文芸書

2016年08月22日

太宰治
『走れメロス』
新潮社
1967年7月10日
IMG_6355 また太宰に手を出してしまった。そんな感想です。大学が夏休みに入って、本屋に行ける時間が取れたことで、手に取ってしまいました。今回は、初期1編、中期8編ということで、これまでの後期作とはまた違った感じでした。「駆け込み訴え」は特によかったです。「女生徒」は女性が主人公だったせいもあるのか、『斜陽』のかず子を思い出しました。全体として相変わらず、自身の自叙伝的な背景と内容ですね。そして、個人的な印象として中二要素が強いというのも相変わらずでした。余裕のある時に、また読みます。

(17:50)

2016年08月12日

星新一
『ノックの音が』
新潮社
1985年9月25日
IMG_6103 「たまには星新一とか読んでみたらどう」という勧めで手に取りました。ショートショートというジャンルでとても読みやすくて、ものの一瞬で完読。気分転換にはいいなと思いました。小説を読まない私も最近は朝夕刊の連載小説を読むようになりましたが、そんな気楽さがあります。「ノックの音がした。」から始まる15編の短編で構成されています。サスペンスなんて全く読んだことがないのですが、おそらく本書のようなものをいうのでしょう。一種、ホラーみたいでしたが。云々かんぬんで、最後に「キャー」みたいな。星新一はSF作家らしいので機会があれば、そっちも読んでみようと思います。SFも読んだことがない。

(12:04)

2015年11月02日

太宰治
『斜陽』
新潮社
1950年11月20日
IMG_9755 『斜陽』にしました。薄かったので。女性が主人公ということで↓の2作と趣が違うように感じました。相変わらずの厨二感もよかったです。「かず子べったり」や「かず子がっかり」といった戯けたやりとりもよかったです。「ギロチン、ギロチン、シュルシュルシュ」は一度家でやってみようと思います。明るさにのなかにある暗さ、暗さののなかにある明るさ、世間という社会に仮面を被りながら生きる人間の屈折した様や生まれに付き纏うアイデンティティーといった内面に迫る内容は、太宰作品の魅力ですね。また機会があれば読みます。

(13:25)

2015年10月21日

太宰治
『人間失格』
新潮社
1952年10月30日
IMG_9610 少々かぶれているようです。『人間失格』を購入。↓をさらに晒け出した人間の内面に迫る自叙伝的内容は、文学青年を陶酔させ、熱狂させるのも頷けます。解説にもあるように「自分ひとりに話しかけられているような心の秘密を打ち明けられているような気持になり、太宰に特別の親近感をおぼえる。そして太宰治は自分と同じだ、自分だけが太宰の真の理解者だという同志感を持つ。」ちょっと厨二入っているようにも感じ、若くして自死した太宰への当時の熱狂ぶりは、尾崎豊を連想させるようでもありました。とは言え、この純粋さゆえに転落してく様は趣深いもので、大変魅力ある作品でした。次は何を読もう。

(17:21)

2015年10月15日

太宰治
『ヴィヨンの妻』
新潮社
1950年12月20日
IMG_9545 暗鬱な心を扱う文学といえば太宰かな、ということで購入。短編小説8本で薄かったので本書をチョイス。『放哉と山頭火』の廃人っぷりに続く素晴らしきダメ夫の数々で大変面白かったです。ダメな知識人というのに、どうも魅力を感じてしまいます。現実的には全く関わりたくありませんが。個人的には、それぞれの小説の最後の下りが気に入っています。太宰治、気に入りました。かぶれない程度に読んでいこう。

(18:03)

2015年09月15日

渡辺利夫
『放哉と山頭火 死を生きる』
筑摩書房
2015年8月25日
IMG_9155 ふと新聞の書評で見かけて購入。思いのほか面白く読みました。俳人ならぬ廃人と言われる自由律俳句の巨星である放哉と山頭火の酒浸りのダメダメ度と昇華された自由律俳句が人間の深い業を儚くも美しく表現していることに心を揺さぶられずにはいられない、といった感じでした。こういった人間に住まう暗鬱な心を扱う文学に少し興味を持った次第です。こんな破滅的な人生はまっぴらだとは思いながらも、どこか羨ましく感じるところがまた魅力なのでしょう。辞世の句がとてもいいです。「春の山のうしろから烟が出だした(放哉)」「もりもりもりあがる雲へ歩む(山頭火)」

(14:37)

2015年06月03日

森見登美彦
『聖なる怠け者の冒険』
朝日新聞出版
2013年5月30日
IMG_7617 1年ぶりの小説、1年ぶりのモリミーのようです。内なる怠け者と対峙しながら読み終えました。読んでいる間、八兵衛明神にお参りに行ったり、近くの小汚い居酒屋で呑んだり、古びた喫茶店でまったりしたり、糺ノ森を歩いてみたり、振り返ると物語の舞台を楽しんでいました。そう言えば、宵山に行ったのは何年前のことでしょう。さて、この物語は朝日新聞夕刊で連載されていたものを丸ごと1本書き直したものだそうです。新聞の連載小説なんて、誰が読むんだと昔は思っていましたが、いつの間にか読むようになっていくらか経っています(毎日の儀式のようなもの)。モリミーの連載なら、ONE PIECE並に楽しみにして読むんですが。結局、全く内容に触れませんでしたが、まあ楽しく読みました。四畳半神話体系的な話が好きな方はどうぞ。

(15:19)

2014年05月05日

森見登美彦
『四畳半神話体系』
角川書店
2012年9月1日(電子版)
20140505 遡ると約4年ぶりの森見作品。いつかの角川のKidleセール時に落としたのがiPhoneに入っていました。『四畳半神話体系』って、初版は2005年なんですね。ってことは、『夜は短し〜』よりも古いらしい。いつも通りの登場人物、団体、内容と思いながら読んでいましたが、比較的元祖な話なのね。アニメ化もされている作品です。昔、深夜に見かけた記憶があります。私、鈍いので3週目くらいでようやく意味がわかってきて、最後にはなるほどね、でした。たまには小説もいいものです。森見さんの京大を舞台にした作風は、相変わらずノスタルジックでした。

(20:55)

2013年05月15日

松浦弥太郎
『日々の100』
青山出版社
2009年3月29日
IMG_9550 「暮しの手帖」編集長の書き下ろしエッセイです。小物を中心に、身の回りにある愛着のあるモノ、大切にしているモノなどを100個取り上げて、写真とともに紹介されています。とても人間味のある内容で、忙しいなか息抜きに読んでいて、ほっこりした気持ちになれる1冊でした。自分でも身の回りにあるもので、ちょっとしたこだわりや大切なものを写真と文章でまとめてみるのもいいな、と思いました。いいモノに囲まれることは、人生を豊かにしてくれます。なんてことのない普段の生活ひとつひとつに、ちょっとしたエピソードが紹介できる人って素敵ですよね。最後に“僕のこと”ということで著者の経歴が載っているのですが、かなり変わった経歴の方で、それも魅力的だと感じました。

(13:11)

2013年03月17日

小説の一行目研究会
『小説の一行目』
蠅靴腓Δい鵝、┘▲廛螻発:螢▲疋戰鵐船磧
2013年1月17日(アプリリリース日)
IMG_8547 iPhoneアプリで落とした書籍(?)です。昭和10年から平成24年上半期までの芥川賞、直木賞の全受賞作品325作の最初の1行目を収録しています。著作権に触れずに、よくこれだけの数の作品を収録したなぁと思ってしまいます。数文字のものから、3ページに渡る長文まで、実に多彩で想像力をかき立ててくれる文章でした。個人的には情報量の少ない短文の方が読んでいて刺激的です。世の中には変わるものと変わらないものがあると思うのですが、文章(小説)というのは、どの時代も変わらないもので、いつの時代も人は皆同じことを考えているのだなぁと感じました。きっと、1000年後もベストセラーは恋愛ものなのかもしれません。出身高校には、蘯のぶ子と伊集院静の芥川賞・直木賞作家がいるのですが、やはり目に留まるものです。『光抱く友よ』は、防府を思い浮かべました。

(22:50)

2012年04月30日

宮崎駿
『シュナの旅』
徳間書店
1983年6月15日
IMG_3307 心斎橋のSTANDARD BOOKSTOREにあったので購入。ナウシカの原点といった感じの内容です。主人公のシュナ(少年)もテナ(少女)もナウシカと見間違えます(笑)。原作はチベットの民話だそうです。中身は絵物語。あとがきに「現在の日本の状況では、このような地味な企画は通るはずもありません。」と書かれてありますが、今ならいけるかも。とか思ってしまいます。ナウシカ(原作)は重過ぎるので、このくらいコンパクトな内容はいいのでは。ちなみに研究室にはナウシカ全巻揃ってます。読めますよ。

(11:00)

2011年08月10日

大江健三郎
『あいまいな日本の私』
岩波書店
1995年1月31日
IMG_3935 久々に岩波新書読みました。心斎橋のSTANDARD BOOKSTOREで目にして、読んでみようかと思い購入。最近軽い本ばかり読んでいたため、久々の文章らしい文章にちょっと読むのに時間がかかりました。内容は、大江さんのノーベル賞受賞記念講演などの講演集です。読んでいて、いかにも旧世代、という感を持ってしまうのですが、それはそれで味があります。思想が強く反映されている内容だなぁとも。あと、自分の教養のなさを痛感するとか。正直、文学評論はさっぱりです。

(11:14)

2010年07月27日

森見登美彦
『ペンギン・ハイウェイ』
角川書店
2010年5月30日
IMG_0937 久々のモリミー。森見さんの小説は、読みやすいし、自分にフィットするので好んで読んでいます。今回は、大学生ではなく小学生が主人公というところがいつもと違いますが、研究熱心な主人公と、好意を寄せる不思議な女性という登場人物は不変。小説を読むあたり、少し心に余裕が戻ってきているかなという今日この頃。楽しませてもらいました。

(18:32)

2009年10月26日

森見登美彦
『宵山万華鏡』
集英社
2009年7月10日
DSC05258 多忙につき現実逃避。久々に小説です。しかも、森見さん。いつも通り、京都を舞台に繰り広げられるファンタジーな物語でした。鯉やらゲリラ演劇やら、相変わらずのヘンテコな登場人物とお馴染みの内容です。森見さんの描く世界は、私にとてもフィットしているのでよいです。

(23:10)

2009年07月27日

小林賢太郎
『小林賢太郎戯曲集 STUDY ALICE TEXT』
幻冬舎
2009年3月30日
20090727 『大喜利猿』を買ったついでに、3月に出た戯曲集も買ってみました。ラーメンズの公演は、暗記してしまうほど観ていますが、文字で読むとまた違った感じがします。ALICEも好きですが、やはりTEXTの完成度が高いです。

(20:12)

2007年12月02日

森見登美彦
『【新釈】走れメロス 他四篇』
祥伝社
2007年3月20日
12.2-1 また、モリミーです。この人の小説は基本的に舞台がどの小説でも同じで(※今のところ)、どっかの主人公や登場人物がちらほら出てきます。出来事もそれとなく出てきます。「詭弁論部」に「パンツ番長戦」、「ゲリラ演劇」に「象の尻」など、もうお馴染みの単語がでるわでるわ。本書は5篇構成で、それぞれ原典をこの人なりに現代に置き換えた短編集です。個人的には“藪の中”が一番好きかも。“走れメロス”と“桜の森の満点の下”もよかった。


(19:37)

2007年11月25日

森見登美彦
『太陽の塔』
新潮社
2003年12月10日
11.25-1 軽く1ヵ月半は本を触っていませんでした。読める余裕が出てきたので近所の書店でとりあえず買ってみたのが本書。めずらしく小説。『夜は短し歩けよ乙女』の人のデビュー作らしいのですが、凄まじい妄想の展開というか、かなり引いてしまう内容でした。まあ、それなりに楽しめたのも事実ですけど。「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。」こういう勘違いな人は、小説のなかならまだしも、実際にいるもんで困ったもんです。


(23:29)

2007年07月07日

森見登美彦
『夜は短し歩けよ乙女』
角川書店
2006年11月30日
7.7 表紙&タイトルで買いました。中村佑介さんのイラストは好きです。小説のハードカバーは、おそらくbook diary史上初です。こんな本がここに出てくること自体、誰も予想しなかったことでしょう。非常にひねくれた心の持ち主の私、奇想なものが好物な私には実に絶妙な表現や内容で非常に楽しめました。舞台の四条・京大界隈は少し思い入れのある場所なのでそれもとてもよかったです。研究論文もいいけど、こういう小説書くのも意外とありかもしれません。

(22:49)

2007年06月02日

吉田熙生編
『中原中也詩集』
新潮社
2000年2月25日
6.2 珍しく文学系の本を手にとってみました。しかも詩集。どーいう心境の変化でしょう。同郷の中原中也です。内容について、あーだこーだいうことは何もないんですけど、韻がふまれた日本語というのはいいものですね。なかには訛りの入ったものもあって、なんか郷愁も沸きつついい感じで読んでいきました。実用書しか読まない私にとっては、とても不思議な感じ。しかし、詩というのは言い得て妙なもので、すごく心に響く文章表現です。私の固い頭ではなかなか理解し難いですけど。同郷の詩人では、金子みすずなんかもいいです。


(04:48)

2007年04月22日

小林賢太郎
『小林賢太郎戯曲集』
幻冬舎
2007年4月10日
4.22 文庫化されるとは。ついつい買っちゃったじゃないか。観るのと読むのとじゃ、結構感覚違った。意外に読むほうがおもしろかったり


(23:27)

2004年11月06日

ゲーテ作/竹山道雄訳
『若きウェルテルの悩み』
岩波書店
1951年4月25日
11.6 よかったです。『修業時代』や『遍歴時代』と比べて精神的なレベルとしては低い内容ですが、青年のもつ複雑な心がよく表されていると思います。最後に解説がついていますが、こっちのほうが意外に面白かったような気もします。どうも私は途中に出てくる挿話が苦手です。私の脳みそはそんなに柔らかくないんで。ゲーテがこれを書いたのが25歳。納得です。歳とってこんな話を書いていたら、未練がましいし、ちょっとどうかとも思います。本人が読み返したくないのもよく分かる。『修業時代』や『遍歴時代』は、青年が見る世界なんかより桁外れに広く、内容も深いです。

(22:09)

2004年11月03日

柴崎友香
『きょうのできごと』
河出書房新社
2004年3月20日
11.3 映画を観たので原作を読んでみました。日テレ系列のニュースではありません。映画を観て原作を読むこと自体が初めてでした。こういう本を読むのも。別にこの映画が凄くいいということでもないですけど。何が起きるわけでもない平凡な映画です。個人的にはこういうの好きなんですけど。ハリウッドみたいなドッカンドッカンやるのよりは。原作も映画と基本的には変わらないというかほぼ同じでした。台詞まで。壁に挟まれた男と鯨の座礁がないだけで。最近観た映画で面白かったのは、“恋の門”かな。“茶の味”もよかった。あと、“笑の大学”が観たい。

(03:54)

2004年10月28日

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(下)』
岩波書店
2002年4月16日
10.28 これでとりあえず、全巻制覇しました。でも、なんだこの終わり方は。っていうか、これで終わりなのだろうか。ん〜、どうなんだろう。この下巻も例のよって最後の70ページ弱が182つの文章がずらずらと載せてあります。全体を通して感じたことは、ゲーテはいろいろとよく考えていた人だということです。これだけの内容を含ませながら小説をまとめることは凡人にできるものではないですね。全巻制覇といいましたが、『若きウェルテルの悩み』は『修業時代』や『遍歴時代』と繋がりがあるのかな(そうだったら、まだですね)。次は、これを読んでみるか。

(16:14)

2004年10月22日

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(中)』
岩波書店
2002年3月15日
10.22 意外に近くの本屋にありました。“遍歴時代”は、手紙が多いです。あと、この巻においては、ひとつの話(章)が非常に短い(特に最後にかけて)。それはそれで読み易いですが、短過ぎるとさすがに内容が乏しい。あと、この本の231〜295ページは、「遍歴者たちの精神による考察」と題して、とても意義深い文章たちが177つ載せてあります。こんな便利なものがついてくるとは。しかし、この部分を読んでいるとこの本の内容の濃さが分かりますね。

(21:19)

2004年10月15日

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(上)』
岩波書店
2002年2月15日
10.15 『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』の続きです。この本を読んでいると「幸せ」を「仕合せ」と書いてあることに気付きますが、広辞苑を引くと、どうやら「仕合せ」の方が正式なようです。へえ〜。さて、この本。読み終えたのはいいですが、次が手許にないです。どうも、人気がないようなので余程大きな本屋じゃないとないみたいです。あっても遍歴時代までですね。この本の特徴ですが、いきなり挿話が入るとどうも調子が狂います。感想としては、修業時代の方が面白かった気がします。

(21:58)

2004年09月24日

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(下)』
岩波書店
2000年3月16日
924 とりあえず、一通り読み終わりました。とてもためになる本です。お奨めします。基本的に私は、物語などで人の名前を覚えるのが苦手です。特に横文字の。誰が誰だかわからなくなることが度々あります。今回も例に従い、しばしば。実際、今も多少混乱が残ってます。この『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』には、続編として『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』という本がありますが、とりあえず『修業時代』で一端休憩しようと思います。続きはいつか読みます。

(23:52)

2004年09月19日

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(中)』
岩波書店
2000年2月16日
919 前にも言いましたが、ゲーテが複式簿記を賛美したといわれる原典です。その記述は上巻ですでに出てきてしまいましたが、そんなことより本の内容がとてもいいです。ゲーテ自身の哲学が凝縮された内容になっています。ドイツ人の男性らしい記述な気もしますが、私にはかなりの共感をもつことができる内容です。特に、主人公のヴィルヘルムや友人ヴェルナーは、とても共感がもてます。両者は両極端な人間だけど、人間両方の考え方を持ち合わせているものです。私もそうですし。ただ、いまのところ第6巻の内容はなんだったのかよーわからんです。残すは下巻のみ。さぁーて、さっさと読み終えてしまうか。

(20:00)