伊集院静
『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎 下』
集英社
2020年6月25日
読まないといけないものがいっぱいあるのですが、ついつい。琥珀の夢を読み終えました。最後の解説にある「生きること、生活することにおいて何が肝心なのか、人間形成において何が必要なのかをさまざまな状況で問いかけている」という伊集院静っぽさのある小説です。上巻では特に「陰徳」が印象に残りましたが、下巻での共感は、「そんなもん教わってできるもんやおまへん。やりたかったら勝手に己の甲斐性でやんなはれ」という信治郎の姿勢や「失敗して身につくことの方が多い」との座主の言葉でした。最終的には「やってみなはれ」に集約されそうです。我慢強く続けることは、我慢強く待ち続けることでもあるなと思いました。まだ読み返したい小説はあるのですが、読みたい本もたまってきているので、小説は少しお休みしたいと考えています。
『琥珀の夢 小説 鳥井信治郎 下』
集英社
2020年6月25日
