2022年03月

同調圧力の正体

太田肇
『同調圧力の正体』
PHP研究所
2021年6月29日
20220329 同調圧力の正体とされる「閉鎖性」「同質性」「個人の未分化」は、まさに田舎だな、日本社会だな、いじめの構造に似ているな、と思いました。建前と本音のダブルスタンダードの中で、外面と内面を使い分け、空気を読んで和を乱さないよう周囲に同調する。私自身もそうやって社会生活を過ごしていますし、もっとしっかり自己主張をと言われても、そう簡単なものではありません。ここは日本なのです。コロナ禍で日本社会の特異性が炙り出されたように思います。同質性を崩すためには「異端者」を入れることが有効であり、異端者の力が同調圧力を跳ね返すための「閾値」を超えると空気が一変すると述べられていました。若者を中心に多様性への理解は進んでいるので、多くの集団で同調圧力(違和感)を吹き飛ばせるだけの異端者が増えるといいなぁと思います。ただ、その新しい風でさえ、新たな同調圧力となるのが日本だったりするんですよね。

「承認欲求」の呪縛

太田肇
『「承認欲求」の呪縛』
新潮社
2019年2月22日
20220327 この後に続く『同調圧力の正体』とともに読んでいて自分はつくづく日本人だなぁと思い知らされる内容でした。日本人がおかしなことをするときは、閉鎖的な組織と濃厚な人間関係(固定した上下関係)の中で共同体に対して忠実に振る舞おうとするときだと思います。そういう香りのする組織には近づかないことです。再発防止に向けて形式を強化するような過度の確認やアカウンタビリティは、逆に上下関係の強化や当事者意識の希薄化を招き、逆効果になるのは実感します。目標やキャリアは周囲からずらして、競合するライバルが少ない職場を選んで就職、転職する方が成功するケースが多いと書いてありましたが、経験的に私もそうだと感じます。レッドオーシャンで勝ち続けるのは本当に大変です。プレッシャー=(認知された期待ー自己効力感)×問題の重要性という式があったのですが、幸い“問題の重要性”部分に鈍感力が発揮されているようで、鬱にならずに生きているように思いました。何にせよ、ほどほどにすることが肝要です。

ミライの武器

吉藤オリィ
『ミライの武器 「夢中になれる」を見つける授業』
サンクチュアリ出版
2021年5月15日
20220321 約1年ぶりです。解析待ちに読みました。購入したきっかけは忘れました。郷に入れば郷に従ってしまう私には、真似できない生き方をされていると思う次第ですが、書かれている内容には同意します。私も世の中は何も完成していないと思うし、違和感を大事にしたいです。どの経験がどんなふうに活きてくるかなんて誰にもわからないと心底思うし、だからこそ周囲の意見に振り回されないことは大事で、大きな意思決定は自分の考えに従うべきでしょう。「こうあるべき」「〜すべき」という考えは、何かと自分らしい人生を遠ざけてしまいがちだと思います。そうは言っても、自分らしさや得意なもの、好きなものがよくわからないと言われそうです。それはいろいろやってみるしかありません。なんでもやってみなければ、わからないことばかりと、今解析を繰り返しながら感じています。食べてみないと好きかどうかわからないものです。
Archives
記事検索
最新コメント