稼ぐが勝ち

堀江貴文
『稼ぐが勝ち』
光文社
2004年8月10日
2.18 ホリエモンこと堀江貴文ライブドア社長です。この人どんな人なのかと思いまして、読んでみました。シンプル・イズ・ザ・ベストや基本に忠実ということは、まさに成功の法則だと思います。実際、これがものすごく難しいんですけど。まあ、ガチガチの官僚や政治家よりは、この人の方がよっぽど好きです。とりあえず、こんなことができるのは今のところ彼しかいないので必要な存在でしょうね。しかし、ビジネスマンの常ですが、いつもビジネスを女の口説き方を例に説明するんですよね。

メディア・コントロール

ノーム・チョムスキー/鈴木主税訳
『メディア・コントロール』
集英社
2003年4月22日
2.17 チョムスキーの本もいくらか読んできましたが、なかなか宜しいです。でも、本職である言語学の本は読んだことないですけど。かなり批判的に書かれてあるので、全てを鵜呑みにするわけにはいかないですけど、かなり真意を突いています。普段からメディアを無批判に受け入れがちな多くの日本人には、是非読んでもらいたいと思います。ものごとはまず疑ってみることです(世知辛いなぁ)。騙されないためには。客観性を出すために火星人のジャーナリストを登場させたのはいい方法でした。

文明の衝突と21世紀の日本

サミュエル・ハンチントン/鈴木主税訳
『文明の衝突と21世紀の日本』
集英社
2000年1月23日
2.14 『文明の衝突』は、読んでないですが新書コーナーで目に留まったので買いました。思いのほか面白かったです。ここでは文明と呼ばれますが、文化の違いというのはどこまでも深いものがあると思います。いろいろな観点から国際関係を見ることが出来ると思いますが、やはり文化を抜きには語れませんよね。アメリカと中国という大国の間で今後日本はどのような関係を築き上げ、世界はどうなっていくのか見物です。あと、日本が独自の文明として捉えられていることに今更ながら驚きました。

貧困の克服

アマルティア・セン/大石りら訳
『貧困の克服』
集英社
2002年1月22日
2.9 集英社新書には、結構いい訳本があるようです。3冊ほど買ってみました。さて、センはスティグリッツとともに私が好んで読む経済学者です。貧困や不平等といったものを対象に哲学や倫理、人権等を組み合わせた幅広くも一貫性のある研究は素晴らしいの一言です。スティグリッツと同様に世の中で何が間違っているのかをわかりやすく論理的に指摘してあると思います。日本では、インドに対する見識は一般的には低いと思いますが、歴史も思想も中国に匹敵するスゴイ国です。それを知るにもいい本かもしれません。

スティグリッツ早稲田大学講義録

藪下史郎、荒木一法編著
『スティグリッツ早稲田大学講義録』
光文社
2004年10月20日
2.6 スティグリッツが早稲田で特別講義をしていたとは知りませんでした。早稲田のCOEは、WIN-CLSの方は結構行くんですけどね。GLOPEは知りませんでした。知ってたら行ったのに。現実の経済問題をわかりやすく率直に指摘し、批判するスティグリッツの姿勢は学者としてあるべき姿だと思います。早稲田での講義は、『世界を不幸にしたグローバリズムの正体』に書かれてあるようなIMF批判が中心です。本の後半は、講義の解説と簡単な経済学の説明といった感じでした。

コンプレックスに勝つ人、負ける人

鷲田小彌太
『コンプレックスに勝つ人、負ける人』
PHP研究所
2005年1月5日
2.3 コンプレックスのない人はいないです。でも、コンプレックスを自分でどうやって処理していくかが大切ですよね。卑屈になったり、周囲を恨んでもしょうがないです。プラス思考でいきましょう。先天的なもの(容姿、家柄、IQなど)に対するコンプレックスというのは、自分の考え方を変えるしかないですけど、後天的なものに関しては大抵努力不足なだけだと思います。ちょっと努力すれば克服できるものは結構多いです。私の英語コンプレックスもその一つ。

けいざい心理学!

日本経済新聞社編
『けいざい心理学!』
日本経済新聞社
2004年11月8日
1.30 最近は、電車の中で小難しい本は読みたくない気分なので読み易いものばかり読んでいます。この本もページ数も文章も少なく、挿絵ばかりでサクッと読める本です。世の中思ったようにはいかないよ的な内容ですね。副題の“「気分」と「直感」で経済は動く”がそれをよく表しています。直感の鋭い人っていうのは、羨ましいです。それなりの経験と知識があっての直感ですけどね。あと、用語解説の乾いた説明が個人的には嫌いじゃなかったです。

自分で決められない人たち

矢幡洋
『自分で決められない人たち』
中央公論新社
2004年9月10日
1.27 主として依存性に関する内容です。決め付けないようにとかなり念を押されていますが、かなり誤解を与える内容が多いように感じました。依存に関して偏見を含んでいるように感じますね。あと、勝手に解釈して一人歩きしている感もあります(社会のすべてをこの観点で捉えるのは無理があります)。依存と自立、それぞれに長所と短所があるわけで、依存自体が悪いわけではないです。人間の性格は十人十色だからこそ面白いわけですから。まあ、どんな形であっても度が過ぎていては困りますが。

パラサイト社会のゆくえ

山田昌弘
『パラサイト社会のゆくえ』
筑摩書房
2004年10月10日
1.25 4,5年前に『パラサイト・シングルの時代』を読んで面白かったので、その続編的な本みたいなので読んでみました。今の社会状況というのをとてもよく捉えている内容だと思います。全くもってそういう時代なんですよね。しかし、それをどう打開していくかというところが欠けていたのが残念です。社会学者さんの言うことは、とても説得力があって「いいこと言った!」「その通り!」というものが多いのですが、いくらか深読みし過ぎているものも少なくないようにも感じます。「それは考え過ぎだよ」みたいな。

座右の諭吉

齋藤孝
『座右の諭吉』
光文社
2004年11月20日
1.19 『座右のゲーテ』に引き続き読んでみました。ちょっと小難しい原書を読まなくても内容を掻い摘んでわかりやすく紹介してあるのでこういう本はなかなかよいと思います。もちろん原書をきっちり読んだほうがいいんですけど。齋藤さんではありませんが、福沢の考え方はかなり私なりに似通った部分があるなぁと感じました。人との関わり方なんて特に。しかし、福沢諭吉というのは大した人ではありますが、もう少し欠点というか弱いところも見せて欲しいと感じますね。なんかこれじゃ完璧じゃん。

市場(スーク)の中の女の子

松井彰彦
『市場(スーク)の中の女の子』
PHP研究所
2004年11月5日
1.17 薦められて読んだんですけど、想いのほか好かったです。経済について、世の中について、これほどわかりやすく切実に語られている本はなかなかないと思います。文化や個々の相違に焦点を当てて研究することの大切さを常々感じている私にとって共感を覚える内容でした。考えている人は考えているものです。この本は、本当に誰にでも読める本です。経済系の学生さんに限らず是非読んでもらって経済や市場について考えてもらいたいですね。著者の『慣習と規範の経済学』もいい本です(これは学術書)。

崖っぷち弱小大学物語

杉山幸丸
『崖っぷち弱小大学物語』
中央公論新社
2004年10月10日
1.15 今日明日とセンター試験のようです。全入時代を前に大学間の競争(いろんな意味で)が激化しているとニュースでも新聞でも連日報道されています。世の中には、定員割れの大学、入学難易度をつけることが不可能なFランク大学というのも多く出現してきました。今後は潰れていく大学もどんどん出てくるのでしょう。この本は、そんな弱小私立大学の現状やどのようにしていかなければならないかということが書かれてあります。日本の大学は多過ぎますよね。研究とリベラルアーツの大学に分けた方がいいよ。

座右のゲーテ

齋藤孝
『座右のゲーテ』
光文社
2004年5月20日
1.12 いいですよね、ゲーテ。秋に複式簿記をどんなふうに賛美しているのかを知りたくて読み始めましたが、そんなことはどうでもよくなり、その内容にとても惹かれました。結局、ヴィルヘルムとウェルテル全部読みました。ちょうど壁に突き当たっていたので(この本の副題は、“壁に突き当たったとき開く本”)とても励みになったものです。この本に紹介されているものもとてもゲーテらしい内容です。いい復習になりました。『ゲーテとの対話』読まなくては!

頭がいい人、悪い人の話し方

樋口裕一
『頭がいい人、悪い人の話し方』
PHP研究所
2004年7月2日
1.9 読みやすい本です。勉強はできなくても頭の悪い人にはなりたくないですよね。読みながら、いるいるこういう人、自分もそうかもしれないなんて思いながら普段の会話を省みてみるとよいのでしょう。少なからず、人間みんな自分勝手なもんですから、よっぽど人間ができているか(生き仏?)、関係が薄いということ以外に不愉快な思いをさせない人はいないでしょう。今、気付きましたがblog形式にして、ほとんど岩波だったんですね。初PHP。

金融工学とは何か

刈屋武昭
『金融工学とは何か』
岩波書店
2000年5月19日
1.8 金融工学というと、難しい数学が駆使されていて文系の私には理解できそうにないですが家にあったので読んでみました。リスクのあるところに金融が必要となってくるというコンセプトで書かれている本です。不確実性の高まる経済社会で、リスクはあらゆるところに潜んでいますよね。最近では、相次ぐ災害が起きていますが、保険も金融。不確実性の高まる経済社会で金融の知識は必要ですよね。この本が書かれたのが2000年、今年はもう2005年、経済環境も金融もかなり進化していると思います。金融工学も難しくなってるんだろうなぁ。

変革期の監査風土

変革期の監査風土
柴田英樹
『変革期の監査風土』
プログレス
2002年12月15日
1.7 久々に会計関連の本を読みました。まあ、本自体も久々だったりするんですけど。監査風土に焦点を当てながら監査制度の問題点を指摘していくという非常に面白い本でした。常々、物事の本質には文化というのが深く関わっていると考えているので、こういう研究は非常に意味深いものだと思います。また、各国の文化や会計制度についても触れられているので、国際会計を勉強する方には読んで損はないと思います。これから会計士を目指すという人にも会計事務所の話も盛り沢山なのでお勧めです。

映像とは何だろうか

吉田直哉
『映像とは何だろうか』
岩波書店
2003年6月20日
12.13 映像にしろ何にしろ何かを制作するときにどれだけ意味(意識)を持って行うかということが重要だということを感じました。そういう意味で、NHKでディレクターをされていた著者は番組作成に高い意識を持って臨んでいらっしゃったと言えます。このくらいの意識を持って番組を作成してもらいたいものですね。この本に出てくる1962年放送の『日本の模様』は、少し前にアーカイブスで見たことがあります。日本の家紋のデザイン性とこの番組の発想は素晴らしかったです。

裁判官はなぜ誤るのか

秋山賢三
『裁判官はなぜ誤るのか』
岩波書店
2002年10月18日
12.8 全く関係のない本を読むときが一番安らぐ時間と言えます。さて、この本は冤罪がなぜ起こるか、起こさないようにするためにはどうすればよいかということが元裁判官の著者によって書かれてあります。「疑わしきは被告人の利益に」という言葉に表される基本的な思考が裁判官において希薄であることが問題であると指摘しています。しかし、刑事裁判における有罪率が99.9%というのは確かに異常です。裁判官がいる意味があるのかないのか。これじゃ検察官が有罪か無罪かを決めているみたいですよね。

宇宙人としての生き方

松井孝典
『宇宙人としての生き方』
岩波書店
2003年5月20日
12.2 ものごとを考えるうえで、一番大きな視点といえるのが宇宙の話でしょう。宇宙の話を進めるにしても対照や視点を明らかにしないと話は進みませんが。この本は、そういうところが非常にきちんとしていて論理一貫性があり、分かりやすいと言えます。章のはじめに知求ダイヤグラムとして8個の図が示されています。これ何かに使えるかも。この本のように、非常に論理的に宇宙をみていくのもいいですが、宇宙のロマンに浸るのもまた一興。

市民科学者として生きる

高木仁三郎
『市民科学者として生きる』
岩波書店
1999年9月20日
11.25 かなりクセのある方だということがひしひしと伝わってくる本でした。でも、その気持ちや考え方には共感します。しかし、自分に誠実であり続けることはそう簡単にできることではないです。高木さんのような市民科学者として生きるのはかなり難しいと思いますが、私自身かなり考えさせられるところがありました。研究が研究を呼ぶ世界にはまりこみ、何のための科学なのかということや人々に求められているものからどんどん離れていってしまうということが多々あると思います。まあ、そこから生まれてくるものもあるとは思いますが。う〜ん、難しい。

科学の目 科学のこころ

長谷川眞理子
『科学の目 科学のこころ』
岩波書店
1999年7月19日
11.24 この本を読んだのは先週なんですけど、更新できなかったんで。でも、確実に最近読む量が減ってますね。まあ、それはいいとして、著者が行動生態学の学者さんということで主に生物関係の話が多いです。あと、科学における過去の偉人の話ですね。振り返ってみると兎角いろいろな話があったように思います。感覚的な常識にとらわれないことの大切さ、つまりは科学の目によって見ることによって真実が見えてくるということですね(何かクドイ言い方)。人文・社会科学も自然科学も関係なく。

社会責任投資の基礎知識

秋山をね・菱山隆二
『社会責任投資の基礎知識』
岩波書店
2004年4月6日
11.13 貰い物の本のなかに、アクティブ新書が一冊紛れ込んでいました。内容は、書名のとおりです。最近、企業の不祥事のニュースが多いですが(いつでもあるとも言えますが)、このような不祥事などを起こす企業はSRIには入らないようになっているのでしょうね。SRIの基本は、企業の倫理、法令順守であり、その企業がいかに誠実に経営をしているかです。しかし、これは企業に限らず人として守るべきことでしょう。でも人間、欲に駆られて悪いことしがちですよね。

私の脳科学講義

利根川進
『私の脳科学講義』
岩波書店
2001年10月19日
11.11 ノーベル賞受賞者の利根川先生です。先生の歩まれた道や脳科学に関する内容もかなり面白かったですが、最後に収録されているインタビューがよかったです。科学者に必要なことは、楽観的であること。つまり、いろいろ難しいことがあっても滅入らない、諦めない人であって、そしてプライオリティがしっかりしている人だそうです。感銘。あと、頑張って研究し続ければ、いつか大きな発見ができると思い込んで、自分の心理をコントロールできることが大切だとも。人間プラス思考が大切ですね。まあ、勘違いや見当違いなプラス思考はダメだけど。

日本人のための英語術

ピーター・フランクル
『日本人のための英語術』
岩波書店
2001年11月20日
11.9 本棚をよく見たら英語に関する新書がまだありました。ということで早速読んでみました。この本は易しい内容だったのでとてもよかったです(私の英語レベルでは)。数学者かつ大道芸人といったあのピーターさんがこんな本を書いているとは。日本人の完璧主義や寡黙なところが英語を話すのにかなりマイナスだというのは的を射ていますね。内容は、日記の勧めや英単語のゲームなど。英語が苦手な人にお薦めです。

若きウェルテルの悩み

ゲーテ作/竹山道雄訳
『若きウェルテルの悩み』
岩波書店
1951年4月25日
11.6 よかったです。『修業時代』や『遍歴時代』と比べて精神的なレベルとしては低い内容ですが、青年のもつ複雑な心がよく表されていると思います。最後に解説がついていますが、こっちのほうが意外に面白かったような気もします。どうも私は途中に出てくる挿話が苦手です。私の脳みそはそんなに柔らかくないんで。ゲーテがこれを書いたのが25歳。納得です。歳とってこんな話を書いていたら、未練がましいし、ちょっとどうかとも思います。本人が読み返したくないのもよく分かる。『修業時代』や『遍歴時代』は、青年が見る世界なんかより桁外れに広く、内容も深いです。

きょうのできごと

柴崎友香
『きょうのできごと』
河出書房新社
2004年3月20日
11.3 映画を観たので原作を読んでみました。日テレ系列のニュースではありません。映画を観て原作を読むこと自体が初めてでした。こういう本を読むのも。別にこの映画が凄くいいということでもないですけど。何が起きるわけでもない平凡な映画です。個人的にはこういうの好きなんですけど。ハリウッドみたいなドッカンドッカンやるのよりは。原作も映画と基本的には変わらないというかほぼ同じでした。台詞まで。壁に挟まれた男と鯨の座礁がないだけで。最近観た映画で面白かったのは、“恋の門”かな。“茶の味”もよかった。あと、“笑の大学”が観たい。

武士道

新渡戸稲造著/矢内原忠雄訳
『武士道』
岩波書店
1974年11月18日
11.1 今日から新札が流通し始めて、新渡戸稲造の5千円札は消えていく運命ですが、『武士道』は日本人が忘れてはならない素晴らしい精神が詰まって消えることのない名著でしょう。昨今の世知辛い世の中では、武士道精神を育むこと自体が困難ともいえますが、だからこそこういう人間として生きていきたいですね(切腹はなしですけど)。斯くも今の日本は、精神的に崩壊してますから。メディアを中心に誠意のないものが多過ぎます。結果やお金も大事ですけど、もっと大切なものがあるはずなんです。

ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(下)

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(下)』
岩波書店
2002年4月16日
10.28 これでとりあえず、全巻制覇しました。でも、なんだこの終わり方は。っていうか、これで終わりなのだろうか。ん〜、どうなんだろう。この下巻も例のよって最後の70ページ弱が182つの文章がずらずらと載せてあります。全体を通して感じたことは、ゲーテはいろいろとよく考えていた人だということです。これだけの内容を含ませながら小説をまとめることは凡人にできるものではないですね。全巻制覇といいましたが、『若きウェルテルの悩み』は『修業時代』や『遍歴時代』と繋がりがあるのかな(そうだったら、まだですね)。次は、これを読んでみるか。

女子大生会計士の事件簿4

山田真哉
『女子大生会計士の事件簿4』
英知出版
2004年10月8日
10.23 はい、萌ちゃんです。続いてますね〜。もう4巻ですか。コミックにもなってますしね〜(読んだことないけど)。しかし、読み易いのはいいんですけど、さすがに時間がもたないです。この分量で¥997は、レンタルビデオの方が確実に時間単価が安い。ひとつの話ごとに挿絵が入っているんですが、電車で読んでいるのが少し恥ずかしかったです。TACの広報に連載されているのでTACに通っている人なんかは書籍が出版される前にはもう読んでるんでしょうね(私は大原でした)。登場人物は、みんな日本史から引っ張ってきてますね。ちょっと共感。山田先生は、これ以外にも結構本出されてますよね。読んだことないけど。

ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(中)

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(中)』
岩波書店
2002年3月15日
10.22 意外に近くの本屋にありました。“遍歴時代”は、手紙が多いです。あと、この巻においては、ひとつの話(章)が非常に短い(特に最後にかけて)。それはそれで読み易いですが、短過ぎるとさすがに内容が乏しい。あと、この本の231〜295ページは、「遍歴者たちの精神による考察」と題して、とても意義深い文章たちが177つ載せてあります。こんな便利なものがついてくるとは。しかし、この部分を読んでいるとこの本の内容の濃さが分かりますね。

大学生の学力を診断する

戸瀬信行、西村和雄
『大学生の学力を診断する』
岩波書店
2001年11月20日
10.17 一時期かなり議論された学力低下論争の火付け役ともなった『分数のできない大学生』『少数ができない大学生』など本をまとめたものですね(たぶん)。新学習指導要領への反対にかなり説得力のある本です。当時、これらの本を見たときの衝撃は大きかったです。でも、「そんなもんだよな」とも思いました。何せ、私自身が学力低下の申し子と言える存在です。高校数学はかなり怪しい。何が悪い?科目数が極端に少ない受験制度か?その受験勉強一本槍の教育か?ともかく、私は学生のうちに高校教育を自分なりにやり直さなくてはならないです。

ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(上)

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代(上)』
岩波書店
2002年2月15日
10.15 『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』の続きです。この本を読んでいると「幸せ」を「仕合せ」と書いてあることに気付きますが、広辞苑を引くと、どうやら「仕合せ」の方が正式なようです。へえ〜。さて、この本。読み終えたのはいいですが、次が手許にないです。どうも、人気がないようなので余程大きな本屋じゃないとないみたいです。あっても遍歴時代までですね。この本の特徴ですが、いきなり挿話が入るとどうも調子が狂います。感想としては、修業時代の方が面白かった気がします。

少年犯罪と向きあう

石井小夜子
『少年犯罪と向きあう』
岩波書店
2001年12月20日
10.12 この本もよくある最近の子供に関する本のひとつですね。犯罪が多くなったとか、凶悪化したということは実際ないわけですが、何が変わったかといえば罪を犯してしまう子供の質なんでしょうね。これまではそんなことをしなかった層の子供が犯してしまう。また、誰が起こしてしまうか判別がつきにくいということでしょう。この本は、少年法の改正についての筆者の見解が書いてあるのですが、なかなか難しい問題ですね。あと、犯罪を起こしてしまう子供は、自尊感情や自己肯定感が弱いというのは的を射ていると思いました。

子供の危機をどう見るか

尾木直樹
『子供の危機をどう見るか』
岩波書店
2000年8月18日
10.7 よくある最近の子供に関する本です。学級崩壊やら凶悪事件などを振り返りながらその原因について、それなりの見解が示されていると思います。最後のほうは、これに対応するための現代的教育のあり方について、これまでの数々の試みなどを挙げながら提案されています。昔のツッパリなんかと違う形で表れてきた子供の荒れはそもそもいつから表面化してきたのかと考えると、結構私の年代がそのキーとなる学年だと思います。ルーズソックスやポケベルに携帯、プリクラに厚底ブーツ、ガン黒に一時期流行った「チョベリバ」などの言葉も私の世代です。援助交際のピークも私の世代。なんだか、半分当事者としても読める本な気もしますね。

伝わる英語表現法

長部三郎
『伝わる英語表現法』
岩波書店
2001年12月20日
10.2 意外と英語に関する本が家にあったようです。でも、これが最後。前回同様、私には少しレベルが高い内容でした。基本的に単語で読んでしまう私には、それを否定する内容の本だったので、これまた自信を失いました。ただ単語英語では、気持ち(内容)は伝わらないということは、説得力のあるものでした。英語は単語で表現するより単語に縛られずに具体的に説明しないとわからないものなんですね。英英辞典ばりに。さて、これからどうやって英語勉強していこっかなぁ〜。チャイ語もやらなきゃなぁ〜。…。

心にとどく英語

マーク・ピーターセン
『心にとどく英語』
岩波書店
1999年3月19日
929 題名通り、心にとどく英語を話すために、日本人があまり理解していないと思われる英語の微妙なニュアンスについて、映画などに出てくる会話を例に説明しています。まあ、私の英語力に対して少し早い内容でした。微妙なニュアンスの違いについて言われても私にとっては、混乱を招くどころか自信喪失以外の何者でもない感じです。勉強にはなりましたけどね。しかし、日本語というのは複雑なだけに、表現力だけはあるなと思いました。とりあえず、読むことができれば十分で、バイブルはビック・ファット・キャットですね(笑)。

日本人はなぜ英語ができないか

鈴木孝夫
『日本人はなぜ英語ができないか』
岩波書店
1999年7月19日
926 我が家には、未読の岩波新書・文庫がいっぱいあります。バイト(本屋)を辞めるときに70冊ほど戴いたものです。お陰で今年度中は読む本には困らないと思います。これはそのなかの1冊。ちょうど先日英語の試験も受けたし。英語のできない日本人の一人として(英語コンプレックスを持つ一人として)読ませて頂きました。内容は、日本人の持つ文化的な特性や英語教育の問題点などが述べられています。書いてあることはその通りだと思います。日本にいれば日常において英語を使うことはほぼないに等しいというか、できなくても生活はできます。しかし、やはり使用する必要のある人間はしっかり身に付けないといけませんね(自分のこと)。

ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(下)

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(下)』
岩波書店
2000年3月16日
924 とりあえず、一通り読み終わりました。とてもためになる本です。お奨めします。基本的に私は、物語などで人の名前を覚えるのが苦手です。特に横文字の。誰が誰だかわからなくなることが度々あります。今回も例に従い、しばしば。実際、今も多少混乱が残ってます。この『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』には、続編として『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』という本がありますが、とりあえず『修業時代』で一端休憩しようと思います。続きはいつか読みます。

ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(中)

ゲーテ作/山崎章甫訳
『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代(中)』
岩波書店
2000年2月16日
919 前にも言いましたが、ゲーテが複式簿記を賛美したといわれる原典です。その記述は上巻ですでに出てきてしまいましたが、そんなことより本の内容がとてもいいです。ゲーテ自身の哲学が凝縮された内容になっています。ドイツ人の男性らしい記述な気もしますが、私にはかなりの共感をもつことができる内容です。特に、主人公のヴィルヘルムや友人ヴェルナーは、とても共感がもてます。両者は両極端な人間だけど、人間両方の考え方を持ち合わせているものです。私もそうですし。ただ、いまのところ第6巻の内容はなんだったのかよーわからんです。残すは下巻のみ。さぁーて、さっさと読み終えてしまうか。

不思議の国の会計学

田中弘
『不思議の国の会計学』
税務経理協会
2004年8月20日
5e4082c1.jpg 田中先生の時価主義批判第4弾です。過去の3冊同様とても読み易い本です。会計学の本に欠けている読み易さをこれほど平易な例えを交えて誰でも読めるように書いていらっしゃるのは田中先生をおいて他にはいないのでは。しかし、平易かつ大胆に書かれているので、極端な表現や事実から反するような過剰な表現が間々見受けられてしまうのは少し残念。そういう部分を除けば、共感する部分は多いです。主に、高株価経営批判(ビックバス、クリエイティブ・アカウンティングなど)、WASP批判(市場原理主義など)、離脱規定の問題、クリーン・サープラスの重要性(時価会計、包括利益など)などには強い共感を持ちます。しかし、折角誰でも読める内容なのに¥2,940じゃ、一般の人とは買わないわな。

過去のbook diary

以前のbook diaryは、下記のアドレスにあります。

http://www.yamanelab.jp/book.htm
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