2018年11月

2018年11月25日

堀栄三
『大本営参謀の情報戦記 情報なき国家の悲劇』
文春文庫
2015年8月20日(電子版)
20181124 時間のない中でも読めた1冊。30歳で大本営参謀になった堀さんの手記です。読み応えがありました。日本の敗戦を情報戦の視点で書かれています。軍事の問題に限らず、政治、教育、企業活動にも通じる内容だと思います。指導者の戦略の失敗は、戦術や戦闘で取り戻すことは不可能であると述べられています。枝葉と根幹(特殊性と普遍性)を見極めることの大切さ、真の情報を顧みずに一握りの専断で行われる組織の危うさを痛感しました。トップの責任というのは、非常に重いものです。日本では優秀な人材が中心になって動いて、組織はしばしば建前になる例が多いというのは、精神論に傾く日本の組織文化があるように思います。

(10:38)

2018年11月13日

山口周
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」
光文社新書
2017年7月20日(電子版)
20181113 過去最多のブックマークなのではないかという1冊。示唆に富んでいました。結構衝撃的だったのが、アカウンタビリティに対する批判です。過度に「合理的な説明可能性(アカウンタビリティ)」を求めすぎると、意思決定のプロセスにおけるリーダーの直感や美意識はほとんど発動されず、結果的に意思決定の品質を毀損する、アカウンタビリティは「無責任の無限連鎖」になるという言説です。アカウンタビリティ信奉者の私には、難しい問題だなという印象でした。さて、本書の概要は、サイエンス重視(論理と理性)に偏った経営は、必ず他者と同じ結論に至り、レッドオーシャンでの戦いになり、延長線上にストレッチした数値目標を設定し、現場のお尻を叩いてひたすら馬車馬のように働かせるというスタイルに至り、行き先が見えないままにただひたすらに死の行軍を求められている状況に陥るということでした。また、経営に関わる人たちの美意識がほとんど問われず、計測可能な指標だけをひたすら伸ばしていく一種のゲームのような状態は、今日の続発するコンプライアンス違反の元凶となっているということでした。結果的に、過去の優れた意思決定の多くは、「感性」や「直感」に基づいてなされていて、美意識(真・善・美)が大事だというオチなのですが、詳しくは読んでみてください。

(00:38)