その他

2012年02月11日

尾原史和
『逆行』
ミシマ社
2011年2月2日
IMG_1567 『R25』や『TRANSIT』などのデザインを手がけられてきた尾原さんという方の自伝的な読み物です。気持ちこそがすべてを凌駕できるっていうのは、この方の勢いを感じます。著者のこれまでの経歴をみても、まさにそれを地で行ってらっしゃる。こんなパワフルな方がいるんだなぁと思うくらい。でも、その気持ちを成果物まで持っていく努力は人並み外れたものがあります。凡人には到底真似できないレベル。キメるやつは絶対キメてほしいときに、いつもやってのける。この瞬間をものにできるかが一流と二流を分けるポイントだとか。恐れ入ってしまう。共感した部分で、解像度が高い人という表現があった。小さい部分をどれだけ拡大してもずっとクリアに見えて、全体として見たときも、キリッと澄んでいる。これが正しい、仕事ができる人。いや〜、恐れ入った。

(15:19)

2011年12月31日

齋藤孝
『「意識の量」を増やせ!』
光文社
2011年6月20日
IMG_1060 今月も読書量は危機的状況。帰省の新幹線でようやく1冊を読み、更新しています。齋藤先生の本は、相変わらず読みやすくて充実していました。ここ最近、気持ちに余裕がないせいもあり、意識の量が減少しているのは、かなり反省です。考えることを避けている感もあります。意識量を保つためにも、日常的な読書や論文サーベイは欠かしてはならないなと思う次第です。意識量を増やすトレーニングの話で「意識小僧」という考え方は、確かにわかりやすかったです。会議中の私の意識小僧はみんな休んでいるかも(苦笑)齋藤先生の本は、大抵、古典かプロの方などの実例をもとに、よい部分をうまく抽出して解説してくれるので、実践的でいいですよね。

(17:34)

2011年08月29日

小池龍之介
『3.11後の世界のこころの守り方』
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2011年8月15日
IMG_4250 小池さんの本を見つけたので買ってみました。3.11後に感じていること(特に「自粛」について)、心の守り方について語られています。3.11から勢いを増しているSNSについても、心の余裕を奪うものとして批判的に述べられています。確かにSNSでの言動というのは、承認欲求であるとか、麻薬にも似た快感を与えてくれるようなものと解釈できる部分も多いいあると思います。ただ、小池さんが提唱しているような、日本古来のもとの生活が戻るようなことはそうないでしょう。究極の精神世界は便利の対極になるものかもしれません。文明は人類を幸福に導いたかどうかはなかなか難しいところです。ただ、便利な世の中で、中毒になりつつある日常をこういった本で少し毒を抜く必要はあるでしょうね。

(23:20)

2011年08月25日

阿部紘久
『文章力の基本』
日本実業出版社
2009年8月1日
IMG_4184 かなり前に購入して眠っていたんですが、この度読んでみることに。コンパクトに文章を書くときのテクニックを77こ紹介してくれています。まるで昔、上司にドキュメントを添削してもらったときのような気持ちになりました。文章はシンプル イズ ベストなのですが、どうも余計なものをつけてしまったり、回りくどい表現にしたりしがちです。今となっては添削する方が圧倒的に多くなったのですが、自分の文章力はまだまだ。添削をしていると、意味のわからない文章を書いてくる方は、大抵自分も意味がわかっていないことが多いです。あと、感情むき出しで気持ちはわかるけど、本当に相手に伝わる内容になっていないとか。何はともあれ、文章は推敲が大事ですね。

(21:34)

2011年08月22日

齋藤孝
『人はなぜ学ばなければならないのか』
実業之日本社
2011年2月7日
IMG_4139 かなり根源的な問いではありますが、ここに疑問を持つ学生も少なくないのが実情です。私も教壇に立つ身ですので、きちんと答えられるだけの教養も持っていなければなりません。非常に為になる内容で、学ぶことに疑問を持つ学生には一度読んでもらいたいと思わずにはいられません。学ぶ意義を知り、意識しながら学ばないと学びの濃さや発展は、なかなか生まれてこないものです。知のあり方としても大変勉強になります。個人的には初年次教育やゼミ運営の参考になりました。毎度、齋藤先生の本は充実した内容かつ読み易くて、大変よいです。

(18:22)

2011年08月07日

クワン・スタント
『感動教育』
講談社
2010年8月27日
IMG_3910 なんとなしに本屋で手に取った本ですが、大変いい本でした。教育については悩まされる日々ですが、本書を読んで少なからず自分のやり方に自信が持てたのと、明日からも頑張ろうという前向きな気持ちが持てました。インドネシアの華僑である著者は、大変な苦労を経て、現在日本で教壇に立っていらっしゃることもスゴイのですが、やはり「自分の目標を極めていって、誰にも負けないようになれば、自分にしか語れないストーリーが自然とできていく」というのが答えな気がします。著者が座右の銘としている「凡庸な教師はただしゃべる。良い教師は説明する。優れた教師は自ら示す。そして偉大な教師は心に火をつける。」という言葉には感銘しました。教育者として教壇に立つ以上、学生の心に火をつけられるように精進していきたいものです。

(23:37)

2011年06月24日

小林章
『フォントのふしぎ』
美術出版社
2011年1月7日
IMG_3467 他のブログ(diary、column)が開店休業中のなか、bookdiaryも危機的です。ここ10年で読書量が極限に減ってきています。さて、今回は『フォントのふしぎ』という、まさにフォントの本。欧文フォントについての内容ですが、実に深いです。欧米で撮られた270点の写真もあり、非常に見応えがあります。特に、最後の“意外と知らない文字と記号の話”ではUは300年前くらいに使われ始めたといった話や合字の話、国ごとで数字や文字の書き方が異なる話など、蘊蓄が満載です。フォトグラフィとして、気軽に雑誌感覚で読めます。フォントの魅力を是非ご覧あれ。

(21:26)

2011年05月08日

佐々木俊尚
『キュレーションの時代 「つながり」の情報革命が始まる』
筑摩書房
2011年2月10日
IMG_3194 ちょうどこの本が出た頃から佐々木さんをフォローし始めて、読みたいと思っていた本です。ご本人自身、キュレーターとして毎日Twitterで有用な視座を与えてくれています。1年半前にiPhoneに変えてから、TwitterとFacebookを本格的に使用するようになりましたが、情報の流れというか、質が確実に変化しているのを実感します。今はまだまだ過渡期であり、本書に書いてあることもその中での一つの解釈だと思います。個人的には、佐々木さんの書いていることは非常に共感を持って受け止められるものが多いです。是非、読んでもらいたい1冊です。しかし、ヘンリー・ダーガーのヴィヴィアンガールズに出くわすとは思いませんでした。

(00:51)

2011年01月06日

和田秀樹
『テレビの大罪』
新潮社
2010年8月20日
IMG_1986 帰阪の新幹線で途中になっていた本を読了。この2カ月は、新幹線でしか本読んでないな…。ということで、2011年の1冊目は久々の和田先生の本からです。衆愚政治を主導しているのは、マスコミであり、その最たるものがテレビでありましょう。本書は、テレビをとことん悪く言い連ねています。国民の命を奪い、冤罪を生み、医療崩壊を招き、教育を損ない、地方を殺し、格差を広げ、高齢者を貶めるテレビとして。私見としては、テレビや各種報道等のあり方が、認知のゆがみ(選択的抽出、読心、縮小視、過度の一般化、すべき思考、レッテル貼り、単純思考)を生み出していることに問題があるかなと思います。二分割思考や属人思考の強まりを肌で感じますね。認知的複雑性が大切です。

(01:18)

2010年12月31日

茅切伸明
『だれでも一流講師になれる71のルール―仕事が殺到するセミナー講師の秘訣―』
税務経理協会
2010年3月25日
DSC06950 会計大学院協会のニュースレターに広告が載っていたのがきっかけで購入してみた本です。一応、教壇に立っている身ですし、ちょっと興味本位で。内容は先生というより、セミナー講師として売れっ子になるためにはどうすればいいかというものです(教員とは明らかにジャンルが違います)。よくあるHow to本ですね。講師派遣会社なんてのもあるんですね。登録してみよっかなぁ、なんて。

(22:46)

2010年11月28日

藤原和弘
『35歳の幸福論 成熟社会を生きる12の戦術』
幻冬舎
2010年8月27日
DSC06742 忙しさにかまけて、全く本を読まない日々が続いています。とりあえず、月に一冊読まないのはマズいと思い、読みやすそうな本を一冊。上京の際に、新幹線でサクッと読んでみました。著者は、民間から杉並区立和田中学校の校長を勤めたことで有名な藤原さんです。内容は藤原さんの人生観というか、こんな生き方(哲学)はどうですか?といった提案です。共感はしますが、藤原さんの提唱するダイヤモンド・アップルは、ボク的にはイマイチな感(よくまとまっているとは思います)。個人的には後半がおもしろかったです。正解をいくら言い当ててもチカラはつかない、正解が一つではない不確かな世界で、自分なりに納得できる「解」を見つけることが大切というのは、そうですね。あと、宗教的に生きるという部分で「感謝」と「畏れ」の感覚について触れられていますが、これは非常に重要だと思います。私自身、特定の宗教を信奉しているわけではないですが、この感覚は正しく生きるために不可欠です。どっかで、表参道ヒルズ地下のPASS THE BATONが紹介されていました。単なる雑貨屋だと思っていましたが、コンセプトを知るともう少しゆっくり見てみたいなと思いました。

(16:20)

2010年10月30日

楡周平
『衆愚の時代』
新潮社
2010年3月20日
IMG_1380 読み終えてから、かなり時間が経ってしまったので、正直内容をあまり覚えていません。タイトルから推測すれば、国民がバカになった、もっと常識に照らした振る舞いをしなくてはならないといったものだったと思います。特に、メディアで取り上げられる内容やアホなコメントをするコメンテーターの言うことを鵜呑みにしてしまうところがよろしくないといったことでしょう。もっと常識的な、子供が判断できるくらい当たり前の基準で、冷静にものごとを見る力を持たなくてはならないということです。まあ、確かに世間はメディアに流され過ぎだとは思いますが、今も昔も変わらない気がします。ただ、情報技術が発展して、少なからず真実に近い情報(まともな意見)にも触れやすくなったとも思います。

(14:05)

2010年10月06日

石渡嶺司、大沢仁
『就活のバカヤロー 企業・大学・学生が演じる茶番劇』
光文社
2008年11月20日
IMG_1229 前々から存在は知っていましたが、下世話な感があって手を出していなかったのですが、学生の就活支援もありますし、ちょっと読んでみるかと思い購入。本来の目的からどんどん離れていく就職活動、他もやっているのでという形式主義が歪めている根本なのでしょう。これは就活に限らず、社会制度全般に言えることだと思います。悪しき慣習は社会の活気を奪っていきますね。個人的に、面接はいかに自分をさらけ出すか(いい意味で)ですよね。異常なほど取り繕ってもいいことないと思います。本書の内容は、“おわりに”部分に集約されていますね。とにかく就活が気持ち悪いと。

(12:07)

2010年09月25日

堀正岳、中牟田洋子
『モレスキン「伝説のノート」活用術 −記録・発送・個性を刺激する75の使い方−』
ダイヤモンド社
2010年9月9日
IMG_1191 モレスキンは、3,4年前から愛用しています。個人的には、スケジュール+ノートがお気に入りです(ノート部分がもう少し多ければもっと使いやすいのですが)。あと、定番のプレーンノートブック。ここに紹介されている使用方法をそのまま真似る気は毛頭ないのですが、どんな編集方法があるのか気になって購入。多くの使用方法が紹介されていて、なかなか面白かったです。よく、誰かがプロデュースした「○○手帳」のようなものがありますが、やはり自由に使えるモレスキンがいいですね。読んでいて、どんどんメモしてクリエイティブな毎日を過ごすことを想像して楽しくなりました。

(17:38)

2010年09月04日

堀江貴文
『拝金』
徳間書店
2010年6月30日
IMG_1121 堀江君のRT攻撃に負け購入。自伝的小説なんでしょう。面白く読めますけど、良い子は読んじゃダメってな感もあります。あまり真に受けて拝金主義者になってもらっても困りますからね。良くも悪くもカネを中心に世の中回っていますが、カネや権力を中心に物事考えてしまうと歪んでしまいます。人の心は弱いものです。溢れる欲をどうコントロールするかは、なかなか難しいものです。相変わらず日本社会は混沌としていますが、世の中がいい方向に向かうように欲を発散して頂けるといいですね。欲望の世界を「突き抜ける」って、一体どんな感じなのでしょう。

(23:38)

2010年09月01日

西林克彦
『わかったつもり 読解力がつかない本当の原因』
光文社
2005年9月20日
IMG_1095 サラーっと読んで、わかったつもりになるというのは日常茶飯事です。深く読むことをあまりしない自分にとってはかなり自戒的な内容でした。ただ、論文のような超論理的な文章については、わかったつもりで読み進めてはいけませんね。そこは書く方も読むほうもキッチリしていかないと解釈は人によって異なるでは済まされません。昔からあった国語の読解問題に対する答えが一つしかないという違和感について、筆者が述べている見解にはとても共感しました。最後の国語教育に対する提言は、その通りだと思います。世の中には、速読というものがありますが、これはわかったつもりの典型になるのかと少し思いました。何でもかんでも熟読は難しいですし、ポイントをしっかり掴んでいればいいのでケースバイケースですが。

(09:03)

2010年08月11日

片田珠美
『一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病』
光文社
2010年7月20日
IMG_1007 久々に精神・心理系の本を読みました。面白かったです。「成熟拒否」を象徴する「打たれ弱さ」「他責的傾向」「依存症」という3つの問題を分析されています。端的に言えば、大人になれない人が多くなったとの分析です。「もっとできる」はずのイメージ上の自分と、「これだけでしかない」現実の自分の落差を受け入れられない、万能感の喪失、「断念」を受け入れられない人が増えているということです。「挫折に挫折を繰り返し、親の期待とも折り合いをつけながら、自らの卑小さを自覚していく過程」、「自己愛の傷つきを積み重ね、万能感を喪失していくことによって、初めて等身大の自分と向き合えるようになる」、つまりは、自らの立ち位置を認識する、“身の程を知る”ということができていないと。そのなかで依存症を取り上げ、典型的な例として「アメリカ人は朝、目覚めると興奮剤を飲んで気合を入れて出勤し、悲しみは抗うつ剤、怒りは精神安定剤で鎮め、バイアグラでセックスし、睡眠薬を飲んで寝る。今の精神状態が自然なのか、薬物で作られたものなのか分からなくなっていく」という話が挙げられていました。著者の「人があまり死なず、規範から解放された自由な社会、おカネさえあれば欲しいものが手に入る消費社会の副作用」との分析は同感です。

(15:15)

2010年08月03日

掛谷英紀
『学者のウソ』
ソフトバンク クリエイティブ
2007年2月26日
IMG_0963 初ソフトバンク新書です。なかなか読み応えがありました。改めて、世の中詭弁だらけだなと感じました。マスコミの常套手段として、誰もが納得する理念を前面に出し、反対する者に悪人のレッテルを貼るという封じ込め論法には注意しないといけません。世の中には、そうしたものから生まれた変な制度が多いですし、既得権益を守るために仕組まれていることが少なくないです。その点については、確かに可逆性テストが判断材料として優れていると思いました。エリートの堕落についても、かなり批判されていましたが、同感です。現在の科学が科学性を取り戻すためには、非線形性をどう捉え、処理するかが重要ですね。あとがきにあるとおり、真の主題は倫理問題であったように感じました。ただ、著者の主張する言論責任保障や先見力検定が成功するかは、謎です。

(15:46)

2010年07月16日

許光俊
『これからを生き抜くために大学時代にすべきこと』
ポプラ社
2010年3月18日
IMG_0796 大学1年生に、大学生活をどう過ごしてもらうか、どんなことを伝えればいいか、と考えていた春に購入していた本です。パラッと見ていたのですが、今回サラッと完読してみました。大学教員が言いたいことがすべて語られているような内容です。「そうだそうだ」と思いながら目を通しました。日々の指導にちょっとお疲れなこの時期に、少し勇気をもらったような気もします。本書で書かれていることくらいのことを意識して、大学生活を送ってもらいたいと願わずにはいられません。

(13:00)

2010年05月03日

近田政博
『学びのティップス』
玉川大学出版部
2009年11月30日
IMG_0431 玉川大学出版部の高等教育シリーズの1冊。3月に読んだティップス先生同様、大学での学びに関する本です。本書は、1年生向けに大学ではどのように学ぶのかを解説したものです。まあ、大学生がこれを読むとはあまり思えないのですが、一応心構え的な感じで読めば少しは意味があるかもしれません。個人的には、大学で勉強する前に『学問のすすめ』を読んでもらいたいと切に思います。齋藤先生の現代語訳がお勧め。

(21:33)

2010年04月24日

「学外活動」出版プロジェクト
『現役大学生による学問以外のススメ 実在学生21人による「学外活動」ドキュメント』
辰巳出版
2007年3月10日
IMG_0363 1回生に読んでもらおうと思っている本。指定したくせに、今読了。面白かったです。何事にも本気で全力で取り組むことが大切。そして、挫折も大切です。環境や過去のせいにして動かなかったら何も変わりません。自分と違う道を歩む人を理解しない人もいますが、やらずに否定するのはよくない。環境が変われば人は変わるし、人が変われば環境も変わるものです。第一、やりたいことなんて、そう簡単に見つかるものではありません。結果を追い求めるのではなく、原因を作り続ける、これが重要。学内での勉強も学外活動も本質的には一緒です。学外で学んだことは、必ず大学に同じものがあるもんです。実践してから戻ってくると、そこには理論がある。一度社会に出て、学びなおす時の吸収力の違いはここにあると思います。これからの方には、頑張ってもらいたいです。

(10:30)

2010年04月07日

R.P.ファインマン 著/大貫昌子 訳
『ご冗談でしょう、ファインマンさん(下)』
岩波書店
2000年1月14日
IMG_0225 ここのところ読書が滞っていました。1か月ぶりに読み終えたファインマンさん下巻、上巻と同様に面白く読めました。特に、カリフォルニア工科大学の卒業式式辞のカーゴ・カルト・サイエンスの話は、貴重な内容でした。“徹底的な誠実さ、己をごまかすことのない潔癖さ”、“研究をするうえで、細心の注意を払う努力を怠るなら、一時的な名声や興奮は得られても、科学者としては決して尊敬されない”。肝に銘じておく必要がありそうです。あと、専門家の報告を鵜呑みにせず、自分でちゃんと確かめるというのは、大量の情報にさらされた現代社会において、すべての人が注意すべき事柄だと思います。

(22:16)

2010年03月08日

池田輝政、戸田山和久、近田政博、中井俊樹
『成長するティップス先生 −授業デザインのための秘訣集』
玉川大学出版部
2001年4月15日
DSC05700 余裕がないせいか、BookDiaryの更新が止まっている今日この頃。読んでおきましょうと送付されてきた本を早速読んでみました。表紙、タイトルともに微妙ですが(ティップス先生は、もぐらでしょうか?)、中身はとても良かったです。大学教員向けに、こんなにわかりやすくて良質の本があるなんて正直思いもしませんでした。堅苦しくなく、簡易でわかりやすい上、構成もよく、非常に洗練された内容だと思います。まるで自分の心のつぶやきを見ているようでした。授業を受ける学生も大変ですが、講義する教員もなかなか苦労が絶えません。新年度から心を新たにして臨もうと思います。

(20:25)

2010年02月25日

R.P.ファインマン 著/大貫昌子 訳
『ご冗談でしょう、ファインマンさん(上)』
岩波書店
2000年1月14日
DSC05678 ↓にお勧めとあった1冊。1965年にノーベル物理学賞を受賞したリチャード・ファインマンの自叙伝です。かなり面白く読めました。興味のあることにトコトンな姿勢は、科学者に必要不可欠の素養だとつくづく思いました。知識をきちんと理解して、実際にあてはめて使うことの少なさ。「知っていること」を知らないということが、どれだけ多いことか、考えさせられました。あと、「教える」ことは、少しでも世の中に役に立っているという心の支えというのは、共感です。ただ、社会に役立つ発明を、と言われても途方に暮れますし、進まないときには罪悪感にかられるものです。

(00:21)

2010年02月15日

成毛眞
『大人げない大人になれ!』
ダイヤモンド社
2009年11月19日
DSC05653 MSの元社長さんです。結構、独りよがりな持論だと思いますが、これも“大人げない”の一例なのでしょうか。あまりに自由奔放過ぎるのも困りものですが、人が子供っぽさに魅力を感じるのは確かにそうだと思います。得てして、オトナはつまらない。とか言っている自分は、かなり保守的な人間です。でも、生来大人げない人です。そんな自分を抑え続けて生きています(みんなそうか)。何かを起こすためには、偶然の力を引き寄せるざっくばらんさが必要です。良いも悪いも含めて個性であり、いいとこだけの人間なんて胡散臭過ぎる。もっと自由に生きたほうがいいのかなって思いました。最後に、昔からの強く憤っているんですけど(世の中の仕組みとしてはしょうがないのですが)、他人と同じ尺度で評価されるのは、我慢なりません。

(21:31)

2010年02月09日

松平定知
『幕末維新を「本当に」動かした10人』
小学館
2010年2月6日
DSC05646 「その時歴史は動いた」を模したタイトルだと、松平さん。坂本龍馬、高杉晋作、小栗上野介、近藤勇、土方歳三、大村益次郎、榎本武揚、篤姫、和宮、岡倉天心の10人のエピソードです。岡倉天心は?ですが、まさに幕末維新の魅力ある人物が並んでいます。長州人でもある私は、もちろん幕末維新に熱いです。非常に楽しく読ませて頂きました。30を目前にして、30前後の短い生涯のなかで、維新を成し遂げた志士の姿をみると勇気と共に焦りさえ感じてしまいます。いい大人が言うことではありませんが、自分は何がしたいのか、自分は何をするべきなのか、自分は何ができるのか、考えさせられます。

(23:08)

2010年01月28日

原田曜平
『近頃の若者はなぜダメなのか 携帯世代と「新村社会」』
光文社
2010年1月20日
DSC05608 若ぶるつもりはありませんが、少なからず自らの感覚にかなり近いと思いました。“新村社会”とは、よく言ったもので、確かに一昔前と違って、今の若者はものすごく日本的です。空気がすべてと言っても過言ではありません。しかも、情報通信の発達によって、巨大なネットワークに組み込まれ、コミュニケーション能力も明らかに上がっています。しかし、調べものは検索で済ませ、図書館などでの魅力的な本との出会いを失っているというのは、先日読んだ『偶然ベタな若者たち』そのものです。体験もせず、情報を鵜呑みにして、わかった気になって行動しないといった、本書で言うところの既視感は、かなり危うい気がします。あと、下流化する上流も。それにしても、PCよりも携帯で打つ方が、速いしラクというのは、かなりカルチャーショックでした。

(23:29)

2010年01月22日

長山靖生
『『論語』でまともな親になる 世渡りよりも人の道』
光文社
2009年12月20日
DSC05583 最近、『論語』の本が多い気がします。昨今の強欲資本主義に対して、道徳を大事にしようというアンチテーゼなのでしょうか。自らを省みるのには、最適の教材です。ちょっと長いですけど、戒めにメモしておきます。「君子固より窮す。(大志を抱いて、自分のことよりも天下万民のことを思い、真実のために尽くそうとしているのだから、君子が物質的に困窮するのは、むしろ当然。)」、「子曰はく、古の学者は己の為にし、今の学者は人の為にす。(同じく道理を探求しようとしているとしても、昔の学者は、自分を高めたいという内発的な志でそれをしていたのに対して、今の学者は他人から称賛されたいという気持ちから、行っている。)」、「子曰はく、君子は言に訥にして行ひに敏ならんことを欲す。(立派な人間は、言葉は朴訥であってもよく(むしろ口数は控えめを心掛けるべき)、行動は敏捷であろうと努めるもの)」、「子曰はく、古者言をこれ出ださざるは躬の逮ばざるを恥づればなり。(古人が言葉を軽々しく用いなかったのは、自身の行動がそれに及ばないことを恥じる気持ちが強かったため)」、「子曰はく、其の之を言ふや怍ぢざれば、則ち之を為すや難し。(大言することを恥じる気持ちのない人間は(そもそも、それがいかに難しいかを慎重に検討していないので)実行するのは難しい)」、「子曰はく、君子は其の言を恥ぢて、其の行ひを過ごす。(立派な人間は、口先ばかりになりはしないかと恥じて、大言壮語や美辞麗句を控え、実際の行動のほうが少しでも言葉を上回るように努めるもの)」、「子貢君子を問ふ。子曰はく、先づ其の言を行うて而して後之に従ふ。(子貢が君子とはどんな人かを尋ねた。先生は言った。「まずその言わんとすることを実行して見せてから、後でものを言う人である」と。)」

(22:36)

2010年01月14日

河本敏浩
『名ばかり大学生 日本型教育制度の終焉』
光文社
2009年12月20日
DSC05562 下世話な本だと思っていたのですが、読んでみると結構“なるほど”でした。「ゆとり教育」とはよく言いますが、東大入試は、30年前から比較すると量も圧倒的に増え、質も圧倒的に上がっていて、ゆとり教育どころではないようです。つまりは、学力低下ではなく学力格差が問題なんだと。中学受験で地方国立大の入試より難易度の高い問題を解くという昨今、昔は浪人1年で逆転できた学力が、今や小学・中学の段階で絶望的な学力格差が広がっているようです。そこには構造的な問題があると思います。勉強=競争であり、競争のないところからは勉強が消え、競争を離脱した瞬間に勉強から離脱するという考え方。受験能力(一定の問題を効率よく解くこと)と偏差値のみにしか意識がいかず、自分で探求する学習なんてそっちのけです。受験能力の高い学生が、大学入学後に凄まじい勢いで勉強をやめていくとか。ちなみに、大学の専門教育の成績は、高校成績や入試成績に相関関係はなく、初年次教育との相関関係が強いそうです(学問は探究心、知的好奇心の賜物ですね)。受験に使わないから、この科目は勉強しないという論理に、違和感をもって高校生活を送った覚えがあります。

(23:19)

2010年01月08日

関沢英彦
『偶然ベタの若者たち』
亜紀書房
2010年1月10日
DSC05546 なかなか面白いタイトルだと思い購入。上手く言ったもんです。確かに、育った時代背景もあり、若い人たちは不確定なことは避け、リスクは最小限に減らす傾向があると思います。あと、医学等の発達した今日では、親は選べませんが、自分が望めば、大抵のことは実現可能で、「どうしようもない偶然」を甘受することが、なかなか難しいと思います。つまり、偶然に遇わないような生活をするとともに、偶然を受け入れづらい状態にあると。ちなみに、本書に偶然ベタの3タイプ(ぼんやりタイプ(気がつかない人)、かたくなタイプ(拒んでしまう人)、うじうじタイプ(迷い続ける人))を診断する偶然ベタ度チェックがあるのですが、私は“かたくなタイプ”でした。頑固な性格がモロに出ました。

(23:34)

2009年10月05日

山田マチ
『山田商店街』
幻冬舎
2009年3月30日
DSC05133 オビのコメントが賢太郎さんだったので買いました。アシスタントの方の本だそうですが、ラーメンズワールドと言えます。得られるものは何もないでしょうが、ラーメンズがお好きな方にはお薦めです。おもしろいよ

(21:22)

2009年09月27日

高田明和
『人生が開ける禅の言葉』
PHP研究所
2008年12月29日
DSC05104 本書は、身近な悩みをもとに、その対処を示されていて、とても読みやすい内容でした。苦渋に満ちた世の中で、自分を見失わないためにも悟りを得たいものです。「実力がつかないうちに人を救おうなどとすると、その争いに巻き込まれ、自分も一緒に沈んでしまう」、「体を動かしている最中に悩むことはできない」など、とても頷けました。“自分に一体何ができるか”なんて考えてしまうこともありますが、ものごとを客観的に見て判断したり、感情にとらわれずに善悪を判断できないうちは、人を救うことなどできず、かえってその人を不幸にするだけでなく、自分も不幸になるのは確かにその通りです。また、ちょっと時間があって一人で家にいると、いろいろ考えてぐるぐるしてしまうことはよくありますが、得てしていい方向にはいきません。体を動かすことで、そういう悪い流れを絶つのは良い方法だと思います。

(23:45)

2009年08月27日

唐沢昌敬
『複雑性の科学の原理 企業や社会を劇的に変える方法論』
慶應義塾大学出版会
2009年6月30日
20090827 とても示唆に富んだ内容でした。アノミーな感がある現代を、複雑性の観点から説得力のある説明がされている気がします。カオスから好ましい秩序を構築していくには、東洋が蓄積してきた人知を超えた気や理という上位の法則を意識した考え方に利があると思います。そして、西洋的な科学万能の合理主義の限界も示唆しているのかと。実験に基づく法則の発見、モデルを組んで将来を予測するような統計的分析は、物事の一部分を見ているに過ぎないわけで、自然科学においては有用なこの技法も、社会なり自然全体を対象とすると自ずと限界があるのは直感として誰もが思うでしょう。原理とメカニズムの解明を、上位の法則の存在を意識して進めていくことは重要と言えます。実態からかけ離れた金融経済の膨張は、上位の法則に反する典型的な行動と指摘されています。仏教・神道・道教・儒教を基礎とした基本的価値の体系の存在が、日本の優位性であると思います。

(22:12)

2009年07月31日

マルクス=エンゲルス、浜林正夫 解説、村田陽一 訳
『共産党宣言』
大月書店
2009年7月21日
20090731 この時期に“マルクス・フォー・ビギナー”なんてシリーズが出されるなんて、時代ですね。『蟹工船』に続けということでしょうか。ワーキングプアに代表される現代的貧困を搾取される労働者という視点で考えるのが、流行りのようです。「共産主義者に対する中傷とそれへの反論」や「社会変革の基本路線と課題」といった部分は、The 共産主義的でかなり偏ってるなぁと思わざるを得なかったですが、大局観はさすがだと思いました。基本的人権も保障されて、民主主義の今の世で、真面目な経営者が力を発揮できることは間違いなくいいことだと思います。ここで言う打倒ブルジョアは、昨今の金融危機で暴利をむさぼった人には当て嵌まるかもしれません(彼らは搾取者と言えます)。最後に一言。私、アカじゃないですよ。

(23:44)

2009年07月27日

小林賢太郎
『小林賢太郎戯曲集 STUDY ALICE TEXT』
幻冬舎
2009年3月30日
20090727 『大喜利猿』を買ったついでに、3月に出た戯曲集も買ってみました。ラーメンズの公演は、暗記してしまうほど観ていますが、文字で読むとまた違った感じがします。ALICEも好きですが、やはりTEXTの完成度が高いです。

(20:12)

2009年07月26日

小林賢太郎、升野英知
『大喜利猿 北海道』
河出書房新社
2009年6月30日
20090726 私としたことが、、6月末に出てるの忘れていました。例によって15分で完読。相変わらずくだらないです。

(23:00)

2009年05月27日

片岡義男
『なにを買ったの?文房具。』
東京書籍
2009年4月1日
20090527 こなだBell Commonsに行ったとき、CIBONEで買いました。文房具は、優れたデザイン、機能が凝縮したアイテムです。本書の魅力は、様々な文房具の写真が載っているところ。個人的には、ドイツのLYRAの製品に惹かれました。文章は、著者のこだわりというか、文房具に対する想いで、まあ流し読みでした。文房具は、気分よく作業するために、結構重要です。個人的には、ノートは結構こだわります。このノート使い切ったら自分カッコイイなぁとか。著者は、気に入ったノートを使わずともどんどん買っていらっしゃるようですが、私は使う分しか買いません。どんどん使いたいからどんどん使う。本もそうです。

(22:41)

2009年05月20日

DTPWORLD編集部 編
『文字は語る デザインの前に耳を傾けるべきこと』
ワークスコーポレーション
2008年7月2日
20090520 日頃、そんなにフォントを気にかけませんが、結構、映画のエンドロールや駅の看板とか、標識には目が向きます。本書は、文字のデザインについての内容なのですが、奥が深いなぁと感じました。おもしろい。日本語の文章って、ひらがな、カタカナ、漢字にアルファベットと様々な文字が入り混じっている数少ないものだというのも、言われてなるほどと思いました。ピクトグラムもわかりやすいなぁ〜と感心することもよくあります。そういえば、昔、絵を描くのは嫌いでしたが、レタリングは結構好きでした。あと、文字って性格出ますよね。

(23:48)

2009年04月06日

養老孟司
『読まない力』
PHP研究所
2009年3月2日
20090406 雑誌『Voice』の時評73個を収録した新書です。世間の諸相を養老さんの一歩引いた目で語られると“そうかもな”と思わされます。こういう本を読むと、日頃いかに情報に振り回されているかを省みることができます。でも、あまりに慣れていて、なかなか矯正できないのが残念なところ。勝手読み(自分の都合のいいようにと勝手に決めてしまう)や希望的観測ばかりしてしまう自分には、ホント反省です。最近、地に足が着いていないので、自分をしっかり持たないとなぁとばかり考えています。

(19:26)

2009年03月26日

村上龍
『無趣味のすすめ』
幻冬舎
2009年3月25日
3.26 特に趣味がどーこーという本ではないと思います。村上さんのモノゴトに対する考えが淡々と書かれています。とくに良いも悪いもない感じ。「集中と緊張とリラックス」について、緊張しているときは集中できないし、集中するためにはリラックスが必要というのはわかる気がしました。そして、集中にはリラックスして、かつ自覚的でなくてはならないというのは職人(プロ)の域だなと。的を射てると思ったのは、ダメな文章を書く人は、文章が下手なのではなく、そもそも自分が何を伝えようとしているのか自分で理解できない場合が多いということ(自分もそうです)とか、具体的なことを言わないリーダーは信頼できないとか。夢は、常に大っぴらに、屈託なく楽しそうに語れるが、目標は達成されるべきもので、語れるものではないというのも、ボクはそう思います。


(20:31)

2009年03月24日

ヒヨコ舎編
『机』
アスペクト
2009年1月7日
3.24 私は資料が山積みになってしまうタイプです。最近、2年ぶりに机の上を片しました。モノがないとなんて作業し易いのでしょう。本書はその分野では著名な13名の方の机が紹介されています。みなさん自分用にオーダーしたものでステキです。その人なりの仕事を通じてのコダワリとかが詰まっていて面白かったです。


(18:22)

2009年03月20日

竹内一郎
『「見た目」で選ばれる人』
講談社
2009年3月16日
3.20 この手の本は、書名から勝手にネガティブに捉えて、読むことはなかったのですが、どうやら誤解のようです。非言語情報の大切さを説く本であり、著者の本である『人は見た目が9割』は、非言語コミュニケーションという学問領域の入門書ということです。人の気持ちや性格は、表情や雰囲気に出てしまうもので、最近、心の余裕のなさがいろいろな場面で出てしまい困ってます。「他人の振り見て我が振り直せ」と言いますが、「自分の振り見て我が振り直せ」が重要だなと思いました。あと、形式的な見た目ではなく、にじみ出てくる見た目が大切だと感じました。「離見の見」を磨きたいです。

(05:21)

2009年03月16日

小池龍之介
『偽善入門 浮世をサバイバルする善悪マニュアル』
サンガ
2008年9月15日
3.16 少し前に著者の『「自分」から自由になる沈黙入門』という本を読みました。この著者、1978年生と歳が近いので親近感があったのですが、プロフィール見ると山口出身じゃないですか。さらに親近感up。最近、心に余裕がなくて悪いモノが溜まってよくないぁという気持ちから購入。つくづく自己コントロールの欠如を感じます。それにしても過去の悪い業(カルマ)が溜まっているようで、その報いを受けている感じです。特に偽悪の演出によるものが。「欲や怒りや愚かさ=迷いのような衝動的エネルギーに従って気持ち良くなるつもりで行動をしてしまいますと、結果として必ずや自分が苦しくなり、長期的に見ると嫌な出来事を引き寄せるという因果法則の真理」というのは本当に真理を突いています。邪なことを考える習慣を改善していかないと・・・。


(21:58)

2009年02月26日

竹内洋
『学問の下流化』
中央公論新社
2008年10月10日
2.26 著者の読書ノートといった感じの本です(コラムとして多くの読書日記も載っています)。明治以降の学問を巡る様々な人間模様が収められています。あと、日本人の平等感を「不幸の等分化」や「犠牲の平等」であるとか、日本を支えてきたのは庶民のリスペクタビリティ(立派であることの誇り)だとか、いろいろな人が語ったいろいろなことが紹介されていて飽きませんでした。面白かったのは、「秀才」とは、「自分のやっている事をいつも意義があることだと考えて、その虚しさなどということは思いも及ばない人間のこと」という解釈や「科学者に代表される専門家」について、「自分の専門以外の広大な領域について、無知者としてふるまうのではなく、知者のようにふるまう。かくて専門家こそ、たちの悪い大衆だ」という指摘。旧制中学校教師数の2倍に膨れ上がってる大学教員数が「高いとおもっているが低いのは、今の大学教授の教養」と言わせているのか。タイトルも含め、耳の痛い内容が多かったです。

(01:31)

2009年02月12日

宮台信司
『14歳からの社会学』
世界文化社
2008年11月25日
2.12 最近ぐるぐるしてます。哲学の次は、社会学です。宮台さんの本は始めて読みました。今の社会について考えるには、とても読みやすくていい本だと思います。最近、日本の民主主義が衆愚政治になってやいないかと強く感じます。“みんなで決めたことがいいルール”が当てはまらない気がしてなりません。社会を見渡せるエリートはいないものでしょうか。あと、「単純なものを好む君は、何かをかくされてしまう。」という言葉に、ちょっと考えさせられました。

(20:47)

2009年02月05日

ザロモ・フリートレンダー著/長倉誠一訳
『子どものためのカント』
未知谷
2008年4月25日
2.5 タイトル通り、子供向けに書かれた本なのですが、まず読みこなせない気がします。序文と第3章はかなり苦労しました。本書は、カントの哲学が遺憾無く語られているとのこと。とかく、道徳を説き、不道徳への批判が繰り返されています。小さいうちに、本書にあるような道徳をしっかり説かせておけば、確かに世の中も少しは良くなるかもしれません。ただ、その徹底ぶりは強烈です。会津日新館の「ならぬことはならぬものです」を連想しました。あまり、道徳的禁止を徹底すると思考停止に陥るような気も(哲学していれば、そんなことはないですけど)。しかし、道徳的視点から、明らかにおかしなことが当たり前になってしまっている世の中を再考させられました。それにしも哲学は難しいです。

(17:07)

2008年12月22日

ビートたけし
『貧格ニッポン新記録』
小学館
2008年10月6日
12.22 ビートたけしらしい、とても下品な内容です。上野動物園のリンリンが死んだニュースに関して「「安らかな顔で死んでいった」なんて書いてあるところがあったけど、そんなのどうして分かるんだかさ。パンダの安らかな顔って、パンダが怒った顔をしてるのを誰か見たことあるのかって話だろ」ってのは、ちょっとウケました。“確かに”って。正直、読むことをお勧めできる本ではないですね。そこら辺の報道や世論を鵜呑みにしない感性というのは、必要ですけど。どうしようもなく塞ぎ込んでいる人には、読むと悩みがどうでもよくなるかもしれません。

(22:59)

2008年12月17日

浅野智彦 編
『検証・若者の変貌』
頸草書房
2006年2月15日
12.17 社会学系の論文集です。アカデミックなものであるからか、少々読み辛い(面白くない)部分もありました。若者をネガティブに捉えるのは、古今東西変わりがないわけですが、その語り口に対し、統計データをもとに一石投じようという内容です。今日の情報社会において「親密さ」について多元的な要素のうえに成り立っているのは確かだと思います。それは、友人関係の多様性であり、ネットが介在するからといって希薄化しているとは一概に言えないものです。むしろ、様々な状況ごとに、関係を柔軟に使い分けながらサバイバルせざるを得ないという状況があると思います。関係の多様化、流動化によって、求められるコミュニケーション・スキルはむしろ過去よりも上昇しているのではないかと。また、他者への配慮の欠如、公共性の衰退は、統計的に昔と変わらないと結論付けています。確かに、街で見かけるマナー違反は若者に目が向きがちですが、大の大人のものもかなり目にします。自分らしさを追及することが、自分らしさを確定することを妨げているというのも頷ける内容でした。ほぼ若者擁護論ですね。

(23:26)

2008年12月11日

恒吉僚子
『子どもたちの三つの「危機」』
頸草書房
2008年8月10日
12.11 教育系の専門書の部類に入るのでしょうが、とても面白く読ませて頂きました。日本の教育が国際的に評価されている点(均質な高学力の育成力が高い、人格形成力に優れている、授業の研究力が高い、教育に貢献する文化が存在する)を学力、社会性、価値という3つの観点から論じられています。クレーム社会、訴訟社会、教育消費社会と言われる昨今、日本独自の全人教育が崩れつつあることは確かだと感じます。個人的には、絆を強調し、学校を集団への自発的同調を学ぶ場と位置付けることに、一定の理解を持っています。また、一般大衆の義務教育の一環としてのモーレツな部活動もそのなかでスポーツマンシップ、協調性、リーダーシップ等を学んだ私にとって、非常に重要かつ優れた点だと思っています。確かに、過度な活動日数、精神主義・根性主義、古い上下関係や逃れることのできない集団統制という側面もありますが、それに勝るものがあるはずです。それが、日本の秩序を守ってきたのだと思いますし。あと、初等教育での能力別指導は、確実に害のほうが大きいと思っています。絶対にいろんなレベルの生徒が一緒に学んだ方が良いに決まってると。最後に、本書のP194の図は非常に示唆に富んでいると思いました。

(23:52)

2008年12月05日

熊沢誠
『若者が働くとき』
ミネルヴァ書房
2006年2月20日
12.5 様々なアンケート、統計資料をもとに若者の労働事情と改善への提言がうまくまとまっていると思います。確かに、今の若者は、忍耐性においてハングリーな時代に育った旧世代に劣るかもしれませんが、だからといって、休みの取れないほどのゆとりの欠如やサバイバル的な競争ムードを忌避する感性を否定することはできません。働くということは、国民の義務であり、生活の土台です。みんなが安心して暮らせる社会を作るためには、本書にあるゞ囘待遇(同一価値の労働には同一時間給を支払う)、▲侫襯織ぅ燹櫂僉璽肇織ぅ犂屬料蠍濺彰垢硫椎柔、M期雇用契約を企業に許す条件の厳しい設定、ぜ匆駟欷韻粒搬臈用といった提言は、非常に共感を持ちます。非正規で生活している私にとっては ↓い論攫造任后昨今の雇用情勢の悪化からも、労働組合によって職場を住み良くするという発想を改めて考える必要が出てきているようにも思います。

(01:47)