大村大次郎
『税務署の正体』
光文社
2014年2月14日(電子版)
IMG_8533 税務署で働く人たちが読んだら、その通りと思うのか、そんなことはないと激怒するのか、とにかく税務行政をネガティブに表現した本なのは確かです。税務署員の自腹を切るほどの徴税ノルマとそれに伴う重箱の隅をつつくような指導、強きを助け弱きをくじくような税務行政が語られています。あわせて、筆記試験で幹部候補になってしまう公務員制度に対する批判(民間では入社時の筆記試験で将来が保証されるなんて確かにありえません)、国税OB税理士制度への批判が綴られています。国税に限らずですが、昭和の日本の悪習(コネや恫喝がまかり通る組織)は、この情報化社会で少なくなってきたとはいうものの、閉鎖的であったり旧世代の力が強かったりする組織では、まだまだ残っています。泣いている赤ん坊の哺乳瓶に差し押さえの赤札を貼ることができないと、この仕事はできないという例え(国が雇っているヤクザ)がありましたが、国税を志す学生がこれを読んだら、どう思うのか…。