財務3表一体理解法

國貞克則
『財務3表一体理解法』
朝日新聞社
2007年5月30日
4.14 おそらく、この本を開いたら即拒否反応を起こす人が多いと思います。なんか小難しそうに見えるから。でも、内容はよくまとまっています。一通り読めば、財務諸表(簿記)の構造が理解できるのではないでしょうか。簿記を学習する前に、これがわかっていると仕訳の意味がよ〜くわかって、簿記ってすげーなってことになると思うんだけど…。

女性の品格

坂東眞理子
『女性の品格』
PHP研究所
2006年10月3日
4.9 「〜の品格」という本が多く出版されています。本書は、“国家の〜”の後ではありますが、話題となった品格本ですよね。女性ではないですけど、人としての心構えというか、今後、品格ある人間として振舞うために喝を入れてもらおうと読んでみました。今、目次を見返しただけで、いかに自分が貧相な品格であるかがわかってしまい反省してしまいます。特に、マナー、言葉遣いについては品格の欠片もありません。正義感、責任感、倫理観、勇気、誠実、友情、忍耐力、持続力、節制心、判断力、決断力、優しさ、思いやり。品格のある人間になるにはまだほど遠いようです。

なぜ「会計」本が売れているのか? 「会計」本の正しい読み方

友岡賛
『なぜ「会計」本が売れているのか? 「会計」本の正しい読み方』
税務経理協会
2007年10月9日
4.4 友岡先生の本はこれまでにもよく手にしていましたが、こんな本も出されてるんですね。『12歳からはじめる賢い大人になるためのビジネス・レッスン 「会計」ってなに?』なんて本も出されているようです。さて、私も常々、会計本と呼ばれる巷の本には、釈然としない違和感を持っていました。いや、会計じゃないでしょって。そういう意味では、本書は「会計とは何か」ということを解説してくれる本だと思います。巷の“会計”のイメージが漠然とし過ぎてるんですよね。会計が専門というだけで、管理会計から財務分析、そして税務や会社法までなんでも知ってると思われますから。しかし、表紙のセンスのなさや税務経理協会からってとこが、なんかニクいです。

大喜利猿 優勝

小林賢太郎、升野英知
『大喜利猿 優勝』
河出書房新社
2008年3月30日
4.3-2 いや〜、実にくだらない。

もし部下がうつになったら

松崎一葉
『もし部下がうつになったら』
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2007年5月15日
4.3 コーチングの本や翻訳書なんかで、たまに手にすることのあるディスカヴァー・トゥエンティワンですが、新書もあるんですね。“ディスカヴァー携書”っていうみたいですけど。さて、“うつ”の本です。ストレスフルな企業社会では、“うつ”で休職・退職というのも珍しい話ではないと思います。そんなときの対処法が事例とともに紹介されています。ストレス溜め込む前にどーでもよくなるボクのような性格の人間には、無縁なのかもしれません。そうであってもここんとこストレス性湿疹で皮膚がかなりヤラレていたり(残念)。しかし、やっぱ新書は読みやすいです。

非属の才能

山田玲司
『非属の才能』
光文社
2007年12月20日
4.2 まわりの雰囲気に飲み込まれず、ありのままでいる人は好きです。でも、協調できない人は嫌いです。当たり前ですが。本書にも書いてありますが、「変わってる部分」が相手にとって喜びを与えるものかが重要だと思います。そうでなければ、やはりうっとうしいだけです。意味のある変わり者でいたいものです。とはいっても周りに同調して生きてきた典型的な日本人の私には“非属の才能”はないでしょう。精々、他の人がやったことのない曲がりくねった人生を謳歌していきます。

美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?

林總
『美容院と1,000円カットでは、どちらが儲かるか?』
ダイヤモンド社
2006年9月28日
4.1 『餃子屋と高級フレンチでは〜』の続編です。物語で読む管理会計。システム投資(ERPの導入)を中心に進んでいくせいか、親近感がありました(昨日現役を引退したSEですから)。システム構築にしても管理会計制度にしても、なんにしても、目的をハッキリさせることが大切です。目的を定めずに何をやってもぐだぐだになります。視点(根拠)がズレるととんでもない誤解を招くことにもなりますし。↓の『食い逃げされても〜』もそうですが、数字の使い方には気をつけないと思わぬ落とし穴に嵌まることになります。用心、用心。

「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 禁じられた数字〈下〉

山田真哉
『「食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い 禁じられた数字〈下〉』
光文社新書
2008年2月20日
3.24 基本的に人が騙されやすい言い回し(数字の使い方)に注意しようというのが本書の内容だと思います。相変わらず読みやすいし、よいです。ただ、会計本ではないと思います。本書のなかに、会計は科学、ビジネスは非科学とありますが、会計が科学と言えるのか、会計学者の端くれとして結構疑問なところです。勘定に感情が入っていることも多くあります。日常業務ではなく、論文や基準のもととなる理論上に(!!)。「現象の再現性」や「反証可能性」があるのか甚だ疑問です。本にもありますが、その場その場でのカードの切り方が大事だと思います。計画なんてあってないようなもんです。こだわるとムリ・ムラ・ムダがでるし。本書を上からなり、横からなり見ると色のついた部分があります。そこは「会計士事件簿」になってます。だからなんだ

高学歴ワーキングプア

水月昭道
『高学歴ワーキングプア』
光文社新書
2007年10月20日
3.8 はい、私です。まあ、いろいろと思うところはあります。制度的にマズいとも思います。でも、博士課程修了後にフリーターやニートになってしまうのは、その後に大学教員ということしか考えていないためだとも思います。個人的には、学問は学問で、仕事は仕事だと考えています。研究で得た考え方やフレームワークは、別の分野でも応用可能です。ヘンなこだわりというかステータス感など捨てて、社会に出るべきでは?などと偉そうに思います。本のなかで出てくる「博士号は“足の裏の米粒”だ」という例えに、なんか頷いてしまいました。「取っても食えないが、取らないと気持ちが悪い」

お役所の潰れない会計学

林誠
『お役所の潰れない会計学』
自由国民社
2007年11月5日
3.2 著者自身がプロフィールに書いているんですけど、関西ノリ全快です。私は嫌いじゃないんでいいんですけど。でも、気に障る方もいらっしゃるような気もしますね。内容は、お役所の潰れない仕組みを、護送船団方式、親会社(国)への従属、M&A(合併)、単式簿記による現金主義、厳格な「予算主義」、キャッシュフロー会計、会計の公開、徹底した縦割り、終身雇用といった既存のシステムからわかりやすく説明されていると思います。普段、企業会計を専門にしているせいか、公会計については壁を感じていましたが、考えてみれば企業会計よりとてもシンプルなシステムです。日々の生活で官と民の違いについて思うことはよくありますが、この本でもいろいろとありました。都会と地方についても。それにしても最近忙しくてあまり本が読めません。

天才と本質

竹下和男
『天才と本質』
アーカイブス出版
2008年2月5日
2.10 20人の偉人の思想のエッセンスが簡潔に書かれてある本です。福澤諭吉や松下幸之助、孔子といった誰でも知っている人から、勝海舟のオヤジ(勝小吉)やら島津忠良といったあまり知られていない人まで、多岐に渡る偉人が選定されています。座右の銘でもある「孫子」の孫子が、二人いることをこの本で今頃知りました。それぞれの内容が示唆に富んでいるのですが、個人的には高橋亀吉の経済観、西尾久雄の経営観が非常によかったです。

女子大生会計士の事件簿6

山田真哉
『女子大生会計士の事件簿6』
英治出版
2007年12月19日
1.20-2 完結しました。結末らしい結末はなかったですけど。それはさておき、この巻も非常に内容がありました。LDをもじったMDO事件はさすがだなと。『お金に色をつける仕事』という例えは、とてもよかったです。「“会計”って何?」と言われて、うまく説明できず、いつも卑屈になってしまうので、こういうわかりやすい説明は読むととても感動します。そう、そうなんだよって。この本、内容がベタな部分も苦手なのですが、コミック版のイラストが入っていたり、幽霊が登場する部分(主人公などと普通に会話して事件を解決してしまう)は特に苦手です。イラストは広げていてとても恥ずかしいです。6巻は、表紙が真っピンクなのも恥ずかしかったです。

女子大生会計士の事件簿5

山田真哉
『女子大生会計士の事件簿5』
英治出版
2007年12月19日
1.15-3 知らない間に出てました。3年ぶりです。しかも。同時2巻。しかも、6が最終巻。そして、5の最後は6に続くで終了。さて、この3年間でいろんな粉飾事件もありましたし、会計士業界もガラっと変わりました。この3年間の事件をもとに内容が構成されていたような気がします。いや、されてます。難しいと敬遠される会計をわかりやすい形で紹介するのは、やはり山田さんが天下一品です。会計士事件簿は内容がベタなので、少し読んでて恥ずかしい気分にさせられますけど。会計の世界の人の端くれとしては、『JICPAジャーナル』の部分がウケました。なんで会計士協会は機関誌名をころころ変えるんだろ。

菜根譚

洪自誠著/祐木亜子訳
『菜根譚』
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2007年12月15日
1.14-2 明代に書かれた処世訓です。そんなに古いものではないですけど、儒教・仏教・道教をうまくとりいれている(細かいことを言えば、矛盾が多いかもしれませんが)とてもよい本です。モノの理を非常に的確にあらわしています。やはり、個が中心の西洋思想より、全体を捉えている東洋思想は素晴らしい。原典310項目から、220項目を選定して載せてあります。自己顕示のかたまりで偽善を気取る自分の戒めに5つ。

“麕泙箙盞蕕魑ぜ茲蕕覆ぁ峪簍私欲を追求するような世の中の風習に染まらず、無欲無心に生きる人は、非凡である。しかし、わざと非凡な人間を気取るのは、ただの変人にすぎない。世の中の悪い慣習やしきたりに染まらない人は高潔である。しかし、世を捨てて高潔を気取るのは、単なるひねくれ者にすぎない。」
∩がしさも静かさも超越する「騒々しさを嫌い、静かさを好む人は、とかく人を避けることで静かな環境を得ようとする。しかし、他人との付き合わずにいれば心静かに暮らせると思うこと自体が、そうした環境に依存しとらわれている証拠である。このように、現実逃避をしている状態では、「自他を区別することなく、動も静もともに忘れ去る」という境地に到達するのは難しい」
自己顕示をしない「本当に清廉潔白な人には、清廉だというような評判は立たない。評判が立つのは、自分で清廉を売り物にする自己顕示欲の強い人だ。本当に素晴らしい技術を身につけている人は、それを見せびらかすようなことはしない。技術を人前でひけらかすようでは、まだまだ未熟者である。」
た佑肪里蕕譴困冒厩圓鬚垢襦岼いことをしても、それが他人に知られることを恐れる人には、まだ良心というものが残っている。よいことをしても、それが他人に知られることを期待するようなら、偽善にすぎない。」
ヌ樟爾魑瓩瓩訖祐屬傍い鬚弔韻襦崋分がもうかることばかり考えている人間は、すでに人としての道からはずれた言動をしているため、その悪行は誰の目にも留まりやすい。したがって、影響もそれほど大きくはない。しかし、名声を求める人間は、自分の信念や志を隠れみのにして、裏で悪行を行うため、人の目につきにくい。したがって、計り知れない弊害をもたらす。」

効告。

葛西薫、黒田秀樹、込山富秀、佐倉康彦著/京都広告塾編
『効告。』
インプレスジャパン
2007年11月21日
1.1 京都広告塾のシリーズの3冊目。好き好んで読んでます。また長いこと本読んでなかったんで、帰省の新幹線のなかでの一冊。CMディレクターは、世の中に1000人くらいいるんじゃないか、そしてそのなかで常にヒットを飛ばすような人は、10人くらいだと思うという部分を読んで、苦労して職についても(プロになっても)、そのなかで活躍するのはまた別次元の話だなぁなんて思いました(そりゃそうか)。時折り、差し込まれている講師の方の広告を楽しみにながら、この人の感性はいいなぁ、この人はイマイチ心にヒットしないなぁ、とか勝手に論評しながら読んでます。やっぱ、広告をみるのは楽しい。

【新釈】走れメロス 他四篇

森見登美彦
『【新釈】走れメロス 他四篇』
祥伝社
2007年3月20日
12.2-1 また、モリミーです。この人の小説は基本的に舞台がどの小説でも同じで(※今のところ)、どっかの主人公や登場人物がちらほら出てきます。出来事もそれとなく出てきます。「詭弁論部」に「パンツ番長戦」、「ゲリラ演劇」に「象の尻」など、もうお馴染みの単語がでるわでるわ。本書は5篇構成で、それぞれ原典をこの人なりに現代に置き換えた短編集です。個人的には“藪の中”が一番好きかも。“走れメロス”と“桜の森の満点の下”もよかった。

太陽の塔

森見登美彦
『太陽の塔』
新潮社
2003年12月10日
11.25-1 軽く1ヵ月半は本を触っていませんでした。読める余裕が出てきたので近所の書店でとりあえず買ってみたのが本書。めずらしく小説。『夜は短し歩けよ乙女』の人のデビュー作らしいのですが、凄まじい妄想の展開というか、かなり引いてしまう内容でした。まあ、それなりに楽しめたのも事実ですけど。「何かしらの点で、彼らは根本的に間違っている。なぜなら、私が間違っているはずがないからだ。」こういう勘違いな人は、小説のなかならまだしも、実際にいるもんで困ったもんです。

考告。

一倉宏、中治信博、前田知巳、吉岡虎太郎著/京都広告塾編
『考告。』
インプレスジャパン
2007年10月1日
10.8 先月読んだ『巧告。』とコンセプトは一緒。っていうか、人が違うだけか。最近は、ホントに広告系ばかりになっちゃってます。そろそろ感想も書くことなくなってきました。この本で印象に残ってるのは、「カッコいいことはカッコ悪い」とか「本当のことは届きやすい」とかですかね。うん、そのとおり。コピーライターさんが市役所の署内文書を頼まれたという話で、署内文書なんて、そのままにしておいたって物事は進むと考えそうなところを「言葉が変われば、結果も変わるはず」、「人に問い、人の共感を集め、人に動いてもらうための真剣勝負の言葉だ」といった考えには共感しました。

考具

加藤昌治
『考具』
阪急コミュニケーションズ
2003年4月4日
10.7 考えるための道具=考具が21ほど紹介されています。なにかしらの企画を考えるとき、なかなかいいアイデアが思い浮かばないことってありますよね。そんなときに、ここで紹介されている考具は非常に役立つと思います。特に意識してというわけではないですけど、思いついたことはメモしたり、とにかく図解して展開してみたり、連想したものを書き出してみたりは普段からよくします(困ったときに)。この本で一番衝撃的で今後活用しようと思ったのは、マンダラートですね。あとは、オズボーンのチェックリスト。アイデアマンといわれる人たちは、こういう展開力が自然に身についている人のことをいうんでしょう。

広告コピーってこう書くんだ!読本

谷山雅計
『広告コピーってこう書くんだ!読本』
宣伝会議
2007年9月15日
9.24-2 最近、広告系ばっかり。自分が好きだからってのもあるけど、万人相手のコミュニケーションというものとして、考え方がとても参考になると思います。受け手でなくなるためには、ふだんの“なんかいいよね”をやめて、なぜいいのかを突き詰める必要があります。「みんなが言いたいことを言わせてあげる」ってのは、『巧告』にも書いてありました。内容とは関係ないですけど、あとがきの「自己嫌悪と自信過剰の果てしない繰り返し」って言葉に、言い得て妙だなと思う今日この頃。

ヒット率99%の超理論

五味一男
『ヒット率99%の超理論』
PHP研究所
2007年2月6日
9.18 1000万人以上に支持されるというのは、どういうことなのか。そんな内容です。比較的ものごとを客観的にみれると思ってる私なわけなんですけど、それはほぼ自分の感情外の事柄のみなわけで。自分の感情を少しでも持ち込むやいなや客観性なんて吹き飛んでしまいます。思い込みとはこわいもの。人の心とはこわいもの。いや、すてきなものです。そんな話はいいとして、本書の構成は第1章が解説。第2章がトレーニングの問題となっています。この手の本でこんな内容はこの本しかないと書いてありますが、ありきたりだと思うのはボクだけなんでしょうかね。

巧告。

副田高行、中島信也、眞木準、山本高史著/京都広告塾編
『巧告。』
インプレスジャパン
2007年8月21日
9.9-2 広告業界は、興味のある業界の一つ。死ぬほどタイヘンなので現実的にやりたいと思うことはないですけど。広告関連雑誌は、「広告批評」や「ブレーン」、「宣伝会議」などなど、好きなのでよく立ち読みします(たまに買います)。個人的には、クリエイティブディレクターの山本さんの部分が一番面白かったです。コピーを考えるって、深いなぁと思いました。「ふつうの人」の感覚で「言ってほしい」ことを言ってあげる。これがいかに難しいことか。でも、そんなキャッチコピーは受け手である私たちに訴えるものがあります。たとえ、販売促進のためにつくられているとしてもね。

コトづくりのちから

常盤文克
『コトづくりのちから』
日経BP社
2006年3月6日
9.9 モノづくりとはよく言いますが、コトづくりとはあまり一般化した単語ではないですね。コトづくりとは、「きらめく旗印を掲げて、その実現に向かって全社が一丸となって取り組めるような舞台を作ること」、「夢やビジョン、目標を明示し、その実現に向かってみんなが知恵を出し、力をあわせて努力する仕組みが詰まっている容物」、「一人ひとりの持つ潜在エネルギーをいかに引き出し、組織力とするか――。集団の活力を飛躍的に引き上げていくマネジメント」だそうです。要は、みんなで頑張ろうという雰囲気というか、そういうできごとをプロデュースするということでしょう。いわゆる、名経営者(宗一郎さんや幸之助さん)や日本にある世界トップレベルの中小企業を例に解説されています。最後のほうは、コトづくりを支える思想として、東洋思想があげられています。ここが一番おもしろかったかも。

失敗学 デザイン工学のパラドックス

ヘンリ・ペトロスキ著/北村美都穂訳
『失敗学 デザイン工学のパラドックス』
青土社
2007年8月10日
8.28 失敗学というので、巷でよく言われる”失敗学”についての本だと思ったら、まったく違う内容でした。副題にもあるように、デザイン工学について。しかも外国の本です。マジック・ランタン→スライド・プロジェクト→パワー・ポイントへの進化の話、超高層ビルや超長橋などの構造物の話がメイン(ほとんど橋の話)。デザインと標準化やモノとしての完成度の関係の難しさを感じました。エンジニアの仕事は、システム(構築するモノ)の完全性(安全性)が基本となるはずですが、なにかとカネや政治といったヒトに関する部分で妥協や不正が入り込む余地が高いため重大な欠陥を内在してしまうことが多いものです。本を読むペースが鈍ってます。もっとおもしろい本を読もう。

業界別 肩書きの辞典

大門コミュニケーション研究室・編
『業界別 肩書きの辞典』
小学館
2007年6月25日
7.31 名刺を貰って、肩書きがよくわからないことはよくある話。世の中にある肩書きを業界別に紹介しているのが本書。たぶんそれなりに役立ちます。あってるかあってないかはケース バイ ケース。IT業界のマネージャーとリーダーは同列と紹介されてます。完全にマネージャーが上だと私は思うんですけど。助役や出納長、収入役がなくなったのは初めて知りました。助教授が准教授になったのは知ってますけど。内容は現代に限らず、昔の官位なんかも紹介されてます。小ネタとして、NHKの天気の半井さんは日銀出身だとか、あのドラマの主人公はこれだとか、しょーもない話もいっぱい。

夜は短し歩けよ乙女

森見登美彦
『夜は短し歩けよ乙女』
角川書店
2006年11月30日
7.7 表紙&タイトルで買いました。中村佑介さんのイラストは好きです。小説のハードカバーは、おそらくbook diary史上初です。こんな本がここに出てくること自体、誰も予想しなかったことでしょう。非常にひねくれた心の持ち主の私、奇想なものが好物な私には実に絶妙な表現や内容で非常に楽しめました。舞台の四条・京大界隈は少し思い入れのある場所なのでそれもとてもよかったです。研究論文もいいけど、こういう小説書くのも意外とありかもしれません。

SEの文章術

克元亮
『SEの文章術』
技術評論社
2007年5月25日
7.1 仕事、研究と、ともかく文章を書くことが多いです。大抵は、チェックが入りやり直しです。私の文章は、よく回りくどい、わかりづらいと言われます。シンプルな文章を書くように意識はしていてもなかなかウザイ文章の癖はなおりません。おそらく、学校で培った能力と思われます。この本では、シンプルで明快な書き方、推敲時に気をつけること、内容として抑えるべき点が説明されています。文章は書いてすぐより、一日において見直すぐらいがちょうどよいと個人的には思ってます。やはり、書いているときやその直後の推敲では、思い込みを引きずったままで客観性に乏しいから。

豊かな資本家になるための成功塾

久保雅文
『豊かな資本家になるための成功塾』
総合法令出版
2007年5月24日
6.18なーんか後味のよくない本でした。こうもあっさり資本主義なんてカネ持ちの世界、カネがなければどーしようもない、みたいなことを言われるとねぇ。私がマジメにコツコツ派の古い貧乏日本人だからなのでしょう。まあ、そもそも感情的に金持ちが嫌いというのもあるかも(妬み)。まあ、目下の悩みは大抵カネで解決できますよ、ホントに。感情論はやめにして、教育が重要だというところは同感です。格差の原因は、教育にあると思うから。国内とかじゃなくて世界的にね。

PLANNING HACKS!

原尻淳一
『PLANNING HACKS!』
東洋経済新報社
2007年5月10日
6.10 〜HACKS!っちゅう本がいくつかありますが、そのなかのひとつです。純粋に事務をやるのでない限り、なんでもクリエイティブなもんだし、企画力が必要になると思います。そう、論文やら、仕事での提案やら計画やら。内容はコツ(HACKというそうです)が83個ほどわかりやすく紹介されています。基本的なコンセプト、内容も共感できるものでした。直接内容には関係ないですけど、「〜ですよね。○○で習いました。」とか「〜知ってます?」といった知識至上主義的なことを言うのは確かに気になるところです。個人的にはだから何?って思うし、それに知恵つけて何か結果を出さない限りどーしよーもないとは常々思ってます。

中原中也詩集

吉田熙生編
『中原中也詩集』
新潮社
2000年2月25日
6.2 珍しく文学系の本を手にとってみました。しかも詩集。どーいう心境の変化でしょう。同郷の中原中也です。内容について、あーだこーだいうことは何もないんですけど、韻がふまれた日本語というのはいいものですね。なかには訛りの入ったものもあって、なんか郷愁も沸きつついい感じで読んでいきました。実用書しか読まない私にとっては、とても不思議な感じ。しかし、詩というのは言い得て妙なもので、すごく心に響く文章表現です。私の固い頭ではなかなか理解し難いですけど。同郷の詩人では、金子みすずなんかもいいです。

ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則

ジェームズ・C・コリンズ著/山岡洋一訳
『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』
日経BP社
2001年12月21日
5.26 久々にいい本に出合えました。故事と同じくらいものごとの真理を的確についた内容だと思います。世間で言われているような陳腐なビジネス理論というか雰囲気がすべて吹き飛びます。ビジネス雑誌に書いてあるような小手先な内容の特集なんかね。やっぱり、そーだよね。そーなんだよね。と世の中捨てたもんじゃない気がしました(正しいものが勝つんです)。第5水準のリーダーシップ→最初に人を選び、その後に目標を選ぶ→厳しい現実を直視する→針鼠の概念→規律の文化→促進剤としての技術→弾み車と悪循環。別に企業に限らず、ものごとを成功させる普通のプロセスです。

食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字〈上〉

山田真哉
『食い逃げされてもバイトは雇うな 禁じられた数字〈上〉』
光文社新書
2007年4月20日
4.29 山田さんの本は久々です。新書で出してくれるとありがたい。相変わらずのわかりやすさと読みやすさでした。大抵、数字に騙されながら生きているとは思いますが、数字に限らず世の中にあふれる情報はいかさまな内容が多いので、まず自分のフィルターを通して批判的(客観的)にみてから判断する必要があるでしょうね。騙されてはいけません。この本では、数字の基本的な見方が解説されているわけですが、ぼちぼちセンスというか丸呑みにしない意識があれば、きっと変わるんじゃなかろうか。でも、読み終わる寸前でこの本が上下巻のセットモノだと気付た私は、やっぱ注意力不足だね。

小林賢太郎戯曲集

小林賢太郎
『小林賢太郎戯曲集』
幻冬舎
2007年4月10日
4.22 文庫化されるとは。ついつい買っちゃったじゃないか。観るのと読むのとじゃ、結構感覚違った。意外に読むほうがおもしろかったり

デザイン思考の道具箱

奥出直人
『デザイン思考の道具箱』
早川書房
2007年2月28日
4.16 引越して初めての更新。電車に乗る時間が極端に減ったので、今後読書ペースが落ちるのは必至のようです。今回は、デザインと経営というお題で一冊。最近、アート系が熱いです。美大とかに行ってみたいと思うくらい。ビジネスに、アート的なアプローチがとても必要だな、というか自分が欲しいなと思う今日この頃。いや、単純にいろんなものに触れて感性を磨きたい。本の内容は、フィールドワークやプロトタイプの作成なんかを中心に、イノベーションをどう生み出すかということが書かれてありました。最近の会計の話題に関連するもの、システム開発の話題に関連するものと普段の事柄に関連するような内容もあって、そういう視点からも楽しめたかな。

新米リーダーの不安

渡辺紳一
『新米リーダーの不安』
技術評論社
2007年2月25日
3.31-2 久々にSE新書。名著はわかりやすいけど抽象的で長い、教科書的な本はつまらない、そんななかやはり読みやすいのは新書。ある程度具体的で量も少なく、そして教科書的でもない。個人的は、最後のコケないマネジメントが経営学的で面白かったかな。でも、自分に必要なのはズレない仕様策定やヌケないシステム設計の部分だろうけど。技評のSE新書はこの調子でどんどん増えていくといいですねぇ

組織を伸ばす人、潰す人

柴田励司
『組織を伸ばす人、潰す人』
PHP研究所
2007年3月9日
3.25 柴田さんは、年末に『外資系トップの仕事力』を読んだときに存在を初めて知りました。それからいろんなところでよく見かけるようになりました。いつも同じ写真で(笑)。とても共感のもてる内容だったと思います。人事のコンサルタントって、あまりイメージわかないですけど、こういうことをきっちりやってく組織を作っていくお手伝いをするんでしょう。人を育てるのは、やっぱり人ですから、人材教育なんかも人に依存してしまうものです。人に恵まれるのって、最終的には運?なかなか難しいですよね。

ザ・ゴール2

エリヤフ・ゴールドラッシュ著/三本木亮訳
『ザ・ゴール2』
ダイヤモンド社
2002年2月21日
3.18-2 前回の本で続編がお勧めというものがあったので、『ゴール』だったかなぁという曖昧な記憶で買いました(答えは『ビジョナリーカンパニー2』なんですけど)。最初は失敗気分でしたが、なかなかよかったです。副題が“思考プロセス”なんですけど、八方塞の状態からソリューションを導き出す思考方法が、いくつか紹介されています。少し長いですけど、物語形式なのでそこまでツラくはなかったかな。でも、やっぱりもうちょっとコンパクトな方がいいな。

大人のたしなみビジネス理論一夜漬け講座

渋井真帆
『大人のたしなみビジネス理論一夜漬け講座』
宝島社
2007年1月3日
3.8 『ブルー・オーシャン戦略』、『ザ・ゴール』、『ビジョナリーカンパニー2』、『行動経済学』、『ウェブ進化論』、『ネクスト・ソサエティ』、『ネクスト・マーケット』、『富の未来』の計8冊のビジネス書の解説本。このなかで読んでるのは1冊?分厚い本が多いので読まずにコアの部分だけ知り得たのはよかったです。でも、やっぱ読む人によって感じ方も違うんだろうから、自分で読まなきゃわからんよな。まあ、たしなみということで知ってて損はないっしょ。

現代原色しごと図鑑

現代就職研究会
『現代原色しごと図鑑』
幻冬舎
2007年3月1日
3.6 知ってる人は知ってるんでしょう。サニーサイドアップというスポーツ選手なんかが専属契約してるPR会社です。ホワイトバンド、イルハン、北島康介、為末大、キッザニア東京、nakata.net caféをプロデュースしたの人たちのインタビュー集。私自身、営業向きな人間でないため、こういうタフなネゴシエーションを仕事として選んで、楽しみながら活躍している人たちを見ると、ただただスゴイなと思ってしまいます。こういう話を聞くと世の中に大きなインパクトを与える仕事というのは、気持ち次第でできるもんなんだろうなぁと思い、自分を奮い立たせたいものですが、今のところそこまでの勢いも自信もありません。

人を育てる「叱り」の技術

本間正人
『人を育てる「叱り」の技術』
ダイヤモンド社
2003年10月2日
2.28 今月は、なぜか比較的多く読んでます。今回は叱りについての本をチョイス。最初に叱りについて、叱るってどういうことなのかが書いてあります。叱りと怒りの違いや指導スタイルのタイプなんかが書いてあって、結構面白かったかも。それ以降は、10個の心得とケーススタディ。まあ、心得とかはありがちな内容なんですが、心得ておきたいものです。しかし、そんなに冷静に人が叱れるものなのだろうか。まあ、大人になるってことなのかな。

私的ブランド論

奏郷次郎
『私的ブランド論』
日本経済新聞社
2006年5月1日
2.25-2 前の本を引きずって、広告やデザイン、ブランド系の棚からチョイス。今日、表参道を歩いてたときにビルの形の意味を始めて意識して見てみました。ふーん。内容は、ヴィトンを中心としたブランド論なので、そんなに参考になったのかわかりませんが、とりあえずヴィトンの歴史について詳しくなるんじゃなかろうか。ヴィトンは、ちょっと派手なので使うことはないと思うけど、質の良いものは大好きです。モノを買うときの基準は、やっぱり質です。ながーく使えるものがいい。

芸術のグランドデザイン

山口裕美
『芸術のグランドデザイン』
弘文堂
2006年12月31日
2.22 弘文堂と言えば、法律書のイメージしかないですが、こういう本もあるらしい。ということで今回はアート。現代アートです。日本の伝統モノや現代アートはザ・癒し。別に何に詳しいわけでもないですけど大好きです。数字や金カネといった狭い世界から、感覚を解き放つにはアートが一番。ここで紹介されている人の作品や美術館に癒されたいと思う今日この頃。普段のガチガチ頭をこういうもので叩いてやらないとつまらない人間になっちまいます。やっぱ、感性を持ち合わせた人っていいよ。単なる奇抜は別として。

大喜利猿 墨

『大喜利猿 墨』
小林賢太郎・升野英知
河出書房新社
2007年1月30日
2.19-2 むふふ。電車のなかでニヤニヤ。かなり怪しかったに違いない。¥1,000払ってこの本を買うやつの顔が見てみたい。

すごい人の頭ん中 すごい起業家

ビジョネット編
『すごい人の頭ん中 すごい起業家』
ゴマブックス
2007年2月10日
2.17-2 最近、ひねくれた感想が多いです。でも、そう思ってるんだからしょうがない。今回は、よくある起業家さんのインタビュー集。11人の方が登場。これまでに本人の著書を読んだ人もいました。よく、起業家には始めから明確なビジョンを持っている人と持っていない人の二つのパターンがあるといいますが、共通していることは、とにかく目下にある問題をひとつずつ忠実かつ確実にこなしていく堅実性だと思います。これがないと何事も成し得ない。あいまいな表現ですけど、正しい思考の習慣が肝要ですね。

世界が動く 日本が変わる 会計〔2009年〕問題

長谷川茂男
「世界が動く 日本が変わる 会計〔2009年〕問題」
中央経済社
2006年12月20日
2.14-2 4月のコラムで“2009年問題”なんて書いてみましたが、この単語はどうやら一般化したようです。大雑把に最近の会計の動向でも読んでみようと思って買ってみましたが、巷に溢れる会計本の典型とも言える面白さに欠けた本でした。会計本は、どーしてもこうなってしまいがち。残念。会計に慣れない人が読んだらわからない(もっと嫌いになる)、わかる人が読んだらもう一つ(内容が大雑把過ぎる)といったところでしょうか。今年はもう2007年。2009年まではまったなしです。ASBJは、今後コンバージェンスをどのように進めていくのやら。

なる本 マンション管理士

千葉喬監修/週刊住宅新聞社編
『なる本 マンション管理士』
週刊住宅新聞社
2002年5月19日
2.12-2 別にマンションを買うわけでもなく、まさかマンション管理士になりたいわけでもなく、そして、マンションを建てるわけでもないですが、この一冊。第5章 主要科目集中講座は、もちろん読んでません。5年前にできた資格らしいです。マンション管理って、何やってんの?ってなことが少なからずわかる本だと思います。いや、思いたいです。しかし、こういう資格ができるほど、世の中のマンションの存在って大きいんですね。まあ、衣食住の住だから重要か。しかし、住むなら一軒家だよね。ムリか?

これから何が起こるのか

田坂広志
『これから何が起こるのか』
PHP研究所
2006年12月11日
2.11 前半はそれほど面白くなかったんですけど、ラスト100呂らいから急によくなりました(個人的には)。これからの企業なり働き方のあり方について、普段思っていることが書いてあり非常に爽快な内容でした。副題は“我々の働き方を変える「75の変化」”で、計75のこれから起きる変化について書かれてあります。目次だけで20蓮並拭法詳細はともかく、12、33、40、48、51、60、62、64、65、67、74、75には非常に共感。この著者、非常に多くの本を出しているらしく、少し読んでみようかとも。

我らクレイジー☆エンジニア主義

リクナビNEXT Tech総研
『我らクレイジー☆エンジニア主義』
講談社
2007年1月22日
2.4 ズバ抜けた成果を出している15名のスーパーエンジニアの方々へのインタビュー記事です。全ての人が自分自身の哲学をしっかり持っていて、自分に嘘をつくことなく、日々の創作活動に邁進しているという感じでした。日本発の世界を驚かせる最新技術がいっぱい紹介されているのも非常に面白かったです。常識を覆すような発想(まあ単純に夢とかでも)を口だけではなく、実際に行動に移し、ものごとを実現させていく人たちの話は、自分のモチベーションを高めるには格好の材料です。でも、どんなにスゴイ人でもオレってスゴイだろみたいな感じで押し付けがましく話されるのは御免ですが。

ビジョンマッピング

吉田典生
『ビジョンマッピング』
PHP研究所
2007年1月12日
1.27-2 ある崖っぷちの会社が、少しずつ意識のまとまりをつけながら事業を立て直していくという物語形式の一冊。副題は、“やる気を創る技術”。課題を先取りして、本人が当事者意識をもつ前に教育するような押し付けがましいやり方や自分が気付いていることを周囲が知らないからといって上から目線でものを言ったりしても誰もついてこないし、やる気も起きないということがよーくわかる内容です。いかに受け入れる力をもって、相手が自分で答えを導き出していく環境を作るかなんでしょー。物語形式の本は、わかりやすくて読み易いので好きです。教科書的な本は睡眠薬にしかなりませんけど。

企業が求める人間力

社会経済生産性本部編
『企業が求める人間力』
生産性出版
2006年12月12日
1.20 なんとなく手にとってみました。大手といわれる企業14社の主に人事部関係の人の熱い話です。企業の理念というか理想の話から始まり、そこから導き出される理想の社員像が語られているわけなんですが、あまりに理想的な話ばかりで冷めた気分にさせられました。まあ、ビジョンはとても大切なので示しているだけでも素晴らしいことだとは思います。あとは、現場の管理者がそれをいかに実践し、範を見せるかでしょう。最終呂縫戰鵐船磧軸覿箸覇く若者に対して書いてあった、大手企業で働く若者との違いというか、肝に銘じておくべく点は、“確かに”と思わせられました。
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