古市憲寿
『だから日本はズレている』
新潮社
2014年10月17日(電子版)
古市君の本を手に取るのは初めてだと思います(たぶん)。本というよりブログを読む感覚(内容も含め)でした。雑誌記事の寄せ集めのようなので、そんなもんなのでしょう。豊かで平和な日本では、結局はみんなそこそこ幸せに生きていることが、先送りというこの国を蝕む根底にあるのでしょう“おじさん”も“若者”も総じて他人任せです。監視社会の有用性については、個人的な嫌悪感さえ克服すれば、それなりに世の中がスマートになるのではないかと思います。人間には無理かもしれませんが。イニシエーション・セレモニーなる入社式、“社会人”なる謎の存在に対して、脱サラ・フリーター・フリーランスという自由な生き方は、自由に生活したいというみんなの憧れによる普遍的なものなのでしょう。コンサマトリーな生き方が進んでいくかはわかりませんが、静かな革命が世の中を変えていくのだと思います。本を読んでいて、一極集中もありだなと思えてくるところがまた、平和ボケなのかもしれません。最後に、「学問」が人の上に人を造るというのは、福沢諭吉の真意であり、間違っていないと思います。
『だから日本はズレている』
新潮社
2014年10月17日(電子版)
