文春文庫

2018年11月25日

堀栄三
『大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇』
文春文庫
2015年8月20日(電子版)
20181124 時間のない中でも読めた1冊。30歳で大本営参謀になった堀さんの手記です。読み応えがありました。日本の敗戦を情報戦の視点で書かれています。軍事の問題に限らず、政治、教育、企業活動にも通じる内容だと思います。指導者の戦略の失敗は、戦術や戦闘で取り戻すことは不可能であると述べられています。枝葉と根幹(特殊性と普遍性)を見極めることの大切さ、真の情報を顧みずに一握りの専断で行われる組織の危うさを痛感しました。トップの責任というのは、非常に重いものです。日本では優秀な人材が中心になって動いて、組織はしばしば建前になる例が多いというのは、精神論に傾く日本の組織文化があるように思います。

(10:38)

2014年11月02日

與那覇潤
『中国化する日本 増補版 日中「文明衝突」一千年史』
2014年4月10日
文藝春秋
IMG_1072 ↓で読んだ『国家』に通ずるものがあるように感じました。人間の思考とは単純なものです。TVでたまに見かける與那覇さん、発言はいかにも東大卒な雰囲気で、本書もそうなのですが、内容はとても面白かったです。内心違和感のあった部分を、わかりやすく解明されているように感じました。抽象化こそ学者の仕事ですね。最後の宇野さんとの対談にあるのですが「平家・海軍・外務省、都市・リベラル・インテリが負け組になる理由」というのが、本書の内容だと思います。形状記憶合金が入っている「江戸時代化」の日本人気質は、そうは変わりそうにありません。言いようによっては、社会全体でうまくバランスをとっているようにも見えます。ただ、弱肉強食の時代をこのままでどこまで生きていけるのか、なかなか答えは見えてきません。

(23:13)