2009年06月

一日一生

酒井雄哉
『一日一生』
朝日新聞出版
2008年10月30日
20090622 疲労困憊なので、明日を頑張れそうな本を選択。天台宗の大阿闍梨という称号を持っていらっしゃる酒井さんが、自らの人生を振り返りながら生き方について指南されています。人生において大切なことというのは、こういう方のお話を聞くのもいいですが、やはり古典(や経典)を開くのが一番いいなと思います。行から得られる悟りは、忙しい都会の生活からはなかなか得られないものです。僧侶の修行なんてものは、経済的になんら価値を生まない意味のない行為に見えますが、そうだからこそ、世間の固定観念から離れ、自然を相手に極限状態のなかで悟りを得られるのだと思います。とか何とか、最近、とかく頭でっかちになりがちなので、もうちょっと実践できる人間になりたいものです。

世界経済はこう変わる

神谷秀樹、小幡績
『世界経済はこう変わる』
光文社
2009年5月20日
20090615 去年の秋に、同じく光文社新書から出ている小幡さんの『すべての経済はバブルに通じる』を読んで、わかりやすくていい本だなぁと感じていたので、その痛快さを求めて手に取りました。内容は期待通りで、非常に共感する部分が多かったです。「今日の得は僕のもの。明日の損は株主と納税者のもの」と言わんばかりの有限責任会社という名の無責任会社の経営者たちへの批判は、ごもっともです。モラルの低下を招いた昨今の金融経済は、ホントにタチの悪いものだったと思います。地道にコツコツ頑張っている正直者がバカを見る社会、もしくは、真面目にやっているのがバカバカしくなる社会なんて、ロクなものじゃありません。モラルの低下は、大きな社会的損失をもたらすものだとつくづく感じました。対談にあるような良い方向へ世界が向かえばいいのですが、いろいろ問題は山積みですよね。

化粧する脳

茂木健一郎、恩蔵絢子
『化粧する脳』
集英社
2009年3月22日
20090610 最近、電車で寝ているせいか読書量が減っています。ということで、サクっと読めそうな新書を買ってみました。私たちの意識を科学的に解明する脳科学は、やっぱおもしろいですね。改めて脳の処理能力の凄さに気付かされます。本書のキーワードは、自意識を象徴的にあらわしている“鏡”。平均顔(=美男美女)は、極めて感情がわかりやすく表現されるから、俳優には美男美女が多いというのには、なるほどなぁと思いました。俳優さんは、やはり感情表現がうまくできる人が、それぞれの個性で配役されていると考えると、さらに納得です。論文を寄稿している恩蔵さんは、ボクとタメなようです。頑張っている同年代の科学者さんを見ると勇気が沸くとともに正直焦りも感じます。
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