォローしていますが、京大の客員准教授の瀧本先生の著書です。3月に読んだ『僕は君たちに武器を配りたい』と同じタイミングでの新書のようです。姉妹書として、『武器としての交渉思考』という新書もあります。京大では意思決定の授業を担当されていることもありますが、自分で考えて、自分で決めていくという思考方法について、ディベートの仕方を中心に書かれてあります。世の中にいかに詭弁が多いかというのを思い知らされます。意思決定というのは、最終的には主観で決めることになるわけですが、そこに至る過程として、客観を経ることの重要性が説かれています。思考方法としては間違っていませんし、勉強になるわけですが、ディベート方式の考え方はプライベートではあまりお勧めできませんね。嫌われてしまう(笑)
LISMO、ニャンまげ、Tブー!Sなどを手掛けられたアートディレクターの方だそうです。考えずに簡単に読めそうなので購入しました。こういった広告系(クリエイティブ系?)の内容は、アイディアの発想の参考として、とてもいいですよね。思考のプロセスとして、間違っていないと思います。クリエイティブな人って、発想の裏に膨大な蓄積(努力)があって、かつ情報の整理がうまいというか、非常に冷静かつ的確にミッションを遂行されています。そして、何よりそれを楽しんでいる。本書で、自分でも特に意識したいのは、リミット、速決、寝かすの3つですかね。自分に甘くいては、なかなか先に進めません。
SEをしていた2006年当時に技評SE新書で第一版を読んだことがあります。ふと目に留まって手にしたのは何となく覚えているのですが、いつ購入したかは定かではありません。書名の通り、ソフトウェア開発者の話なのですが、多くの職業に共通する内容だと思います。著者は音大卒で、最後に音楽との関連を述べられていますが、ソフトウェア開発は、非常に汎用的な構造を持っていると思います。たった3年でしたが、この職に就いたことは、とても大きな意味があったと思います。論理的思考を鍛えられたし、何よりクリエイティブな仕事内容には、いつもワクワクさせられました。そんなことも思いながら楽しく読みました。
特に思想的にアレなわけでもないのですが、ちょっと目に留まって、内容に興味を持ったので。解説は素っ頓狂でしたが、内容は楽しめました。天皇陛下万歳以外は、とてもいい教訓だと思います。日本人の持つ道徳そのもののイメージと言ってもよさそうです。それにしても全く時代背景も異なるのに、その生活様式を理解できるのが不思議なものです。昔はカタカナが先で、ひらがなが後だったんですね。小学校低学年の教科書なのに、とても読みづらかったです。自分のときの道徳の教科書や内容はあまり覚えていませんが、このくらいの内容がシンプルでいいですね。やはり四経がもとになっているのはいい。
ここのところ経歴詐称で叩かれていた、慶應のキム先生です。ちょうどその問題が出る前に購入していたのですが、なかなか読むことができずに…。ご本人がどのような方なのかは、よく知らないのですが、この方の考え方というか、人柄がものすごく出ている内容だと思います。共感できる内容です。少々、主張が強いですが。これからを生きる学生の皆さんには、本書で書かれていることを意識して欲しいですね。私なりの解釈では、自分に正直に生きるということでしょうか。上っ面を気にしていたら、前には進めません。良い面、悪い面、すべてを素直に受け止めて、前に進んでいくための力に変えていく。これが肝要です。
「ピッカピカの一年生」、「セブンイレブンいい気分」を手掛けたクリエイターの杉山さんの言集です。簡単に読めますし(量が少ない)、とても含蓄があっておもしろかったです。共感した言葉をご紹介。「だれも見たことのないような すばらしい作品は、いつも自由な精神から生まれる。」※制約(不自由)が大切の意「仕事とプライベートは分けない。両方一緒に楽しまなきゃ。」※ON/OFFなんてない、いつもONであれの意「加害者意識をもって生きろ。被害者意識をもって生きるな。」※被害者意識からは何も生まれないの意「「教養」は、英語だと「リベラルアーツ」。つまり、「自由になる技術」。知識は人を自由にする。」※情報や単なる知識ではダメの意「アイディアは思い出すもの。」※アイディアとは蓄積であるの意「自己模倣は、最大の敵。」※成功体験への安住はダメの意 他にもいろいろあるのですが、勉強は「直観力を磨くため」という小柴昌俊さんの言葉は“なるほど”と思いましたね。いやー、こういう意識って大切。
山田さんの本を久々に読みました。やっぱ読みやすいし面白いです。ちょうど大河で平清盛をやっていて、山田さんが神戸出身ということでのチョイスなのでしょうか。そもそも平家物語はドラマとして、ものすごく面白いですよね(大好きです)。最近の研究結果からの新発見もあわせ、考察されているのがまたGOOD。私も昔は歴史が大好きだったんですが、最近は“歴史ヒストリア”くらいでしか触れることないな…。それにしても、山田さんを見ていると会計士になると幅広く活躍することができるよなぁなんて思います。
会計専門職を目指す学生へのサポートを職業としているので、こういう本も読んだ方がいいかなと思い、書店で手に取ったんだと思います。記憶は定かではありません。会計士試験は、モチベーションの維持、2年以上勉強をし続けることが最も難しい部分だと思います。ただ、この期間の勉強で人生が変わるのですから、むしろ他のプロよりはハードルは低いのかもしれません。あと、言えることは合格者が「合格しなければよかった」なんてことは、おそらく誰一人も思わない試験だろうと思います。みんなには頑張ってほしいと願うばかり。さて、簿記3級は、英語の学習でアルファベットを覚えるようなもの、簿記2級はF1ドライバーを目指す人が普通免許を取るようなものという例えはしっくりきました。ここは当然、満点合格でクリアすべきでしょう。あと、本書で会計士試験の偏差値換算の内容を知れたのは大きかったな。
大学のこととなると、ちょこちょこ名前が挙がってくるので買ってみました。何気に、過去にも著者の本を読んだことがあることに今日、気付きました。結構、共感する内容が多い本で、ドックイヤーもいつもより多かったかも。ブログ記事を書籍したもののようで、ちょっとしたコラムが延々と続いている感じで読みやすいです。さて、紹介したい内容が多くて困りますが、とりあえず、日々の教育活動を丁寧にする他にすることはないかな、というのが私の結論。ムダなものはムダ(形式化や数値化が目的化してしまうとか)なので、しっかり地に足のついた改革が肝要ですね。いろんなところで使えそうな言い回しがいっぱいありました。
心斎橋のSTANDARD BOOKSTOREにあったので購入。ナウシカの原点といった感じの内容です。主人公のシュナ(少年)もテナ(少女)もナウシカと見間違えます(笑)。原作はチベットの民話だそうです。中身は絵物語。あとがきに「現在の日本の状況では、このような地味な企画は通るはずもありません。」と書かれてありますが、今ならいけるかも。とか思ってしまいます。ナウシカ(原作)は重過ぎるので、このくらいコンパクトな内容はいいのでは。ちなみに研究室にはナウシカ全巻揃ってます。読めますよ。
卒業式シーズンということもあるのでしょうか。手に取ってみました。本書では「英語・IT・会計知識」を“奴隷の学問”と切り捨てており、会計を担当している私としては、残念な気持ちはありますが、今後生きていく力を身につけていくには、なかなか刺激的な内容なのではないかと思います。起業論を専門とする著者の意見は、完全な投資家目線なのですが、資本主義社会に暮らしているわけなので正しい観点と言えます。個人的には、ちょっと極端かなぁと思うところも多々ありますが。生き残るためには唯一の人間になること、英語の勉強をする前に自分の商品価値(売り)を作れというのは、確かに的を射ています。あと、従業員を大切にする会社は、顧客を大切にする会社、その逆も然りというのは言い得て妙です。もともとのテスト結果&学歴重視に、今は+αで意欲、コミュニケーション力、ネットワーク力と企業が求める人材像というのは目茶苦茶だと思う今日この頃。結局は、地道にこつこつきっちりと物事をこなせる力がモノを言います。
久々にソーシャルメディアに関する本を読みました。これ系の本を読んだ後は、大抵、「おっ、それやってみようかな」ってのがいくつか出てきて、試してみるということが多い気がします。Twitterを本格的に使い始めたのも本がきっかけだった気が。さて、総じて共感できる内容でした。あとがきにある「正直者がバカを見ない世界」というのは、ハッとさせられました。正直に愚直に行動することが可視化されるというのは、いい部分ですよね。等身大の自分を「情報化」して、ソーシャルキャピタルを構築していく。あと、直感は勘ではなく、それまでの知識と経験で脳が「こうだろうな」って、高速に結論をくだすものというのは、確かにそうですよね。直感って、情報のストックと経験の差ですよ。
ご存知の通り、私は現場にいます。品のないタイトルですが、やはり興味津々です。思うところもいっぱいあります。私の基本的なスタンスは、継続は力なり。派手な結果はなくとも、こつこつ続けていくことが肝要だと思っています。教育にせよ、研究にせよ、就活にせよ。「特進クラス」と「幼稚園化」というのは、大学改革の最先端ですが、後者はよく叩かれますね。どの大学も(東大も海外の名門校も)初年次教育には力を入れていますし、面倒見がいいのは当たり前な気がします。多くの大学が教育力なくして明日はないのは避けられない現実。世の中としても社会に人材を還元できない大学は不要でしょう。個人的な感覚ですと、今までが異常だった(週に数日大学に来て、授業やって帰るなんて、どう考えてもおかしいでしょ?)と思います。どうでもいいことですが、国内の大学をすべて訪問されたという著者(山内氏)を昨年学内で一度見かけたことがあります。さて、頑張るしかないですね。
『R25』や『TRANSIT』などのデザインを手がけられてきた尾原さんという方の自伝的な読み物です。気持ちこそがすべてを凌駕できるっていうのは、この方の勢いを感じます。著者のこれまでの経歴をみても、まさにそれを地で行ってらっしゃる。こんなパワフルな方がいるんだなぁと思うくらい。でも、その気持ちを成果物まで持っていく努力は人並み外れたものがあります。凡人には到底真似できないレベル。キメるやつは絶対キメてほしいときに、いつもやってのける。この瞬間をものにできるかが一流と二流を分けるポイントだとか。恐れ入ってしまう。共感した部分で、解像度が高い人という表現があった。小さい部分をどれだけ拡大してもずっとクリアに見えて、全体として見たときも、キリッと澄んでいる。これが正しい、仕事ができる人。いや〜、恐れ入った。
ピタゴラスイッチや2355を手掛けていらっしゃる佐藤雅彦先生の『暮らしの手帖』のコラムを本にしたものです。コラムを書籍化したものって読みやすくて好きです。普段見落としがちな何てことのない日常の?を、粋な視点で観察されているものが多くて大変面白く読ませてもらいました。11月に読んだ齊藤先生の『「意識の量」を増やせ!』じゃないですけど、何にしても意識するかの差ですよね。ちょっとしたことを文章にして、人に読ませられるって、素敵ですよね。大阪に来て、忙しさにかまけてコラムを書かなくなってしまいましたが、再開したいな。ジャンルの違った方の文章を読んでインスピレーションを受けるのは、本当に楽しいです。多読を習慣づけし直さないと。
新年早々“社畜”かよ、と思われそうですが、言葉が一人歩きしている感のあるこの単語を皮肉なしに、下積みが大切という観点から話が進められています。新入社員時代によく言われた「守破離」を再確認しました。言われたことをきちんとこなすことは、大切過ぎるくらい大切なことです。すべての基礎が備わってから、自分なりに考えるべきです。それにしてもSE時代は、毎日午前様、休日出勤も頻繁、飲みはオールということが多かったのを考えれば、今は自由を謳歌し過ぎな感はあります(結婚したことが一番大きいかな)。「結果さえ出せばいいじゃないか」というのがいかに青二才的発想か、実績と昇進(評価)は関係ないというデータは衝撃ですね(想像はつきますが)。客観的データより、結局は印象です。そもそもフェアを前提に考えることが存在しない理想です。あとは、昨今の七五三や転職の増加といった数字は、戦後一貫して変化していないという事実。ただ、あまり表面化していなかっただけの話ですよね。さて、今年も頑張ります。
今月も読書量は危機的状況。帰省の新幹線でようやく1冊を読み、更新しています。齋藤先生の本は、相変わらず読みやすくて充実していました。ここ最近、気持ちに余裕がないせいもあり、意識の量が減少しているのは、かなり反省です。考えることを避けている感もあります。意識量を保つためにも、日常的な読書や論文サーベイは欠かしてはならないなと思う次第です。意識量を増やすトレーニングの話で「意識小僧」という考え方は、確かにわかりやすかったです。会議中の私の意識小僧はみんな休んでいるかも(苦笑)齋藤先生の本は、大抵、古典かプロの方などの実例をもとに、よい部分をうまく抽出して解説してくれるので、実践的でいいですよね。
遂に先月は載せませんでした。実にbook diaryを書き始めて初。今月も載せるのはこの1冊。今の状況に、ぴったりのタイトルだったので購入した次第です。形式ばかりで実質のない仕事というのは、日常に溢れているものです。自戒するべき内容がこれでもかというくらい書いてありました。仕事ぶりに質より量、長いものには巻かれろ、横並びの意識といった日本のよくない習慣はどうにかならないもんですかね。物事の本質を見越した仕事をしていきたいものです。「奥儀云」にあるように、「上手は下衆に受けず、下手は上客に飽きられる」本当の芸達者は「下衆を笑わせながら、上客に心を伝えるべき」というのは求道者として、なかなか含蓄のある言葉だと思いました。本物を求める人は最終的に孤独とならざるを得ない宿命か…
完全に読書から離れつつある日々に突入しています。今月はなんとかギリギリ更新したものの、ちょっと厳しい状況…。確か上京した際に、神谷町のTSUTAYAで中大商会計卒という略歴を見て購入した覚えが。内容は、最近起こった会計不正事件について、調査報告書等をもとに面白く(?)解説されています。それぞれの粉飾事件の中身は、人間臭くてなかなか興味深いです。異常値の発生、不誠実な態度、うま過ぎる話には、要注意とありますが、監査に限らず、不正の匂いというのは、こういったところからプンプンしてきますよね。最後に、防止の手立てや調査手続・質問スキルなどについて書かれてありますが、肝に銘じておかないといけないところが多いです。質問スキルは、、、ないだろうなぁ
「もしドラ」の岩崎さん推薦という帯をみて、読みやすそうだなと思い購入。読みやすかったです(笑)とある女子大生が、ピンチに陥っているバイト先の焼き鳥屋を、亡くなったお父さんの残してくれたノートをもとに経営していくという内容です。端的に言うと、販促の本です。お父さんのノートの言葉がなんとも言えません(ここでは書けない)。読んでいて、著者は私と同年代なんだろうなぁというニオイがぷんぷんしました。お店を経営していて、勉強が嫌いという方は、暇つぶしに読んでみてはいかがでしょうか。とっても軽い読みものです。
小池さんの本を見つけたので買ってみました。3.11後に感じていること(特に「自粛」について)、心の守り方について語られています。3.11から勢いを増しているSNSについても、心の余裕を奪うものとして批判的に述べられています。確かにSNSでの言動というのは、承認欲求であるとか、麻薬にも似た快感を与えてくれるようなものと解釈できる部分も多いいあると思います。ただ、小池さんが提唱しているような、日本古来のもとの生活が戻るようなことはそうないでしょう。究極の精神世界は便利の対極になるものかもしれません。文明は人類を幸福に導いたかどうかはなかなか難しいところです。ただ、便利な世の中で、中毒になりつつある日常をこういった本で少し毒を抜く必要はあるでしょうね。
巷の会計本は「この本なら会計が本当にわかる」というような決まり文句が必ず最初に書かれてあります。そろそろ聞き飽きたかも。著者は『半分売れ残るケーキ屋がなぜ儲かるのか』の方です。この本が2冊目。個人的には、こないだ読んだ本の方が読み易かったです。『グーグル経済学』が売れたので、会計学もといった感じでしょうか?無理やりGoogleを題材にした感があります。説明の発想(資金=溜め池)もイマイチな感があります。2008年ベースで書かれているので、数字や背景が少し古いですね。為替相場も現在の70円台後半からすれば、かなり円安の頃の話が円高という流れで書いてあったり、強力なライバルであるFBがまだ存在していなかったり、なんだか一昔前の話のように感じます(実際そうですが)。巻末にGoogleの使い方が紹介されているのですが、これも少し古いですね。これからはG+やChomeBookを中心にサービスが集約されていくのではないでしょうか。Googleに興味があって、会計を勉強したいという方にはいいかもしれませんね。
かなり前に購入して眠っていたんですが、この度読んでみることに。コンパクトに文章を書くときのテクニックを77こ紹介してくれています。まるで昔、上司にドキュメントを添削してもらったときのような気持ちになりました。文章はシンプル イズ ベストなのですが、どうも余計なものをつけてしまったり、回りくどい表現にしたりしがちです。今となっては添削する方が圧倒的に多くなったのですが、自分の文章力はまだまだ。添削をしていると、意味のわからない文章を書いてくる方は、大抵自分も意味がわかっていないことが多いです。あと、感情むき出しで気持ちはわかるけど、本当に相手に伝わる内容になっていないとか。何はともあれ、文章は推敲が大事ですね。
和光市長の松本さんが書かれた本だそうです。昨日の本は、実際のF/Sを使用した経営分析系でしたが、この本は財務会計、簿記を中心にした内容です。ボケありツッコミありの面白おかしなストーリー仕立てなので、かなり読みやすかったです。小一時間で完読できます。簿記初学者向けの授業では、仕訳の仕組みを理解してもらうのに苦労しますが、本書の“ぱなし”と“ぱなし以外”という観点はなかなかわかりやすい説明だと思いました。他にもうまいこと解説していると思わされる箇所があって、授業の参考になりました。巷の会計本のおもしろ話題を集めて、授業を構成するといいとは常々考えているのですが、ドックイヤー&線引きで済ませてしまって、メモをとっていないのがなかなか作業が進まない原因か…
本が読める生活はいいですね!慶應の山根先生の最新刊です。よくある経営分析系会計本と大きく変わりがあるわけではないですが、より最新の事例から学べる本だと思います。この本にしかない視点もあり(やはり慶應の先生ですから、福沢諭吉の話は外せません)、それなりに面白く読ませてもらいました。個人的には最後の教育産業の話で、「教師は「学生の勉強の努力が足りない」といいます。対する学生さんは「教師の教え方が悪い」といいます。この議論は昔から解決できない、永遠の平行線なのです。」という部分に、共感とため息が…。今日、授業改善報告書を書いていたからかもしれません…