山田昌弘
『なぜ日本は若者に冷酷なのか』
東洋経済新報社
2014年1月1日(電子版)
07 山田先生の本は久しぶりです。10年くらい前に「パラサイト・シングル」や「格差社会」という言葉が流行った頃によく読んでいました。当時の状況から2015年の現在は、さらに将来的な展望が厳しい時代になっていると言えます。本書は、雇用や社会保障において、中高年に手厚く、若者が冷遇されている現状への警笛が詰め込まれていると言えるでしょう。変える必要はわかっているけれど、一向に変わらない制度や風土が、今後どんどん我々やその下の世代に大きな重しとなって顕在化していくことは明らかです。流行り廃りはこれほど猛スピードで変化しているのに、昔ながらの正社員像や新卒一括採用、家族観といったいわゆる日本的価値観は、なかなか変わらないものですね。