2011年08月

ひたむきな人のお店を助ける 魔法のノート

眞喜屋実行
『ひたむきな人のお店を助ける 魔法のノート』
ぱる出版
2011年7月1日
IMG_4254 「もしドラ」の岩崎さん推薦という帯をみて、読みやすそうだなと思い購入。読みやすかったです(笑)とある女子大生が、ピンチに陥っているバイト先の焼き鳥屋を、亡くなったお父さんの残してくれたノートをもとに経営していくという内容です。端的に言うと、販促の本です。お父さんのノートの言葉がなんとも言えません(ここでは書けない)。読んでいて、著者は私と同年代なんだろうなぁというニオイがぷんぷんしました。お店を経営していて、勉強が嫌いという方は、暇つぶしに読んでみてはいかがでしょうか。とっても軽い読みものです。

3.11後の世界のこころの守り方

小池龍之介
『3.11後の世界のこころの守り方』
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2011年8月15日
IMG_4250 小池さんの本を見つけたので買ってみました。3.11後に感じていること(特に「自粛」について)、心の守り方について語られています。3.11から勢いを増しているSNSについても、心の余裕を奪うものとして批判的に述べられています。確かにSNSでの言動というのは、承認欲求であるとか、麻薬にも似た快感を与えてくれるようなものと解釈できる部分も多いいあると思います。ただ、小池さんが提唱しているような、日本古来のもとの生活が戻るようなことはそうないでしょう。究極の精神世界は便利の対極になるものかもしれません。文明は人類を幸福に導いたかどうかはなかなか難しいところです。ただ、便利な世の中で、中毒になりつつある日常をこういった本で少し毒を抜く必要はあるでしょうね。

グーグル会計学

柴山政行
『グーグル会計学』
フォレスト出版
2009年5月30日
IMG_4197 巷の会計本は「この本なら会計が本当にわかる」というような決まり文句が必ず最初に書かれてあります。そろそろ聞き飽きたかも。著者は『半分売れ残るケーキ屋がなぜ儲かるのか』の方です。この本が2冊目。個人的には、こないだ読んだ本の方が読み易かったです。『グーグル経済学』が売れたので、会計学もといった感じでしょうか?無理やりGoogleを題材にした感があります。説明の発想(資金=溜め池)もイマイチな感があります。2008年ベースで書かれているので、数字や背景が少し古いですね。為替相場も現在の70円台後半からすれば、かなり円安の頃の話が円高という流れで書いてあったり、強力なライバルであるFBがまだ存在していなかったり、なんだか一昔前の話のように感じます(実際そうですが)。巻末にGoogleの使い方が紹介されているのですが、これも少し古いですね。これからはG+やChomeBookを中心にサービスが集約されていくのではないでしょうか。Googleに興味があって、会計を勉強したいという方にはいいかもしれませんね。

文章力の基本

阿部紘久
『文章力の基本』
日本実業出版社
2009年8月1日
IMG_4184 かなり前に購入して眠っていたんですが、この度読んでみることに。コンパクトに文章を書くときのテクニックを77こ紹介してくれています。まるで昔、上司にドキュメントを添削してもらったときのような気持ちになりました。文章はシンプル イズ ベストなのですが、どうも余計なものをつけてしまったり、回りくどい表現にしたりしがちです。今となっては添削する方が圧倒的に多くなったのですが、自分の文章力はまだまだ。添削をしていると、意味のわからない文章を書いてくる方は、大抵自分も意味がわかっていないことが多いです。あと、感情むき出しで気持ちはわかるけど、本当に相手に伝わる内容になっていないとか。何はともあれ、文章は推敲が大事ですね。

3つのルールでわかる「使える会計」

石川淳一、松本武洋
『3つのルールでわかる「使える会計」』
洋泉社
2011年5月2日
IMG_4173 和光市長の松本さんが書かれた本だそうです。昨日の本は、実際のF/Sを使用した経営分析系でしたが、この本は財務会計、簿記を中心にした内容です。ボケありツッコミありの面白おかしなストーリー仕立てなので、かなり読みやすかったです。小一時間で完読できます。簿記初学者向けの授業では、仕訳の仕組みを理解してもらうのに苦労しますが、本書の“ぱなし”と“ぱなし以外”という観点はなかなかわかりやすい説明だと思いました。他にもうまいこと解説していると思わされる箇所があって、授業の参考になりました。巷の会計本のおもしろ話題を集めて、授業を構成するといいとは常々考えているのですが、ドックイヤー&線引きで済ませてしまって、メモをとっていないのがなかなか作業が進まない原因か…

山根教授のアバウトだけどリアルな会計ゼミ

山根節
『山根教授のアバウトだけどリアルな会計ゼミ』
中央経済社
2011年7月15日
IMG_4164 本が読める生活はいいですね!慶應の山根先生の最新刊です。よくある経営分析系会計本と大きく変わりがあるわけではないですが、より最新の事例から学べる本だと思います。この本にしかない視点もあり(やはり慶應の先生ですから、福沢諭吉の話は外せません)、それなりに面白く読ませてもらいました。個人的には最後の教育産業の話で、「教師は「学生の勉強の努力が足りない」といいます。対する学生さんは「教師の教え方が悪い」といいます。この議論は昔から解決できない、永遠の平行線なのです。」という部分に、共感とため息が…。今日、授業改善報告書を書いていたからかもしれません…

人はなぜ学ばなければならないのか

齋藤孝
『人はなぜ学ばなければならないのか』
実業之日本社
2011年2月7日
IMG_4139 かなり根源的な問いではありますが、ここに疑問を持つ学生も少なくないのが実情です。私も教壇に立つ身ですので、きちんと答えられるだけの教養も持っていなければなりません。非常に為になる内容で、学ぶことに疑問を持つ学生には一度読んでもらいたいと思わずにはいられません。学ぶ意義を知り、意識しながら学ばないと学びの濃さや発展は、なかなか生まれてこないものです。知のあり方としても大変勉強になります。個人的には初年次教育やゼミ運営の参考になりました。毎度、齋藤先生の本は充実した内容かつ読み易くて、大変よいです。

あいまいな日本の私

大江健三郎
『あいまいな日本の私』
岩波書店
1995年1月31日
IMG_3935 久々に岩波新書読みました。心斎橋のSTANDARD BOOKSTOREで目にして、読んでみようかと思い購入。最近軽い本ばかり読んでいたため、久々の文章らしい文章にちょっと読むのに時間がかかりました。内容は、大江さんのノーベル賞受賞記念講演などの講演集です。読んでいて、いかにも旧世代、という感を持ってしまうのですが、それはそれで味があります。思想が強く反映されている内容だなぁとも。あと、自分の教養のなさを痛感するとか。正直、文学評論はさっぱりです。

感動教育

クワン・スタント
『感動教育』
講談社
2010年8月27日
IMG_3910 なんとなしに本屋で手に取った本ですが、大変いい本でした。教育については悩まされる日々ですが、本書を読んで少なからず自分のやり方に自信が持てたのと、明日からも頑張ろうという前向きな気持ちが持てました。インドネシアの華僑である著者は、大変な苦労を経て、現在日本で教壇に立っていらっしゃることもスゴイのですが、やはり「自分の目標を極めていって、誰にも負けないようになれば、自分にしか語れないストーリーが自然とできていく」というのが答えな気がします。著者が座右の銘としている「凡庸な教師はただしゃべる。良い教師は説明する。優れた教師は自ら示す。そして偉大な教師は心に火をつける。」という言葉には感銘しました。教育者として教壇に立つ以上、学生の心に火をつけられるように精進していきたいものです。

どうしても伝えておきたい簿記の話

平林亮子
『どうしても伝えておきたい簿記の話』
中央経済社
2011年5月25日
IMG_3899 確か、中央経済社さんのツイッター(@chuokeizai)で新刊書案内をしているのを見て、購入したような気がします。タイトルを見てどんな話だと興味がわきまして。さて、中身は簿記の初歩(日商簿記4級レベル)をストーリー仕立てで解説されています。すでに知識のある私にとっては、とてもわかりやすいと思わざるを得ないのですが、全くの初心者が読んで、スッと理解できるのか(この本を根気よく読み進められるのか)は私には判断できません。それにしても、この手の本はそのわかりやすさに毎回感心させられます。いつも頭を悩ませる簿記の導入部分について、大変参考になりました。メモメモして、授業に活かせたらと思います。最後に問題編もついていますが、これ使う人いるのかな…。
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