2015年10月

人間失格

太宰治
『人間失格』
新潮社
1952年10月30日
IMG_9610 少々かぶれているようです。『人間失格』を購入。↓をさらに晒け出した人間の内面に迫る自叙伝的内容は、文学青年を陶酔させ、熱狂させるのも頷けます。解説にもあるように「自分ひとりに話しかけられているような心の秘密を打ち明けられているような気持になり、太宰に特別の親近感をおぼえる。そして太宰治は自分と同じだ、自分だけが太宰の真の理解者だという同志感を持つ。」ちょっと厨二入っているようにも感じ、若くして自死した太宰への当時の熱狂ぶりは、尾崎豊を連想させるようでもありました。とは言え、この純粋さゆえに転落してく様は趣深いもので、大変魅力ある作品でした。次は何を読もう。

ヴィヨンの妻

太宰治
『ヴィヨンの妻』
新潮社
1950年12月20日
IMG_9545 暗鬱な心を扱う文学といえば太宰かな、ということで購入。短編小説8本で薄かったので本書をチョイス。『放哉と山頭火』の廃人っぷりに続く素晴らしきダメ夫の数々で大変面白かったです。ダメな知識人というのに、どうも魅力を感じてしまいます。現実的には全く関わりたくありませんが。個人的には、それぞれの小説の最後の下りが気に入っています。太宰治、気に入りました。かぶれない程度に読んでいこう。
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