2005年01月

けいざい心理学!

日本経済新聞社編
『けいざい心理学!』
日本経済新聞社
2004年11月8日
1.30 最近は、電車の中で小難しい本は読みたくない気分なので読み易いものばかり読んでいます。この本もページ数も文章も少なく、挿絵ばかりでサクッと読める本です。世の中思ったようにはいかないよ的な内容ですね。副題の“「気分」と「直感」で経済は動く”がそれをよく表しています。直感の鋭い人っていうのは、羨ましいです。それなりの経験と知識があっての直感ですけどね。あと、用語解説の乾いた説明が個人的には嫌いじゃなかったです。

自分で決められない人たち

矢幡洋
『自分で決められない人たち』
中央公論新社
2004年9月10日
1.27 主として依存性に関する内容です。決め付けないようにとかなり念を押されていますが、かなり誤解を与える内容が多いように感じました。依存に関して偏見を含んでいるように感じますね。あと、勝手に解釈して一人歩きしている感もあります(社会のすべてをこの観点で捉えるのは無理があります)。依存と自立、それぞれに長所と短所があるわけで、依存自体が悪いわけではないです。人間の性格は十人十色だからこそ面白いわけですから。まあ、どんな形であっても度が過ぎていては困りますが。

パラサイト社会のゆくえ

山田昌弘
『パラサイト社会のゆくえ』
筑摩書房
2004年10月10日
1.25 4,5年前に『パラサイト・シングルの時代』を読んで面白かったので、その続編的な本みたいなので読んでみました。今の社会状況というのをとてもよく捉えている内容だと思います。全くもってそういう時代なんですよね。しかし、それをどう打開していくかというところが欠けていたのが残念です。社会学者さんの言うことは、とても説得力があって「いいこと言った!」「その通り!」というものが多いのですが、いくらか深読みし過ぎているものも少なくないようにも感じます。「それは考え過ぎだよ」みたいな。

座右の諭吉

齋藤孝
『座右の諭吉』
光文社
2004年11月20日
1.19 『座右のゲーテ』に引き続き読んでみました。ちょっと小難しい原書を読まなくても内容を掻い摘んでわかりやすく紹介してあるのでこういう本はなかなかよいと思います。もちろん原書をきっちり読んだほうがいいんですけど。齋藤さんではありませんが、福沢の考え方はかなり私なりに似通った部分があるなぁと感じました。人との関わり方なんて特に。しかし、福沢諭吉というのは大した人ではありますが、もう少し欠点というか弱いところも見せて欲しいと感じますね。なんかこれじゃ完璧じゃん。

市場(スーク)の中の女の子

松井彰彦
『市場(スーク)の中の女の子』
PHP研究所
2004年11月5日
1.17 薦められて読んだんですけど、想いのほか好かったです。経済について、世の中について、これほどわかりやすく切実に語られている本はなかなかないと思います。文化や個々の相違に焦点を当てて研究することの大切さを常々感じている私にとって共感を覚える内容でした。考えている人は考えているものです。この本は、本当に誰にでも読める本です。経済系の学生さんに限らず是非読んでもらって経済や市場について考えてもらいたいですね。著者の『慣習と規範の経済学』もいい本です(これは学術書)。

崖っぷち弱小大学物語

杉山幸丸
『崖っぷち弱小大学物語』
中央公論新社
2004年10月10日
1.15 今日明日とセンター試験のようです。全入時代を前に大学間の競争(いろんな意味で)が激化しているとニュースでも新聞でも連日報道されています。世の中には、定員割れの大学、入学難易度をつけることが不可能なFランク大学というのも多く出現してきました。今後は潰れていく大学もどんどん出てくるのでしょう。この本は、そんな弱小私立大学の現状やどのようにしていかなければならないかということが書かれてあります。日本の大学は多過ぎますよね。研究とリベラルアーツの大学に分けた方がいいよ。

座右のゲーテ

齋藤孝
『座右のゲーテ』
光文社
2004年5月20日
1.12 いいですよね、ゲーテ。秋に複式簿記をどんなふうに賛美しているのかを知りたくて読み始めましたが、そんなことはどうでもよくなり、その内容にとても惹かれました。結局、ヴィルヘルムとウェルテル全部読みました。ちょうど壁に突き当たっていたので(この本の副題は、“壁に突き当たったとき開く本”)とても励みになったものです。この本に紹介されているものもとてもゲーテらしい内容です。いい復習になりました。『ゲーテとの対話』読まなくては!

頭がいい人、悪い人の話し方

樋口裕一
『頭がいい人、悪い人の話し方』
PHP研究所
2004年7月2日
1.9 読みやすい本です。勉強はできなくても頭の悪い人にはなりたくないですよね。読みながら、いるいるこういう人、自分もそうかもしれないなんて思いながら普段の会話を省みてみるとよいのでしょう。少なからず、人間みんな自分勝手なもんですから、よっぽど人間ができているか(生き仏?)、関係が薄いということ以外に不愉快な思いをさせない人はいないでしょう。今、気付きましたがblog形式にして、ほとんど岩波だったんですね。初PHP。

金融工学とは何か

刈屋武昭
『金融工学とは何か』
岩波書店
2000年5月19日
1.8 金融工学というと、難しい数学が駆使されていて文系の私には理解できそうにないですが家にあったので読んでみました。リスクのあるところに金融が必要となってくるというコンセプトで書かれている本です。不確実性の高まる経済社会で、リスクはあらゆるところに潜んでいますよね。最近では、相次ぐ災害が起きていますが、保険も金融。不確実性の高まる経済社会で金融の知識は必要ですよね。この本が書かれたのが2000年、今年はもう2005年、経済環境も金融もかなり進化していると思います。金融工学も難しくなってるんだろうなぁ。

変革期の監査風土

変革期の監査風土
柴田英樹
『変革期の監査風土』
プログレス
2002年12月15日
1.7 久々に会計関連の本を読みました。まあ、本自体も久々だったりするんですけど。監査風土に焦点を当てながら監査制度の問題点を指摘していくという非常に面白い本でした。常々、物事の本質には文化というのが深く関わっていると考えているので、こういう研究は非常に意味深いものだと思います。また、各国の文化や会計制度についても触れられているので、国際会計を勉強する方には読んで損はないと思います。これから会計士を目指すという人にも会計事務所の話も盛り沢山なのでお勧めです。
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