自分のアタマで考えよう―「知識」にだまされない「思考」の技術

ちきりん
『自分のアタマで考えよう―「知識」にだまされない「思考」の技術』
ダイヤモンド社
2012年7月1日(電子版)
20131212 引き続きiBooksで購読。ちきりんさんの本は2冊目。読みやすそうなのでチョイス。思考の整理術が紹介されています。最近、忙しいと思い込んでいるせいか、まったく頭の整理がつかなくて、ヒドく効率の悪い生活を送っています(整理がついていないから忙しいと感じているだけ)。効率よく成果に結びつけるには分析は不可欠。分析する際の要素分解と組合せの検討は、不可避な作業ですよね。ここが甘いとあとでしっぺ返しを食らうことになる。まさに、今の私がそういう状態。検討するほどの心の余裕がないのが失敗の元凶です。自他、時系列の縦横の比較を忘れて、わからないと唸っている自分を省みてしまいます。急がば回れ、きちんと現況把握には努めないと。階段グラフは参考になりました。使いこなしたい願望はあれど、やはり心の余裕度が邪魔しそう…。あと、本書の最初の方にあるのですが、確かに知識は思考の邪魔をします。なまじ知識があることから、思考停止に陥ることは多いです。

採用基準−地頭より論理的思考力より大切なもの

伊賀泰代
『採用基準−地頭より論理的思考力より大切なもの』
ダイヤモンド社
2013年1月28日(電子版)
20131125 相変わらず余裕がない日々が続いています。前回触れたのですが、早速iBooksで購入。基本的にKindleと変わらないですね(起動が遅いとか)。ただ、iBooksだとMBAなどと同期してくれているのでよいかも。読み捨てる本は電子版で十分そうです。さて、仕事にあっぷあっぷな日々を過ごすと同時に、自分の足らなさを痛感する今日この頃、本書はかなりヒントとなり得る内容が多かったように思います。書名こそ『採用基準』ですが、中身はリーダーシップ論で、典型的な日本人思考(極度に衝突を避ける性格)な私には極めて重要な示唆を与えてくれたように思います。日々の生活、仕事などでいつもどこかに感じている違和感は、ここにあるような気がします。「どうすればいいのか、みんなわかっているが、誰も何もやろうとしないために、解決できないまま放置されている問題」。コレです。「それを責務として割り当てられた役目の人の仕事」という思考。ひとつ壁を乗り越える必要がありそうです。

ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた ―そしたら意外に役立った

堀江貴文
『ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた ―そしたら意外に役立った』
角川書店
2013年9月30日(電子版)
IMG_2617 余裕がないときには、Kindle。OSがMavericksになってiBooksがMBA上でも読めるようになったので、ちょっと試してみたい今日この頃。さて、時間的余裕がない日々を送っているので、簡単に読めそうな堀江君の本をチョイス。私も収監されたら、ゆっくり本読んで文章でも書いていたいです。という冗談はさておき、ホリエモンは基本的に嫌いな方ではないんですよ、私。まあ、ちょっとと思うところもありますけどね。本書は、タイトルの通り、堀江氏が獄中で読んで、薦めたい本が紹介されている、という本です。内容はさておき、副題の「そしたら意外に役立った」ですが、読書に限らず、大抵の学習は絶対役立つということは言えないけど、やっていると意外と役立つものです。読書なんて(◯◯なんて)何の役に立つのか、と言っている人には一生わからないとは思いますが。秋になりました。本を読みましょう。

伸びる30代は、20代の頃より叱られる

千田琢哉
『伸びる30代は、20代の頃より叱られる』
きこ書房
2013年8月31日(電子版)
IMG_2297 典型的な自己啓発本です。書籍は2010年9月発行のものらしいです。全7章、伸びる30代と沈む30代の特徴を70ほど取り上げて、端的に書かれてあります。共感するところ、自分の感覚とは少し距離があるところ(解釈によっては)とありますが9割方は全くその通りだと思います。世の中、最終的には能力ではなく性格です。当事者意識と感謝の気持ちをもって、事にあたっていれば必ず道は拓かれています。付け届けをしないと仕事が与えられないなんて、実力がない証拠であり、組織が腐敗している証拠(先はない)。口が堅いというのは信用という意味において最重要事項であり、いつも愚痴っているのは信頼されない人の特徴でもある。ホント、口は災いのもとです。20代までは先天的な能力がモノを言うが、30代からは後天的な努力の差が一気に顕在化するというのは、ああ、そうだなぁと思いました。あと「人格なき有能者は犯罪者である。能力なき人格者は卑怯者である。人格と能力は二つではじめて一つのものなのだ」と。

最新版 大学院留学のすべて 入学後絶対後悔しないための10のステップ

佐藤庸善 著、大学院留学コンサルティング編
『最新版 大学院留学のすべて 入学後絶対後悔しないための10のステップ』
明日香出版社
2011年4月23日
IMG_2156 海外留学というのはいつになっても夢ですよね〜。とは言え、海外留学を考えている学生を対応するにも全く知識もないので、ちょっと知識をつけておこうと夢見がちな気持ちで読んでみました。本書はかなり現実的かつ丁寧に300頁という内容からは、かなり内容の詰まったものだと思います。まず最初に手に取る本としてよいのではないかと思いました。しかし、日本の大学院受験とはかなりシステムが違うのですね。あと、大学院の役割や制度についても知れて、かなり有益でした。恥ずかしながらIELTSやGMAT、GREといったテストを初めて知りました。ちょっと気になったので学部時代の成績を引っ張り出してGPAを計算してみたりしました(3.4でした)。それにしても自分の場合、大学院云々の前に博士号をなぁ…

未来の働き方を考えよう

ちきりん
『未来の働き方を考えよう』
文藝春秋
2013年7月20日(電子版)
IMG_2153 言わずと知れたちきりんさん(@InsideCHIKIRIN)の著書。移動の多い9月にKindleで読もうと落としていました。本質を突いた評論は素直に面白いです(フォローしてないけど)。副題の「人生は二回、生きられる」というのは一生一つの仕事を続ける限界についてなのですが、これから寿命が長くなり、年金受給も遅くなることを考えれば、これまでのワークスタイルでは生き辛いだろうというのは容易に想像できます。過去に築いた人的資産の質と量ではなく、何歳になっても新たな人的関係を構築していく能力が大事というのは、持たない生き方を指向する私にとっては激しく共感するところです。中大の竹内先生(@kentakeuchi2003)の5つのキャリアシナリオは職業選択の際、とても重要だと思いました。これはゼミ生なんかには話してあげたいと思います。市場価値を意識することが肝要ですね。

会計リテラシーが仕事も人生も変える!

久保憂希也
『会計リテラシーが仕事も人生も変える!』
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2012年9月15日
IMG_1438 一般向けの会計本を1冊。個人的には、とてもわかりやすい本だったという印象。タイトルの“会計リテラシー”は、あとがきのところに“会計感覚”とあるのですが、一般にわかりにくいとされる会計を、直観的にわかりやすい例えで解説されており、まさに感覚を掴むことに重点が置かれています。外部での一般向け講演会なんかで、本書のネタを少し借りようかとも考えてしまいます。高校生向けの模擬授業にも使えるかも。“会計”というものを掴みどころがわからない代物だと感じていらっしゃる方にお勧めです。「会計をマスターする方法は何ですか?」という質問は、自転車に乗れる人に「どうやったら自転車に乗れるようになるんですか?」と聞いているのと同じという表現は、なるほどです。

税理士試験の受験生日記

福田広文
『税理士試験の受験生日記』
Amazon Services International, Inc.
2013年3月13日
IMG_1421 またもKindle。税理士試験を受けたことはないのですが、ゼミ生には受験生もいますし、体験記を読むことで何かアドバイスできることでもあればとダウンロード。科目合格制度というものがなければ、日本において最も難しい国家試験が税理士試験ではないでしょうか(1回で5科目合格する方は、1年に1人か0人ですからね)。会計学科(しかも税務会計ゼミ)、そして科目免除系の大学院(会計学)だったこともあり、今となっては周りには多くの税理士先生(昔は受験生)がいらっしゃいます。そして、私の授業を受けた学生のなかにも5科目合格者が出始めています。みなさん、どんな苦労をされたのか…、改めて税理士試験の過酷さを痛感しました(なんて恐ろしい試験…)。そして、特に資格を持っていない私ごときが、受験生を前に教壇に立ってよいものか、と思わされました。ある程度、体系的な知識はつけておかなければ…

イメージでわかる簿記の本

伊平彰俊
『イメージでわかる簿記の本』
Amazon Services International, Inc.
2013年2月12日
IMG_1413 移動時間のKindle本として数冊ダウンロード。電子書籍は、通常の書籍では絶対に流通しないようなものまでありますよね(笑)。超初心者向けとして書かれてある簿記の基本です。簿記って、本当に最初のハードルが高くて、どうすれば理解できるかを追求した内容と言えます。ただ、本当にわかりやすいかについては初心者の方が読んで、どう思うかです。個人的には、仕訳が出てきたところあたりから、勘定科目が出てきたあたりから、雲行きが怪しくなっている(結局ハードル高くなっている)ような気がしました。導入部分、B/SとP/Lの仕組みくらいまでは、とてもわかりやすいと思いました。まあ、簿記の授業は、私もいろんな角度から毎年攻めていっているのですが、なかなか受講生の多くを簿記・会計の世界に引き込むことには成功していません。

さっさと不況を終わらせろ

ポール・クルーグマン
『さっさと不況を終わらせろ』
早川書房
2012年8月25日(電子版)
IMG_1364 久々のKindle本。クルーグマンの本は実は初めて(HBRの論文を読んだことはありますが)。スティグリッツの本は好んで読むので、感覚的にはその延長線上。内容は単純明快で、ケインズ的な財政出動の推進、金融緩和についての流動性の罠に嵌まっている現状分析、規制緩和批判(あと共和党批判)と、今の経済の仕組みのマズいところを大変わかりやすく説明しています。皮肉っぽい書き方が多いので、田中先生の時価会計(国際会計基準)批判を読んでいるようです。読みやすさとその言い回しも似ています。結局、行き着く先は“政治”なんですよね。どこぞのパワーバランスで政策(制度)というのは決まっているということ。富めるものがますます富んでいくという構造、欲望の歯止めが利かない仕組みに誰がどういう意図でしてしまったのか…。経済学を勉強したのは、12年以上前で、今では記憶から消えてしまっているのですが、経済学の面白さが伝わりますね。経済学部生には、読んでもらいたい1冊です。

論点思考

内田和成
『論点思考』
東洋経済新報社
2010年2月11日
IMG_1247 いつ購入したのかは定かではありませんが積読の1冊。姉妹書である『仮説思考』は読んでいたのですが、book diaryを検索すると読んだのは7年前のようです(驚)。日々、教学改革に携わっていて感じるのが、論点設定の重要さ。正しい問い、真の問題に気付く力が問題解決の肝であるということです。今回、なるほどだと戒めておきたいのが、現象か観察事実を論点と間違えないことです。これは多くの議論、特にビジネスの現場でありがちです。実行すれば成果が上がる「筋のよい」論点を設定したいものです。コンピュータのシステムダウンを例にした、症状から原因のあたりをつける難しさは言い得て妙ですね。

会計理論のアポリア

藤田昌也
『会計理論のアポリア』
2012年12月10日
同文舘
IMG_0850 そういえば、藤田先生の会計計算構造論は好んで読んでいた頃もありました。冒頭に「利益は存在しているのであろうか? 利益はどこからくるのであろうか?」という問いかけがあり、フロー計算、ストック計算の論理から包括利益や分配可能利益、引当金、資本と負債・資本と利益の区分について、会計学のアポリア(行き詰まり)を展開されています。おもしろいです。知的好奇心を刺激されまくり。会計学をしっかり学んで、卒論のテーマを考える時期にある学生さんなどには読んでもらいたいなぁと思う一冊です。試験寄りになりがちな授業でも、こんな話ができるといいなぁとか思ったり…。そう言えば、研究室には藤田先生編著の『会計利潤のトポロジー』があります。こういう言葉が好きなのかな

会計学はどこで道を間違えたのか

田中弘
『会計学はどこで道を間違えたのか』
税務経理協会
2013年3月31日
IMG_0652 3月末に発刊された田中先生の著書。『税経通信』2011年1月号から2012年12月号までの「会計学の黙示録」という連載を書籍化したものです。言わずと知れたIFRS&時価会計批判です。相変わらず読みやすいので、会計学を勉強している方には、気軽に手に取ってもらいたい一冊です。今回の特徴は企業会計審議会での議論を前面に押し出して、連単分離や公正価値会計の批判をされていることでしょうか。時価情報を欲している投資家とは誰?というのが重要な視点なのかなぁと思いました。取得原価か時価か、受託責任か情報提供か、という話はいつも自分の修論を思い出します。自分のスタンスは基本的にその時から変わっていないのですが、田中先生の本を好んで読んでしまうあたり、考えは近いのかもしれません。

日商簿記2級遠回り日記

Nishiyama Kazuhiro
『日商簿記2級遠回り日記』
Amazon Services International Sales, Inc.
2013年2月22日
IMG_0346 Kindleで会計系のいい電子書籍ないかなぁ〜と見ていたら出てきた一品。こういう個人体験記も販売されているんですね。こういった内容は、Blogで多くあることでしょう。ただ、間違いなく埋もれるでしょうし、読まれませんよね。こうやって99円で販売されていると目立ちます。そして、ポチッとする人がたまにいるという(私)。巷に溢れる合格体験記より、多くの方のリアルに近いのでしょうか。書いてあることはすべて正しいです。小学校で習う四則演算ができれば簿記学習にはまず困りません。著者が商学部会計学科というのは親近感湧きます。こういう文章に触れるのも電子書籍の醍醐味かもしれません(ネット上にタダでいくらでも転がっているんですけどね)。

あふれる情報からアイデアを生み出す「ものさし」のつくり方

吉川昌孝
『あふれる情報からアイデアを生み出す「ものさし」のつくり方』
日本実業出版社
2012年10月20日
IMG_0322 博報堂の生活総合研究所というところで考えられた情報をアイデアに加工する「INSIGHTOUT」という研究アプローチについて紹介されています。情報爆発のこの時代、情報に振り回されているなぁと日々感じ、どう情報を整理したらいいかを日々悩んでいます。最初に書かれてある「情報メタボ」「視野狭窄」「情報の運び屋」は気をつけなくてはならない視点です。「INSIGHTOUT」については、インプット部分がとても参考になりました。アイデアやプレゼンについては、同感といったところ。最後に付録として、実際の事例が紹介されています。私の研究スタイルもこんな感じですね。完全に滞っていますが…

娘たちと話す 左翼ってなに?

アンリ・ウェベール
『娘たちと話す 左翼ってなに?』
現代企画室
2004年11月15日
IMG_0285 なかなかゆっくり本を読めないので、手許にあった瞬殺で読めそうな本をチョイス。日常的に使用される右翼、左翼ですが、意外と言葉の定義は曖昧です。ちなみに本書では、右翼・左翼の語源は1789年8月のフランス国民会議における王の権限を決める議決で右に王の支持者、左に反対派(革命派)が集まったことに始まると解説しています。著者がフランスの方なので、ほぼフランスの話で解説されています。左翼、右翼の解説はもちろんですが、教養を身につけることの重要性を説いているように感じました。ちなみに私はどっちでしょう。これが結構難しい。自分の立ち位置さえ、わからない未熟者なのです。

日々の100

松浦弥太郎
『日々の100』
青山出版社
2009年3月29日
IMG_9550 「暮しの手帖」編集長の書き下ろしエッセイです。小物を中心に、身の回りにある愛着のあるモノ、大切にしているモノなどを100個取り上げて、写真とともに紹介されています。とても人間味のある内容で、忙しいなか息抜きに読んでいて、ほっこりした気持ちになれる1冊でした。自分でも身の回りにあるもので、ちょっとしたこだわりや大切なものを写真と文章でまとめてみるのもいいな、と思いました。いいモノに囲まれることは、人生を豊かにしてくれます。なんてことのない普段の生活ひとつひとつに、ちょっとしたエピソードが紹介できる人って素敵ですよね。最後に“僕のこと”ということで著者の経歴が載っているのですが、かなり変わった経歴の方で、それも魅力的だと感じました。

世界の経営学者はいま何を考えているのか

入山章栄
『世界の経営学者はいま何を考えているのか』
2012年11月25日
英知出版
IMG_8975 超オススメ本です。会計学にもこんな本があったらと思わずにはいられない(私では能力不足)。研究活動について、自分を見つめ直す材料にもなりました。「おもしろい」ということと、それが「真理に近い」かは別の話というのは、とても大事な観点です。ここ最近、自分の中でもキーワードになっている「べき法則」は、複雑系の社会を分析するにあたって、やはり重要な概念ですよね。平均をとった統計分析結果と実際の企業の競争力には乖離があるように思います。現在は実証研究も蓄積がされてきているので、研究を研究するというメタ・アナリシスは有用だと思いました。いや〜、経営学おもしろいですね!

簿記のススメ −人生を豊かにする知識−

上野清貴
『簿記のススメ −人生を豊かにする知識−』
創成社
2012年5月20日
IMG_8900 中大に行った際に生協に並んでいたので購入。簿記学会の部会でまとめられた内容が中心です。地味な装丁ですが、プロローグに放送大学の岡部学長(@__obake)のインタビュー記事があり、掴みはかなりよかったです。プロローグ、第1部は、教養としての簿記を考える非常にいい内容になっています。第2部以降は、明治・大正・昭和のわが国における簿記教育の変遷や簿記テキストの話、コンピュータとの兼ね合いと簿記初心者には少々ハードルが高いと感じました(初心者向けとまえがきにはあるのですが)。本書を読んで感じたことは、やはり簿記の一巡というか資本循環に沿った、資本とは何かをきちんと理解することが重要だろうなということです。ここがあやふやなまま問題を解いている方が多いように思います。

MEDIA MAKERS –社会が動く「影響力」の正体

田端信太郎
『MEDIA MAKERS –社会が動く「影響力」の正体』
宣伝会議
2012年11月10日
IMG_8729 上京時の新幹線の中での1冊。Twitterでお馴染みの田端さん(@tabbata)の本です。アドタイの連載をベースにしているということです。メディアに関して、ビジネス観点から見ることはあまりなかったので、戦略や管理会計的に見れたのはよかったなと思います。経営資源の「人・モノ・金」の金がボトルネックにならなくなっているというのは確かに感じますね。人材(才能)やコンシューマーのアテンションが重要な要素になってきているというのは同感です。これだけ変化の激しい社会ですから、競争力を持ち続ける、生き残るためには“不易流行”がキーワードかなと思いました。

ソーシャルデザイン −社会をつくるグッドアイデア集

グリーンズ
『ソーシャルデザイン −社会をつくるグッドアイデア集』
朝日出版社
2012年1月15日
IMG_8559 2 紙の書籍は久々かもしれません。新書ideainkの第二弾(第一弾は津田さんの『情報の呼吸法』)。世界のグッドアイデアを紹介しているウェブマガジンgreenz.jpを中心にアイデアを形にしていくコミュニティづくりをしている方々だそうです。The Fun Theoryと呼ばれる社会実験が特に印象的でした。人間の行動を変えるには“楽しい!”と思わせることが大事というコンセプトには共感です。正解を求めることに徹した日本の教育に染まっていると、思考が堅くなりがちですが、その殻を破ることで全く違ったブレイクスルーがあるものだと感じました。実践されている方やライターさんは、同年代もしくは80年代後半生まれの若い方のようで勇気の湧く内容でした。

小説の一行目

小説の一行目研究会
『小説の一行目』
蠅靴腓Δい鵝、┘▲廛螻発:螢▲疋戰鵐船磧
2013年1月17日(アプリリリース日)
IMG_8547 iPhoneアプリで落とした書籍(?)です。昭和10年から平成24年上半期までの芥川賞、直木賞の全受賞作品325作の最初の1行目を収録しています。著作権に触れずに、よくこれだけの数の作品を収録したなぁと思ってしまいます。数文字のものから、3ページに渡る長文まで、実に多彩で想像力をかき立ててくれる文章でした。個人的には情報量の少ない短文の方が読んでいて刺激的です。世の中には変わるものと変わらないものがあると思うのですが、文章(小説)というのは、どの時代も変わらないもので、いつの時代も人は皆同じことを考えているのだなぁと感じました。きっと、1000年後もベストセラーは恋愛ものなのかもしれません。出身高校には、蘯のぶ子と伊集院静の芥川賞・直木賞作家がいるのですが、やはり目に留まるものです。『光抱く友よ』は、防府を思い浮かべました。

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義

Tina Seelig著、高遠裕子訳
『20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義(電子版)』
2011年2月28日
阪急コミュニケーションズ
20130220 Kindle第3弾。特に読みたい本だったわけでもないのですが、AmazonさんのおすすめということでKindleに落とした本です(ふとした瞬間に読めるかなぁと)。キーワードは“起業家精神”(それ系です)。印象的だったブックマークをご紹介。「並はずれた業績を達成した人々の最大の味方は、ほかの人たちの怠慢である」なるほどですね。老子の言葉「生きることの達人は、仕事と遊び、労働と余暇、心と体、教育と娯楽、愛と宗教の区別をつけない。(略)仕事か遊びかは周りが決めてくれる。当人にとっては、つねに仕事であり遊びでもあるのだ。」これもなるほど。「失敗していないとすれば、それは十分なリスクをとっていないからかもしれません」反省。「何かをしてくれたということは機会費用がかかっている」これは忘れてはいけません。「情熱とスキルと市場が重なり合うスウィート・スポット」これが熱い場所です。「目的地までの経路を決めないで、難しい問題に取り組もうとする気概」新しいものを作るのは並大抵の根性ではないということですね。起こすことは大変だ。

国際会計基準の着地点

田中弘
『国際会計基準の着地点』
税務経理協会
2012年11月1日
IMG_7266 東京出張の新幹線にて完読。いつもながらのIFRS&時価会計批判です。講演内容を書籍化しただけあって、とても読みやすいです(もともと田中先生の本は読みやすいですが)。状況認識は人それぞれなので丸呑みすることはできませんが、一意見として読むに値する本でしょうね。学部生にもオススメです。どうしても二項対立的かつ欧米性悪説調に語られているので、その辺はIFRS推進の意見もきっちり理解することが肝要です。ただ、私も修論(何年前だ)で連単分離というかグローバルとローカルで適用する会計基準は異なるべきだと書いていたので(だって確定決算主義なんだから)、IFRSは国際資本市場で資金調達する企業の任意適用でいいとは思います。ただ、新たな財務報告として統合報告書が語られる昨今ですから、会計報告というのがこれからどうなっていくのやら。

イノベーション思考の本棚

小山龍介
『イノベーション思考の本棚』
パブー
2011年8月26日
20130124 今回もKindleにて。本の出し入れがないだけで、こんなに便利になるもんですかね。さて、本書は27冊のビジネス書の書評本(紹介)です。超コンパクトにまとまっているのでストレスなくサラッと読めます。これからの時代を端的に表していると思えたのが次の項目。「機能」だけでなく「デザイン」、「議論」よりは「物語」、「個別」よりも「全体の調和」、「論理」ではなく「共感」、「まじめ」だけでなく「遊び心」、「モノ」よりも「生きがい」。これからの(今もそうですが)複雑形の世界、不確実な世界には、サイエンスではなくアートが重視されそうな気がします。単純(シンプル)なルールとコンセプト、様々な価値観や考え方を許容する寛容性とバランス感覚、こういったことを教壇でも伝えていきたいと思いますね。もちろん、論理思考を備えた上で。

ノマドと社畜 〜ポスト3.11の働き方を真剣に考える

谷本真由美
『ノマドと社畜 〜ポスト3.11の働き方を真剣に考える』
朝日出版社
2013年1月11日
20130116 twitterでおなじみの@May_Romaさんの本です。初めてKindleで講読。というのも、そもそも今は電子書籍でしか提供されていないので。電子書籍いいですね。iPhoneで読むというのは画面は少し小さいですけど、いつでも取り出せる利点と嵩張らないのは最強です。さて、世間ではノマドへの憧れのようなものが全盛(?)です。いかにフリーランスな生き方が大変かは私も一応わかっているつもりです。自分で稼ぐということは想像以上に大変です。でも、自分の専門性を磨いている人にとっては、魅力的なワークスタイルだと思います。本書に書かれていることは基本的に同意です。少々きつめのことも書いてありますが、だからといって委縮せず、是非チャレンジしてもらいたいと思います。働き方は、人それぞれですよね。そういえば最近、豊かさとは何か考えるようになりました。昭和的な価値観からは脅威なのかもしれませんが、日本が柵に囚われず、よりよい社会になっていくことを望みます。

気にしない技術

香山リカ
『気にしない技術』
PHP研究所
2011年11月1日
IMG_6541 久々に読みましたよ、香山さん。昔から結構読むことは多いんですよね。エンタメ系でさらーっと読めるので。まあ胡散臭いですが。こういう極端な例示で相手を納得させようとする論法は、ツッコミどころ満載ではありますが、やはり読み手としては面白く読めるものです。結局、否定している対象に対してと同じパターンで逆の内容を返しているだけなのですが…。ワードショーを鵜呑みにするような方、思い込みの激しい方なんかは嵌ってしまうのかな。勘違いはしない方がいいです。物事は客観的に判断しましょう。さて、「気にしない」ことは結構大切です。ちょっと前に鈍感力なんてものがありましたが、まさにそれ。ストレスは溜め込まないことです。はい。

「当事者」の時代

佐々木俊尚
『「当事者」の時代』
光文社
2012年3月20日
IMG_6365 新書にして465頁というちょっと文量は多めの1冊。今月厳しいかなと思っていたところ、ちょうど体調を崩して通院がいくらかあったので、その待ち時間で読了。キーワードは“マイノリティ憑依”です。自分都合で弱者や被害者の気持ちを勝手に代弁し、当事者意識が薄いというのが根幹にある問題提起です。本文では“エンターテイメント化された免罪符”が本質とあります。『ノルウェイの森』での緑の「こいつらみんなインチキだって。適当に偉そうな言葉をふりまわしていい気分になって、新入生の女の子を感心させて、…」というセリフは言い得て妙です。日本人における戦争などでの視点として、被害者=加害者という解決の難しい論点もなかなか面白い内容でした。何か発言する際には、当事者意識をもって当たることが大切ですね。

ソフトウェア開発はなぜ難しいのか 「人月の神話」を超えて

大槻繁
『ソフトウェア開発はなぜ難しいのか 「人月の神話」を超えて』
2009年11月25日
技術評論社
IMG_6125 技評SE選書を1冊手に取ってみました。言わずもがな私、元SEです。最近、twitter上で#○○死亡カルタというハッシュタグが流行っていましたが、#IT死亡カルタはこの業界のブラックな慣行を集めたブラックユーモア溢れる内容でした。さて、ソフトウェア開発というのは、大変難しいものであるということを身をもって知っているのですが、その難しさは40年来、ソフトウェアエンジニアリングという研究領域で叫ばれていることから本質的なものと言ってよいように思います。その象徴でもあるのが、本書の前半部分にもある「人月」という単位です。ソフトウェアに限らず、労働、そしてその管理のあり方として普遍的な課題を突き付けているような気がします。デスマーチという不毛な労働を少しでもなくす、マネジメントが求められますね(話が変わってしまった)。

僕たちは知恵を身につけるべきだと思う

森田正康
『僕たちは知恵を身につけるべきだと思う』
クロスメディア・パブリッシング
2012年9月11日
IMG_5811 おもしろい経歴(UCバークレー→ハーバード→ケンブリッジ→…→東大)の著者です。タイトルは今の時代に合っているのではないでしょうか。内容はなかなか面白い処世術だと思います。“安定を求めるのであれば、安定を捨てること”ってのは、大事な観点です。“これがしたい”“こうなりたい”を具体化するべきでしょう。そして、前向きに取り組んでいく。合理性と義理人情は切り離せないという話も頷けます。各セクションの最後に偉人紹介や賢者の知恵というミニコラムがありますが、夏目漱石の「智に働けば角が立つ、情に棹されば流される、意地を通せば窮屈だ」は言い得て妙ですよね。全体を通して、所々日本語に違和感ありましたが、まあ細かいことは気にしない。いやぁ、これからの世界はエキサイティングですね。

なぜ、あの人の周りに人が集まるのか?

志賀内泰弘
『なぜ、あの人の周りに人が集まるのか?』
PHP研究所
2012年5月21日
IMG_5795 また似たような本です。通勤でサクッと読める本をチョイス。水戸黄門かっという内容です(若干ネタばれ)。ポイントはマニュアル人間になるなということでしょうか。マニュアルというのは、あくまで最低限のもので上限ではないという。決められていることを決められている通りにやっているだけでは、なかなか発展はないよと。守破離という考え方もありますが、おもてなしに関してはマニュアルは最低限のもの。相手の心の琴線に触れるためには、やはり型に固執せずに、相手に合わせた臨機応変な対応というのが必要になるでしょう。個人的には「おせっかいだと思われたらどうしよう」という考えを少し後退させる必要があるなぁと考えさせられました。

あなたが落ちぶれたとき 手を差しのべてくれる人は、友人ではない。

千田琢哉
『あなたが落ちぶれたとき 手を差しのべてくれる人は、友人ではない。』
日本実業出版社
2012年8月20日
IMG_5792 ↓と同じく対人関係の本です。これまたサラッと読める本。70個の処世術といったところでしょうか。共感できるところは多いです(全部が全部ではありませんが)。タイトルの“あなたが落ちぶれたとき 手を差しのべてくれる人は、友人ではない。”というのも、一概には言えないはず。本書の内容は、要は自分をしっかり持てということなのではないかと解釈します。あと、心遣いは大切にと(ベタベタするのはダメ)。わかっちゃいるけど、なかなか実践するのは難しいんですけどね。日々の心掛けです。

特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ

五百田達成、堀田秀吾
『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』
クロスメディア・パブリッシング
2012年6月11日
IMG_5788 タイトルまんまの人なので、購入。各エピソードごとに“ここさめ(心が冷めてる)度チェック”があるのですが、まあ当て嵌まりますわな。コミュニケーションって難しいですよね。さて、内容は見た目通り、コンパクトで読みやすいです。心理的な考察が入るところがとても面白いし、共感しますね。「飲み会は這ってでも行け!」という教えは、到底私には出来かねますが。考え方(気持ち)次第で、見えてくる世界は違うものです。個人的には、こういう人それぞれの癖というのは、やはりこれまでの環境にあるのかなと。本書の最後にFBTwが紹介されているのですが、Twがつぶやきゼロでちょっとビックリしました(フォローしてみよう!って書いてあるのに…)。ちなみにFBの方は積極的に運営されています。

気づく仕事

博報堂 研究開発局
『気づく仕事』
集英社
2012年4月30日
写真 いわゆる“気づき”に焦点を当てた本です。“気づき”から得るものは計り知れないといっていいでしょう。そして、“気づき”を得られなければ、成長はない。本書は、広告を生業とする博報堂において、いかに生活者が気付いていないことに気付くことができるかという課題に対する“気づき”を得るための方法論をまとめたものです。会議ではなく打合せによる共同脳空間をつくるというのが主な内容といってよさそうです。なるほどなぁと思ったのは、サッカーでのキラーパスを気づきに置き換え、いつ、どこで、どのように生まれるかは、わからない、ただ、それを得るための効果的な道筋があるという。つまりは、かたち(組織やフォーメーション)を整えただけでは、生まれないという。とっても頷けます。

IFRSはこうなる 「連単分離」と「任意適用」へ

田中弘
『IFRSはこうなる 「連単分離」と「任意適用」へ』
東洋経済新報社
2012年3月31日
IMG_5574 時価会計・国際会計基準反対の田中先生、今回も炸裂しています。会計を学び始めたときから、原価主義に傾倒している私としては読みやすい本です。企業会計原則もラブです。しかし、わかりやすく書いてあるようで、なんか違うような、そういう違和感は、いつもながら感じます。副題の“「連単分離」と「任意適用」へ”ですが、現実的にはこの方向で間違いないと思いますね。さて、本書のなかで大変共感した一文を。「…常識を論理的に構成することにあり、したがって、論理構成そのものは技術的に緻密で、素人の常識には分からなくても、その結果は、まったく素人の常識に一致するものとなるであろうし、またそうならなければならない。(続く)」これが我々の仕事。

武器としての決断思考

瀧本哲史
『武器としての決断思考』
星海社
2011年9月21日
IMG_5374 Twitter(@ttakimoto)でもフォローしていますが、京大の客員准教授の瀧本先生の著書です。3月に読んだ『僕は君たちに武器を配りたい』と同じタイミングでの新書のようです。姉妹書として、『武器としての交渉思考』という新書もあります。京大では意思決定の授業を担当されていることもありますが、自分で考えて、自分で決めていくという思考方法について、ディベートの仕方を中心に書かれてあります。世の中にいかに詭弁が多いかというのを思い知らされます。意思決定というのは、最終的には主観で決めることになるわけですが、そこに至る過程として、客観を経ることの重要性が説かれています。思考方法としては間違っていませんし、勉強になるわけですが、ディベート方式の考え方はプライベートではあまりお勧めできませんね。嫌われてしまう(笑)

今日から始める 思考のダイエット

佐野研二郎
『今日から始める 思考のダイエット』
マガジンハウス
2010年3月25日
IMG_5370 LISMO、ニャンまげ、Tブー!Sなどを手掛けられたアートディレクターの方だそうです。考えずに簡単に読めそうなので購入しました。こういった広告系(クリエイティブ系?)の内容は、アイディアの発想の参考として、とてもいいですよね。思考のプロセスとして、間違っていないと思います。クリエイティブな人って、発想の裏に膨大な蓄積(努力)があって、かつ情報の整理がうまいというか、非常に冷静かつ的確にミッションを遂行されています。そして、何よりそれを楽しんでいる。本書で、自分でも特に意識したいのは、リミット、速決、寝かすの3つですかね。自分に甘くいては、なかなか先に進めません。

ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人【第二版】

荒井玲子
『ソフトウェア開発で伸びる人、伸びない人【第二版】』
技術評論社
2009年11月25日
写真[1] SEをしていた2006年当時に技評SE新書で第一版を読んだことがあります。ふと目に留まって手にしたのは何となく覚えているのですが、いつ購入したかは定かではありません。書名の通り、ソフトウェア開発者の話なのですが、多くの職業に共通する内容だと思います。著者は音大卒で、最後に音楽との関連を述べられていますが、ソフトウェア開発は、非常に汎用的な構造を持っていると思います。たった3年でしたが、この職に就いたことは、とても大きな意味があったと思います。論理的思考を鍛えられたし、何よりクリエイティブな仕事内容には、いつもワクワクさせられました。そんなことも思いながら楽しく読みました。

国民の修身

渡部昇一
『国民の修身』
産経新聞出版社
2012年7月31日
写真 特に思想的にアレなわけでもないのですが、ちょっと目に留まって、内容に興味を持ったので。解説は素っ頓狂でしたが、内容は楽しめました。天皇陛下万歳以外は、とてもいい教訓だと思います。日本人の持つ道徳そのもののイメージと言ってもよさそうです。それにしても全く時代背景も異なるのに、その生活様式を理解できるのが不思議なものです。昔はカタカナが先で、ひらがなが後だったんですね。小学校低学年の教科書なのに、とても読みづらかったです。自分のときの道徳の教科書や内容はあまり覚えていませんが、このくらいの内容がシンプルでいいですね。やはり四経がもとになっているのはいい。

媚びない人生

ジョン・キム
『媚びない人生』
ダイヤモンド社
2012年5月24日
IMG_3709 ここのところ経歴詐称で叩かれていた、慶應のキム先生です。ちょうどその問題が出る前に購入していたのですが、なかなか読むことができずに…。ご本人がどのような方なのかは、よく知らないのですが、この方の考え方というか、人柄がものすごく出ている内容だと思います。共感できる内容です。少々、主張が強いですが。これからを生きる学生の皆さんには、本書で書かれていることを意識して欲しいですね。私なりの解釈では、自分に正直に生きるということでしょうか。上っ面を気にしていたら、前には進めません。良い面、悪い面、すべてを素直に受け止めて、前に進んでいくための力に変えていく。これが肝要です。

クリエイティブマインド

杉山恒太郎
『クリエイティブマインド つくるチカラを引き出す40の言葉たち』
インプレスジャパン
2011年10月21日
IMG_3311 「ピッカピカの一年生」、「セブンイレブンいい気分」を手掛けたクリエイターの杉山さんの言集です。簡単に読めますし(量が少ない)、とても含蓄があっておもしろかったです。共感した言葉をご紹介。「だれも見たことのないような すばらしい作品は、いつも自由な精神から生まれる。」※制約(不自由)が大切の意「仕事とプライベートは分けない。両方一緒に楽しまなきゃ。」※ON/OFFなんてない、いつもONであれの意「加害者意識をもって生きろ。被害者意識をもって生きるな。」※被害者意識からは何も生まれないの意「「教養」は、英語だと「リベラルアーツ」。つまり、「自由になる技術」。知識は人を自由にする。」※情報や単なる知識ではダメの意「アイディアは思い出すもの。」※アイディアとは蓄積であるの意「自己模倣は、最大の敵。」※成功体験への安住はダメの意 他にもいろいろあるのですが、勉強は「直観力を磨くため」という小柴昌俊さんの言葉は“なるほど”と思いましたね。いやー、こういう意識って大切。

経営者・平清盛の失敗

山田真哉
『経営者・平清盛の失敗 会計士が書いた歴史と経済の教科書』
講談社
2011年12月15日
IMG_3315 山田さんの本を久々に読みました。やっぱ読みやすいし面白いです。ちょうど大河で平清盛をやっていて、山田さんが神戸出身ということでのチョイスなのでしょうか。そもそも平家物語はドラマとして、ものすごく面白いですよね(大好きです)。最近の研究結果からの新発見もあわせ、考察されているのがまたGOOD。私も昔は歴史が大好きだったんですが、最近は“歴史ヒストリア”くらいでしか触れることないな…。それにしても、山田さんを見ていると会計士になると幅広く活躍することができるよなぁなんて思います。

大学生は、なぜ公認会計士を目指さないのか。

五十嵐明彦、盒驚亮
『大学生は、なぜ公認会計士を目指さないのか。 〜知らずに損していませんか〜』
税務経理協会
2010年10月1日
IMG_3314 会計専門職を目指す学生へのサポートを職業としているので、こういう本も読んだ方がいいかなと思い、書店で手に取ったんだと思います。記憶は定かではありません。会計士試験は、モチベーションの維持、2年以上勉強をし続けることが最も難しい部分だと思います。ただ、この期間の勉強で人生が変わるのですから、むしろ他のプロよりはハードルは低いのかもしれません。あと、言えることは合格者が「合格しなければよかった」なんてことは、おそらく誰一人も思わない試験だろうと思います。みんなには頑張ってほしいと願うばかり。さて、簿記3級は、英語の学習でアルファベットを覚えるようなもの、簿記2級はF1ドライバーを目指す人が普通免許を取るようなものという例えはしっくりきました。ここは当然、満点合格でクリアすべきでしょう。あと、本書で会計士試験の偏差値換算の内容を知れたのは大きかったな。

街場の大学論 ウチダ式教育再生

内田樹
『街場の大学論 ウチダ式教育再生』
角川書店
2010年12月25日
IMG_2942 大学のこととなると、ちょこちょこ名前が挙がってくるので買ってみました。何気に、過去にも著者の本を読んだことがあることに今日、気付きました。結構、共感する内容が多い本で、ドックイヤーもいつもより多かったかも。ブログ記事を書籍したもののようで、ちょっとしたコラムが延々と続いている感じで読みやすいです。さて、紹介したい内容が多くて困りますが、とりあえず、日々の教育活動を丁寧にする他にすることはないかな、というのが私の結論。ムダなものはムダ(形式化や数値化が目的化してしまうとか)なので、しっかり地に足のついた改革が肝要ですね。いろんなところで使えそうな言い回しがいっぱいありました。

シュナの旅

宮崎駿
『シュナの旅』
徳間書店
1983年6月15日
IMG_3307 心斎橋のSTANDARD BOOKSTOREにあったので購入。ナウシカの原点といった感じの内容です。主人公のシュナ(少年)もテナ(少女)もナウシカと見間違えます(笑)。原作はチベットの民話だそうです。中身は絵物語。あとがきに「現在の日本の状況では、このような地味な企画は通るはずもありません。」と書かれてありますが、今ならいけるかも。とか思ってしまいます。ナウシカ(原作)は重過ぎるので、このくらいコンパクトな内容はいいのでは。ちなみに研究室にはナウシカ全巻揃ってます。読めますよ。

僕は君たちに武器を配りたい

瀧本哲史
『僕は君たちに武器を配りたい』
講談社
2011年9月21日
img2990 卒業式シーズンということもあるのでしょうか。手に取ってみました。本書では「英語・IT・会計知識」を“奴隷の学問”と切り捨てており、会計を担当している私としては、残念な気持ちはありますが、今後生きていく力を身につけていくには、なかなか刺激的な内容なのではないかと思います。起業論を専門とする著者の意見は、完全な投資家目線なのですが、資本主義社会に暮らしているわけなので正しい観点と言えます。個人的には、ちょっと極端かなぁと思うところも多々ありますが。生き残るためには唯一の人間になること、英語の勉強をする前に自分の商品価値(売り)を作れというのは、確かに的を射ています。あと、従業員を大切にする会社は、顧客を大切にする会社、その逆も然りというのは言い得て妙です。もともとのテスト結果&学歴重視に、今は+αで意欲、コミュニケーション力、ネットワーク力と企業が求める人材像というのは目茶苦茶だと思う今日この頃。結局は、地道にこつこつきっちりと物事をこなせる力がモノを言います。

情報の呼吸法

津田大介
『情報の呼吸法』
朝日出版社
2012年1月15日
IMG_1863 久々にソーシャルメディアに関する本を読みました。これ系の本を読んだ後は、大抵、「おっ、それやってみようかな」ってのがいくつか出てきて、試してみるということが多い気がします。Twitterを本格的に使い始めたのも本がきっかけだった気が。さて、総じて共感できる内容でした。あとがきにある「正直者がバカを見ない世界」というのは、ハッとさせられました。正直に愚直に行動することが可視化されるというのは、いい部分ですよね。等身大の自分を「情報化」して、ソーシャルキャピタルを構築していく。あと、直感は勘ではなく、それまでの知識と経験で脳が「こうだろうな」って、高速に結論をくだすものというのは、確かにそうですよね。直感って、情報のストックと経験の差ですよ。

アホ大学のバカ学生

石渡嶺司、山内太地
『アホ大学のバカ学生 グローバル人材と就活迷子のあいだ』
光文社
2012年1月20日
IMG_1675 ご存知の通り、私は現場にいます。品のないタイトルですが、やはり興味津々です。思うところもいっぱいあります。私の基本的なスタンスは、継続は力なり。派手な結果はなくとも、こつこつ続けていくことが肝要だと思っています。教育にせよ、研究にせよ、就活にせよ。「特進クラス」と「幼稚園化」というのは、大学改革の最先端ですが、後者はよく叩かれますね。どの大学も(東大も海外の名門校も)初年次教育には力を入れていますし、面倒見がいいのは当たり前な気がします。多くの大学が教育力なくして明日はないのは避けられない現実。世の中としても社会に人材を還元できない大学は不要でしょう。個人的な感覚ですと、今までが異常だった(週に数日大学に来て、授業やって帰るなんて、どう考えてもおかしいでしょ?)と思います。どうでもいいことですが、国内の大学をすべて訪問されたという著者(山内氏)を昨年学内で一度見かけたことがあります。さて、頑張るしかないですね。

逆行

尾原史和
『逆行』
ミシマ社
2011年2月2日
IMG_1567 『R25』や『TRANSIT』などのデザインを手がけられてきた尾原さんという方の自伝的な読み物です。気持ちこそがすべてを凌駕できるっていうのは、この方の勢いを感じます。著者のこれまでの経歴をみても、まさにそれを地で行ってらっしゃる。こんなパワフルな方がいるんだなぁと思うくらい。でも、その気持ちを成果物まで持っていく努力は人並み外れたものがあります。凡人には到底真似できないレベル。キメるやつは絶対キメてほしいときに、いつもやってのける。この瞬間をものにできるかが一流と二流を分けるポイントだとか。恐れ入ってしまう。共感した部分で、解像度が高い人という表現があった。小さい部分をどれだけ拡大してもずっとクリアに見えて、全体として見たときも、キリッと澄んでいる。これが正しい、仕事ができる人。いや〜、恐れ入った。

考えの整頓

佐藤雅彦
『考えの整頓』
暮らしの手帖社
2011年10月28日
IMG_1347 ピタゴラスイッチや2355を手掛けていらっしゃる佐藤雅彦先生の『暮らしの手帖』のコラムを本にしたものです。コラムを書籍化したものって読みやすくて好きです。普段見落としがちな何てことのない日常の?を、粋な視点で観察されているものが多くて大変面白く読ませてもらいました。11月に読んだ齊藤先生の『「意識の量」を増やせ!』じゃないですけど、何にしても意識するかの差ですよね。ちょっとしたことを文章にして、人に読ませられるって、素敵ですよね。大阪に来て、忙しさにかまけてコラムを書かなくなってしまいましたが、再開したいな。ジャンルの違った方の文章を読んでインスピレーションを受けるのは、本当に楽しいです。多読を習慣づけし直さないと。
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