ちくまプリマー新書

多読術

松岡正剛
『多読術』
筑摩書房
2009年4月10日
20090517 よくある読書術の類です。世の読書家の方が、どのように本を読んで自分のものにしているかは参考になります。読書は、編集作業とする著者の考えは、アリというかいいなぁと思いました。普段、マーカーや書き込んだりするのは、もっぱら専門書や論文のとき(熟読のとき)だけで、ここに載せている本は、ドックイヤーどまりなんですよね。だから、読み返すときに、どの部分にどう思ったのか記憶を辿るのにどうしても時間がかかります。やろうやろうと思いながらも乱読の日々です。「鳥瞰力と微視力(鳥の目と足の目)」というのは、読書に限らず必要な視点ですね。本のなかで、「政治が「公正」に追いやられ、経済が「効率」に追いやられたとき、文化は「価値」を矛盾をもって、かかえざるをえない」という言葉が紹介されているのですが、言い得て妙というか、考えさせられました。

ほんとはこわい「やさしさ社会」

森真一
『ほんとはこわい「やさしさ社会」』
筑摩書房
2008年1月10日
10.27 昔、精神科医の大平健さんの本なんかをよく読んでいましたが、それを思い出しました。対人関係に慎重にならざるを得ない今の社会には困ったものです。対人恐怖症とも言えるくらいに、相手を傷付けるのではないかという恐れを常に抱いて人と接し、ちょっとした注意にもキレられるんじゃないかと見て見ぬ振りをする。愛のムチならぬ、優しい厳しさが通じヅライ世の中、相手を追い込むような厳しい優しさは、どんどん強くなってます。対人関係について、本書にあった「結合定量の法則」は非常に頷ける内容でした。あと、人生の自己目的化(自己中心化)は、祖先への敬意と心の拠り所(ゆとり)を奪うものだと思いました。家や先祖を大事にすることはとても大切なことです。

先生はえらい

内田樹
『先生はえらい』
筑摩書房
2005年1月25日
3.17 筑摩からの新しい新書だそうです。ちくまプリマー新書。この本は、中高生を対象にしているようですが、面白そうなので買ってみました。内容は、書名の通りのことを言わんとしているわけですが、そのアプローチはなかなか面白いです。要は、恩師なんてのは勝手な思い込みであって、別にその先生がスゴイわけではないということです。弟子は師が自分の知らないことを知っているはずだと勝手に思いこむことによって、勝手に何かを学んで師は偉大だと勘違いすると。コミュニケーションにしろ誤解する余地を残すことが大切だとおっしゃっています。まあ、確かにそうとも言えるかな。
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