石川幹人
『なぜ疑似科学が社会を動かすのか』
PHP研究所
2016年3月3日(電子版)
20160520 同じ流れでiBooksからの1冊。世の中、実しやかに囁かれていることが全く真実とかけ離れているということが多過ぎます。本書に「根も葉もないことはふつう誰も信じない」の前提の方が間違っていて、根も葉もなくとも信じたいことがよくあるというのは言い得て妙です。論理的な説明よりも、感情に訴える物語のほうが人々を操作しやすいのは、まさにその通り。科学は反証可能性がないと成り立たないのは言うまでもないのですが、なぜ疑似科学がここまで世の中に影響を与えているのでしょう。論理的思考が鍛えられていると、疑似科学の類に騙されずに済むかもしれないのですが、なかなか人間というのはそこが苦手なようです。本書では、疑似科学の例を交えて、科学とは何か、疑似科学を信じてしまうのはなぜかについて書かれてあります。「それも神の思し召し」と万能理論様々では、騙されてしまいます。