佐々木俊尚
『「当事者」の時代』
光文社
2012年3月20日
IMG_6365 新書にして465頁というちょっと文量は多めの1冊。今月厳しいかなと思っていたところ、ちょうど体調を崩して通院がいくらかあったので、その待ち時間で読了。キーワードは“マイノリティ憑依”です。自分都合で弱者や被害者の気持ちを勝手に代弁し、当事者意識が薄いというのが根幹にある問題提起です。本文では“エンターテイメント化された免罪符”が本質とあります。『ノルウェイの森』での緑の「こいつらみんなインチキだって。適当に偉そうな言葉をふりまわしていい気分になって、新入生の女の子を感心させて、…」というセリフは言い得て妙です。日本人における戦争などでの視点として、被害者=加害者という解決の難しい論点もなかなか面白い内容でした。何か発言する際には、当事者意識をもって当たることが大切ですね。