2008年12月

2008年12月31日

水野学
『グッドデザインカンパニーの仕事』
誠文堂新光社
2008年11月18日
12.31-2 愛して止まないラーメンズのポスターなんかを作っているグッドデザインカンパニーのこれまで手掛けた広告や装禎、CMなどについて、代表でありアートディレクターの水野さんがアートディレクションとデザインという2つの観点から語られています。グットデザインカンパニーが手掛ける取組みや凝った加工のポスターには、いつも楽しませてもらってます(ファンです)。ホントかどうか知りませんが、水や食べ物など「生きるために必要なもの」を得たときと同様、「よいデザイン」に触れたときも、脳内の同じ場所が反応するそうです。リフレッシュや気分転換に、アートっていいと思う。

(21:23)
高橋宣行
『真クリエイティブ体質』
PHP研究所
2008年12月3日
12.31 帰省の新幹線で、久々に本を読む時間が取れました。現場感を持ち、五感で感じ、人間を観察・洞察して、理性と感性で発想するには、どのような心掛けが必要か、という本です。本書の勧めるいくつかのウォッチング法のなかで、タウンウォッチング、メディアウォッチングには、共感を持ちました。ジャンルを問わず俯瞰してモノを見ること、強制的にでも専門領域外の情報を収集することには、連想の飛躍や発想のヒントが必ずあると思います。キーワード、タイトル、記事、コラム、広告からイメージを広げる習慣、感じたキーワードがさらにどんな発展をするのか、未来に広がっていくのかといったストーリーづくりの力は、「情報の組み合わせ」とも言えるアイディアの本質に適っています。現場で五感をフル回転させて感じ、想うことが、原点というのも同感です。

(21:21)

2008年12月22日

ビートたけし
『貧格ニッポン新記録』
小学館
2008年10月6日
12.22 ビートたけしらしい、とても下品な内容です。上野動物園のリンリンが死んだニュースに関して「「安らかな顔で死んでいった」なんて書いてあるところがあったけど、そんなのどうして分かるんだかさ。パンダの安らかな顔って、パンダが怒った顔をしてるのを誰か見たことあるのかって話だろ」ってのは、ちょっとウケました。“確かに”って。正直、読むことをお勧めできる本ではないですね。そこら辺の報道や世論を鵜呑みにしない感性というのは、必要ですけど。どうしようもなく塞ぎ込んでいる人には、読むと悩みがどうでもよくなるかもしれません。

(22:59)

2008年12月17日

浅野智彦 編
『検証・若者の変貌』
頸草書房
2006年2月15日
12.17 社会学系の論文集です。アカデミックなものであるからか、少々読み辛い(面白くない)部分もありました。若者をネガティブに捉えるのは、古今東西変わりがないわけですが、その語り口に対し、統計データをもとに一石投じようという内容です。今日の情報社会において「親密さ」について多元的な要素のうえに成り立っているのは確かだと思います。それは、友人関係の多様性であり、ネットが介在するからといって希薄化しているとは一概に言えないものです。むしろ、様々な状況ごとに、関係を柔軟に使い分けながらサバイバルせざるを得ないという状況があると思います。関係の多様化、流動化によって、求められるコミュニケーション・スキルはむしろ過去よりも上昇しているのではないかと。また、他者への配慮の欠如、公共性の衰退は、統計的に昔と変わらないと結論付けています。確かに、街で見かけるマナー違反は若者に目が向きがちですが、大の大人のものもかなり目にします。自分らしさを追及することが、自分らしさを確定することを妨げているというのも頷ける内容でした。ほぼ若者擁護論ですね。

(23:26)

2008年12月11日

恒吉僚子
『子どもたちの三つの「危機」』
頸草書房
2008年8月10日
12.11 教育系の専門書の部類に入るのでしょうが、とても面白く読ませて頂きました。日本の教育が国際的に評価されている点(均質な高学力の育成力が高い、人格形成力に優れている、授業の研究力が高い、教育に貢献する文化が存在する)を学力、社会性、価値という3つの観点から論じられています。クレーム社会、訴訟社会、教育消費社会と言われる昨今、日本独自の全人教育が崩れつつあることは確かだと感じます。個人的には、絆を強調し、学校を集団への自発的同調を学ぶ場と位置付けることに、一定の理解を持っています。また、一般大衆の義務教育の一環としてのモーレツな部活動もそのなかでスポーツマンシップ、協調性、リーダーシップ等を学んだ私にとって、非常に重要かつ優れた点だと思っています。確かに、過度な活動日数、精神主義・根性主義、古い上下関係や逃れることのできない集団統制という側面もありますが、それに勝るものがあるはずです。それが、日本の秩序を守ってきたのだと思いますし。あと、初等教育での能力別指導は、確実に害のほうが大きいと思っています。絶対にいろんなレベルの生徒が一緒に学んだ方が良いに決まってると。最後に、本書のP194の図は非常に示唆に富んでいると思いました。

(23:52)

2008年12月05日

熊沢誠
『若者が働くとき』
ミネルヴァ書房
2006年2月20日
12.5 様々なアンケート、統計資料をもとに若者の労働事情と改善への提言がうまくまとまっていると思います。確かに、今の若者は、忍耐性においてハングリーな時代に育った旧世代に劣るかもしれませんが、だからといって、休みの取れないほどのゆとりの欠如やサバイバル的な競争ムードを忌避する感性を否定することはできません。働くということは、国民の義務であり、生活の土台です。みんなが安心して暮らせる社会を作るためには、本書にあるゞ囘待遇(同一価値の労働には同一時間給を支払う)、▲侫襯織ぅ燹櫂僉璽肇織ぅ犂屬料蠍濺彰垢硫椎柔、M期雇用契約を企業に許す条件の厳しい設定、ぜ匆駟欷韻粒搬臈用といった提言は、非常に共感を持ちます。非正規で生活している私にとっては ↓い論攫造任后昨今の雇用情勢の悪化からも、労働組合によって職場を住み良くするという発想を改めて考える必要が出てきているようにも思います。

(01:47)